2021年12月28日(火)に中山競馬場で行われる『ホープフルS(G3)芝2000m』の最終追い切り評価となります。
出走馬は15頭。追い切り動画で確認できた全馬の追い切り評価となります。
アケルナルスター 55.0 【B-】
美浦坂路併せ。G前仕掛け。
2馬身先行してラチ沿いに入ってくる。併せた内の相手は古馬2勝馬のサノノクヒオであったが、逆手前で走る相手に終始煽られ気味。こちらも肩を叩き鼓舞するもさしたる反応が見られず。上体も上ずった走りとなっており評価しづらい。
【1週前追い切り B】
アスクワイルドモア 55.0 【B+】
栗東坂路併せ。馬なり。
1週前のCWでも素晴らしい動きを見せていたが、坂路でも素晴らしい走りをみせてくれた。この馬の良いところは体幹の強さから来るフォームの美しさ。クビを真っ直ぐ振り、前後の脚をキレイに前に出す好フォームで加速ラップを踏んで登坂した。ラチ沿いを走る相手には半馬身遅れという内容も、これはまったく気にならない。才能ある良い馬だ。高く評価したい。
【1週前追い切り B+】
上位5人気までの馬では最もよく見える馬となりました。大外枠は少し残念かも知れません。
オニャンコポン 55.0 【B】
美浦南W単走。G前軽く促す⑦
表記は単走であったが、外ラチ沿いを走る他厩舎の馬との3頭併せのような状態。走りはそれほど大きくないものの綺麗に手前を替えて、好フォームで伸び伸びと爽やかな走り。可愛い馬名とは裏腹に相当の実力の持ち主だろう。少なくとも馬名を理由で評価は落とさない方が良い。動きを見て欲しい。この馬は良い馬だ。
【1週前追い切り B-】
後々実力が評価され、この愛くるしい名前も相まって、長期にわたり人気を博す1頭になりそう。そんな予感がします。
キラーアビリティ 55.0 【B】
栗東坂路併せ。G前軽仕掛け⑦
2週続けて横山武騎手が栗東に赴き騎乗。それだけ素質馬なのだろう。最終追い切りは少し力んで走っており、乗り難しい印象を受けた。当初、相手の外を回すつもりが、「追い付かない」という武史騎手が判断。コーナー手前で相手の「内」に進路を切り替える。相手も動けており、追い抜こうとしたが、抵抗され逆に遅れを取りそうになり、両馬の鞍上が「おっ」と顔を見合わせるシーンが印象的だった。1週前はよく映ったが、ここは一つ割り引き。評価は据え置いた。
【1週前追い切り B+】
外の相手は秋華賞3着、エリザベス女王杯4着の古馬OP馬ソフトフルートでした。相手も動けていましたが【B】の中でも下位評価となります。
クラウンドマジック 55.0 【C】
栗東坂路併せ。G前一杯。
岩田康騎手が騎乗。前の2歳1勝クラスの馬を1馬身追走しながら馬場の真ん中に入ってくる。走りの軸が安定せずフラフラとした走り。ラスト1Fから見せムチ使って一杯に追うも1馬身1/4馬身遅れ。最後は苦しそうに顔を背けていた。評価できない。
【1週前追い切り B-】
グランドライン 55.0 【B】
美浦南W併せ。G前軽く促す⑦
2頭併せの外。内は古馬OP馬のアナザートゥルース。調教駆けする相手に対して、コーナーで外を回しても遅れずついていけるコーナーリング性能は高く評価できる。直線向いて左手前に替わった直後、少し走りづらいそうになり減速した点は割引きも、その後は軽く仕掛けてクビ差遅れを取り戻し併入。脚元の力感は少し物足りないも、四肢を大きく広げて走れている。評価は据え置くも十分の内容。
【1週前追い切り 映像なし】
内は古馬OP馬のアナザートゥルースでしたが、ステッキを使ってめい一杯追う相手に対して、こちらは外を回して軽く仕掛けての内容で、動きで勝っていました。全く人気はなさそうですが面白いと思う1頭です。ラーグルフ、ボーンディスウェイが強かっただけだったという可能性はあります。
コマンドライン 55.0 【B-】
美浦南W併せ。G前仕掛け④
3頭併せの内。レース騎乗はルメールだが、三浦騎手による最終追い切り。前を大きく追走から、最後に併入という内容。直線半ばで、強引に手前を替えたため、手前替え直後は一時伸びを欠いた。馬も少しやる気を無くしたようにも映った。その後鞍上が仕掛けて、差を詰めるも僅かに遅れたか…。好時計も通ったコースは内目。時計だけで過剰には評価したくない。少し心配になる内容。人気を考えると少し危険な印象すら受ける。評価は割引いた。
【1週前追い切り B】
三浦騎手と手が合わなったという可能性もありますが、動きも人気ほど見栄えしません。
サトノヘリオス 55.0 【C】
栗東CW併せ。馬なり。
岩田望騎手が騎乗。2頭併せの内。外は同レースに出走するフィデル。木曜日追いでコース上に雪が薄く積もった状態ということもあり、滑らないように恐る恐るの内容。シャープな身体つきはしているものの、かかり気味でクビに硬さの残る内容。四肢の可動域も狭い。1週前はプール調整で最終追い切りはこの内容。評価できない。
【1週前追い切り 映像なし】
評価不能の【D】評価が妥当かも知れませんが調整過程が評価できません。そこそこの人気馬ということもあり、明示的にこの評価としました。
ジャスティンパレス 55.0 【B+】
栗東CW併せ。G前軽く仕掛け⑧
3頭併せの中。前脚をピンと伸ばす走りで肩の出は一息。今一つ見栄えしない走りも、クビを使って低い姿勢で走れている。この馬の特徴として後肢の蹴りがしっかりしている。これが推進力の源だろう。G前軽く仕掛けたとは言え、通ったコースを考えると、この6F時計はかなり優秀。プラスに評価してみたい。
【1週前追い切り 映像なし】
個人馬主の馬ですが、杉山晴紀厩舎に預けているノーザンF生産馬のディープ産駒というだけで気になるところに、C.デムーロ騎手を配してきました。そして、めい一杯に仕上げ。陣営の熱意を感じます。
シャルビーズアイ 55.0 【B-】
栗東CW併せ。G前一杯⑨
松田大作騎手が騎乗。2頭併せの内。前を走るラチ沿いの相手の真後ろをピタリと走り、直線向いて相手の内に入れ、しっかりと負荷をかける内容。相手は2歳未勝利馬のペプチドヤマトであったが、馬なりのままの相手に対して、一杯に追って何とか併入という内容。評価しづらい。
【1週前追い切り B-】
タイラーテソーロ 55.0 【C】
美浦南W併せ。G前強め⑧
2頭併せの内。前を2馬身追走し直線に入ってくる。手前替えにスムーズさを欠き、四肢の可動は狭くこじんまりとした走り。外は2歳未勝利馬であったが、これに「おいでおいで」されるカタチとなっており、評価できない。
【1週前追い切り B】
フィデル 55.0 【D】
栗東CW単走。馬なり。
2頭併せの外。内は同レースに出走するサトノヘリオス。木曜日追いでコース上に雪が薄く積もった状態ということもあり内容は軽め。とは言え、1週前同様、柔らかで弾力性のあるフットワークは健在で背中が安定。動きの質は変わらず上質。ここでの評価は内容が軽すぎるため評価不能の【D】とするが、1週前と同じ評価で良いだろう。
【1週前追い切り A】
追い切りの動きを見る限り、かなり良い馬という見立てです。
ボーンディスウェイ 55.0 【B】
美浦南W併せ⑦
2頭併せの内。外は古馬1勝クラスのモンサンラディウス。直線で相手に追い抜かれそうになったところで、右手前に戻して加速。5完歩程度で加速させると、すぐ正手前(左手前)に戻し、ラクラクと相手に1馬身先着した。とても器用な馬で、スピードを殺すことなく手前替えをすることで急加速できている。センスの良さを高く評価したい。
【1週前追い切り 映像なし】
【B】の中でも上位評価です。中身は手前をコロコロ替えていますが、何かとても爽やかな印象を受ける走りで気になる1頭です。
マテンロウレオ 55.0 【B+】
栗東CW併せ。G前軽仕掛け⑧
2頭併せの内。前脚を大きく投げ出すフォームでありながら、掻き込む力が強くギュッと内に力が寄るような走り。また後肢も馬場に深くアプローチし、力強く蹴ることができている。さらには直線序盤で相手と並んでから、交わす時のギアチェンジ性能が秀逸。軽く仕掛けて5馬身以上は突き放していた。もう一つ付け加えるなら、器用な馬。スピードをまったく殺さない手前替えの上手さも光るものがある。高く評価したい。
【1週前追い切り B-】
併せた相手は古馬2勝クラスのレッドレビンです。これをまったく寄せつけませんでした。【A】評価でも良いのですが、ラーグルフの動きが素晴らしく、明示的に評価は一つ下げました。ただ【B+】の中では最上位の評価です。
ラーグルフ 55.0 【A】
美浦南W併せ。馬なり⑦
2頭併せの内。外の相手は2歳未勝利馬。これを3馬身追走からラクラクと3馬身突き放す好内容。右回りのコーナーリングも上手。そして体幹の安定性と四肢の可動域の広さが秀逸。軽めの内容だったとは言え、最後まで集中した走りで、終い2F時計は23.9-11.4秒。手前を替えた直後だけ少しフワッとしたところ以外、文句のつけようながない走り。高く評価したい。
【1週前追い切り A】
2週続けての【A】評価です。1週前の記事にも書きましたが、「こんな良い馬が眠っていたのか」というのが素直な感想です。しかし、なぜこんなに人気がないのでしょう。かなり面白い1頭だと思います。