2021年10月23日(土)に東京競馬場で行われる『富士S(G2)芝1600m(別定)』の最終追い切り評価となります。
出走登録は17頭。追い切り動画で確認できた16頭の追い切り評価となります。
- ハッピアワー
アルジャンナ 56.0 【B+】
栗東坂路単走。馬なり。
脚長で体高がある見栄えする馬体。一言で言うとカッコいい。時計は出ていないものの、ゴールに向かって0.4→0.8→0.8秒と加速度合いを増すラップを踏み、体幹しっかりの好フォームで馬場の真ん中を力強く駆けた。適度な気合乗りで身体全身を使って弾むようなフットワークで走ることができている。
ザダル 56.0 【B】
美浦南W併せ。馬なり⑦
前を4馬身近く追走から、外を回しゴール前でスッとクビ差先着という内容。馬体をふっくら見せ、重心低いフットワークで、前を捕らえに行く気迫感じる走り。手前を替えなかった分だけを割り引いた。
【B】評価の中では最上位です。
サトノウィザード 56.0 【C】
美浦坂路併せ。G前軽く促す。
前を1馬身追走からゴール前でスッとクビ差先着という内容。相手を気にし過ぎていたこともあり、手前替えが上手くいかず、直線向いてコロコロ手前を替えていた点は割引き。自身の走りに集中できていない。アタマも高くフォームもバラバラ。評価できない。
1週前は美浦南Wで前を大きく追走しめい一杯追って併入という内容も、動きに今一つ動きにキレを感じませんでした。本調子には至っていないという判断です。
サンライズオネスト 56.0 【B】
栗東坂路単走。馬なり。
テンから飛ばしてどこまでという意欲的な内容。逃げの手に出ることが想像できる。まだクビを上手に使えていないものの、脚元は妙に力強く、雨の残る重たい馬場も苦にしなさそうな走り。活気も十分。ラスト1Fで0.3秒失速も、これは変なタイミングで手前を戻してしまったため。兎にも角にも脚元の力強さが目をひき、何かマイナス評価にはしたくない動き。評価は据え置いた。
全体時計51.8秒はメンバー中、ロータスランド次ぐ2番目の時計。何が何でも逃げたいという馬がいないメンバー構成。これだけ人気がないなら押さえておきたい。爆穴を開けるならこの馬。そう思う馬です。
ソーグリッタリング 56.0 【B】
栗東CW併せ。G前仕掛け⑧
2頭併せの外。併せた内の相手は、菊花賞に出走するディープモンスター。相手に突き放されはしたものの、首でリズムを取りながら最後まで集中して走り切った点は好感。フォームも安定している。四肢の可動域は広くなく、決してキレるタイプの馬ではない。そのため、時計のかかる馬場は歓迎の口。評価は据え置いた。
この馬の追い切りをみて、ディープモンスターがいかに動けているかを再認識。少し評価を上げたくなりました。もしこの馬が富士Sで好走するようなら、ディープモンスターの警戒度合いは高めたいと思います。
ソングライン 52.0 【B】
美浦南W併せ。馬なり⑦
3頭併せの内。 前を大きく追走からコーナーで早々に相手を捕らえると、直線では綺麗に手前を替えて、外の2頭を難なく突き放す好内容。とても軽やかでバネ感ある走り。トビの綺麗な馬で良馬場の方がパフォーマンスをあげそうな走りに思えた分、評価を一つ下げた。
この馬の能力は既に古馬G1級で52㎏は少し反則にも思えます。問題は馬場の悪い最内枠と、雨の残る重たい馬場をどうこなすかだけでしょう。
タイムトゥヘヴン 54.0 【B】
美浦南W併せ。G前軽く促す⑤
前を1馬身追走から、コーナーをショートカット気味に回った相手に対して、本馬は自身のコースを守り大きく回ってくる。直線では、内で懸命に追う相手を尻目に、軽く促すだけで1馬身半突き放す好内容。頭をグッと下げ集中した走り。ただこの馬もソングライン同様、地面を祓うような素軽いフットワーク。雨の残る少し時計のかかる馬場でどうか。評価を一つ下げた。
ダーリントンホール 56.0 【B-】
美浦南W併せ。馬なり③
終い重点で内容は軽め。ゆったりとコーナーを回ってくる。集中力欠く内容で、手前替えがぎこちなく、直線での伸びも物足りない。評価は割引いた。
1週前は、ベロベロと舌を出しての走りでありながら、秋華賞2着のファインルージュに楽々とクビ差先着していましたが…。
ダノンザキッド 54.0 【A】
栗東CW単走。G前強め⑦
3頭併せの内。外の2頭を4馬身近く追走し、直線仕掛けて1馬身遅れという内容も、最後までしっかり追われ、ゴール後に相手を交わすという内容。やや上ずった走りでまだ少し重苦しさは残るも、四肢の可動域の広さ、動きのしやなかさ。迫力・気合乗り。どれをとっても他馬とは一線を画している。久々、外枠なんのその。見せてもらいましょう。この馬の強さを。他馬を圧倒する王者の走りを。
1週前追い切りもやる気みなぎる走りで、荒々しい獣のようなフットワーク。併せた外の相手を、相手にすることなく突き放していました。この時点でも重さ苦しさは残していましたが、最終追い切りでしっかり負荷をかけて本番ではより良い状態で臨めることでしょう。今の状態でも、動きの質が違います。このメンバーでは抜けた存在という評価です。
バスラットレオン 55.0 【B+】
栗東坂路単走。馬なり。
この馬らしい重心の低いフットワーク。全体時計は遅いもラスト2F時計24.2-11.7秒は優秀。右手前1本で走った点は余力と捉えたい。綺麗に仕上がった印象。高く評価したい。
1週前も同じく坂路でビッシリ追って、併せた相手を2馬身半突き放す好内容でした。鞍上のムチにしっかりと反応出来ていた点は評価したいです。
フォルコメン 56.0 【C】
美浦南W併せ。馬なり⑤
入れ込み気味。鞍上が手綱で抑えたためアタマを上げながらの走り。また終始外の相手を威嚇しながら走っており、自身の走りに集中できていない。評価できない。
ボンセルヴィーソ 56.0 【B-】
栗東坂路単走。馬なり。
後脚が外を回るフォームは割引。また良い時に比べると少し線も細く見える。ラスト2F時計は24.0-11.9秒としっかりとした時計は出ているものの、動きに迫力なく、走りにスピード感も感じない。また後ろから来た他厩舎の相手に交わされそうになりながらのフニッシュ。見栄えも悪い。評価は割引いた。
マイラプソディ 56.0 【B-】
栗東坂路単走。馬なり。
少し重心高めも体幹しっかりのパワフルなフットワークは健在。ただ途中で口を開けながら本気で走れていない点は割引き。この馬の良い時と比べると動きの迫力も欠けている。また、普段CWで調整する馬だが、マイル戦ということで坂路での最終調整だったのだろうか。今一つピリッとしない内容。評価は割引いた。
ラウダシオン 57.0 【B-】
栗東CW単走。馬なり。
流しただけ。この馬は最終追い切りをみて判断しない方が良い。寧ろ最終追い切り軽めの方が好成績を残している印象。本追い切りは1週前追い切り。その1週前は、同じく栗東CWで重厚感のあるパワフルな走りではあったものの、もう一つ動きに伸びやかさがない。評価は割引いた。
この馬は追い切りは道中いかに気持ちよく走れるかが重要になる馬です。今回は外にボンセルヴィーソ、サンライズオネスト、ダノンザキッドらの逃げ・先行勢も多く、スムーズな競馬が難しいかも知れません。
ロータスランド 54.0 【B+】
栗東坂路単走。馬なり。
ラチ沿いを登坂。残り250mでの手前変換でギアが入れ替わると、キビキビとした走りで鋭く伸びて高いギアチェンジ性能を見せた。前後の脚が真っ直ぐ前に出る好フォーム。またピッチ走法で重たい馬場も苦にしなさそうな走り。綺麗な加速ラップは踏めており活気も十分。高く評価したい。
ワグネリアン 57.0 【C】
栗東坂路単走。馬なり。
顔が真っ直ぐ前を向かず、左手前での走りであるにも関わらず、アタマを右前脚の上に置くチグハグなフォーム。馬なりではあったが、加速ラップを維持するのが精一杯という余力ない走り。評価できない。
ダービー馬マカヒキの復活もあり、同じダービー馬のこの馬の復活にも期待が高まるところですが、この状態では厳しいと思います。