《2025》有馬記念【最終追い切り】調教評価 ~最高評価は、グランプリ仕様の持久力。スケールの大きなフォームで脚を長く使い、しぶとく伸び切る一頭~

有馬記念 追い切り 調教評価
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本記事は、2025年12月28日(日)に中山競馬場で行われる『有馬記念(G1)芝2500m(定量)』の最終追い切り評価記事です。

出走馬は16頭。追い切り動画で確認できた全馬の追い切り評価となります。

A評価

マイネルエンペラーは、栗東CWでの併せ馬です。内目を回る相手に対し、自身はコーナーの一番深いところを回って直線へ。入り口からフォームが崩れず、直線の走りが実に伸びやかです。広い肩の可動域を生かして前肢を大きく前へ運び、重心も適度な低さを保ったまま。空気抵抗の少ない走りです。クビの使い方と後肢の蹴りも噛み合い、ラクにスピードへ乗せられています。併せた相手は新馬でしたが、8馬身近く後ろから追走して直線できっちり並び掛けて併入。1週前に続いて内容は申し分なし。文句なしのA評価です。

B+評価

タスティエーラは、美浦南Wで3頭併せの最内です。もう無理はさせておらず、どちらかと言えば抑え気味の調整。それでも完全に折り合いがつき、フォームはスムーズです。外の相手が並び掛けに来ても慌てる素振りはなく、直線もリズムを崩さず併入。気性的な落ち着きがあり、体をスカッと見せているあたりも好調の証です。枠順の不安がなければA評価に近い内容で、高く評価します。

シンエンペラーは、終い重点の内容です。後肢の蹴りが力強く、浮遊感たっぷりのフットワークで坂路を登坂。ラスト1Fで素早く手前を替えると、そこからギアが一段上がり、一瞬で1馬身差を付けて先着しました。反応の鋭さと加速の質は上々です。あとは道中をどれだけリラックスして走れるか。ここが噛み合えば、好枠を生かしてさらに上も狙える気配です。

B評価

コスモキュランダは、美浦坂路での併せ馬です。手前替えに一切のロスがなく、前後の脚をまっすぐ前へ出して地面をしっかり捉えています。フォームに無駄がなく、推進力が前へ素直に乗る走り。併せた相手は新馬でしたが、持ったまま悠然と2馬身突き放して先着しました。動きの質が良く、B評価の先頭に置きたい一頭です。

ジャスティンパレスの最終追いは調整程度で、フォームのバランスを整える内容です。動き自体は可もなく不可もなくですが、状態はきっちり維持できています。1週前のCWでは、相手が格下でも簡単に詰まらないところから、強めに促して一完歩ずつ差を詰め、最後はハナ差先着。地面を掴む力感と活気も十分でした。大きく上げる材料こそありませんが、崩れず走れる下地は整っており、この評価です。

アドマイヤテラは、栗東坂路での単走追いです。序盤から走りがスカッとせず、いつ気を損ねてもおかしくない危うさ。案の定、ラスト1Fで合図が入るとそれを嫌がり、アタマが上がってしまいました。このあたりは本来マイナス材料です。それでも脚元は最後まで力強く、後肢の蹴りののびやかさは目を引きます。川田騎手なら噛み合わせてきそうで、本番で一変まであっていい雰囲気。評価は据え置きます。

エルトンバローズは、栗東坂路での単走追いです。何度も手前を替えようとして替えられず、最後まで右手前一本。ここは割り引きで、終いの伸びも迫力を欠きました。ただ活気は十分で、気配自体は悪くありません。1週前の良さを思えば、当日の気配込みで見極めたい一頭です。評価は据え置きます。

ミュージアムマイルは、栗東坂路での併せ馬です。手前替えが窮屈になった点は割り引きですが、左手前に替わってからはずっしりとしたフットワーク。フォームが崩れず、地面を捉える力感もあります。ただ終いにかけて顔の向きが悪くなり、思ったほど伸び切れない印象は残りました。それでも併せた古馬3勝クラスを相手に、無理をせずアタマ差だけ前に出て先着。最終追いとして“まとめた”内容で、追い切りの動きだけなら高くは取りづらいです。とはいえ能力を思えば、この雰囲気なら大きく崩れる印象もなく、評価はBに置きます。

ダノンデサイルは、栗東坂路で軽く流しただけの内容です。大きくゆったりとしたフットワークで、柔らかさは見せています。ただトモが流れていた点は割り引きで、1週前からの大きな上積みも感じません。追い切りの動きだけなら高くは評価しづらい内容です。それでも雰囲気そのものは悪くなく、当日のパドックでガラッと良く見せる可能性もありそう。追い切り評価としては“オマケ込み”になりますが、ここは敢えて評価を据え置きます。

B-評価

エキサイトバイオは、栗東坂路で単走、馬なりです。体幹はしっかりして真っすぐ走れていますが、最後は疲れを見せて失速。評価は上げづらい内容です。サンライズジパングは、栗東坂路での併せ馬です。ラチ沿いを走る古馬2勝クラスをめい一杯に追いかけましたが、追いつけずアタマ差遅れ。相手の鞍上が何度も振り返る仕草も印象的でした。時計だけでは良く見えますが、高くは評価しづらい内容です。

シュヴァリエローズは、1週前にとても良く見えた馬ですが、最終の坂路が案外でした。僅かとはいえ左に刺さりながらの走りで、脚元の力感も薄い。迫力を欠き、この評価に留めます。アラタは、美浦南Wでの併せ馬です。推進力は強くありませんが、フォームはカチッと安定。とはいえ年齢面も踏まえると過剰な評価はできず、B-評価です。

C評価

レガレイラは、栗東CWで3頭併せの中です。小刻みに脚を刻む走りですが、コーナーリング自体はスムーズで大きな破綻はありません。ただ直線に向いてからのストライドの広がりが物足りず、ギアがもう一段上がってこない印象です。併せた外のソニックスターに手応えで見劣り、強めに追って何とか併入という内容。最終判断はパドックに委ねますが、現時点では連覇へ不安の残る内容です。

メイショウタバルは、最終追いは序盤から行きたがり、鞍上が腰を上げて手綱を引く場面が印象的でした。意図的に“走らせない”調整にも見えますが、直線で手綱を開放して伸びやかに走らせようとしても、すでに馬に走る気が乗っていません。手前も替えず、気のない走りのまま。最終追い切りとしては評価しづらい内容です。
1週前はCWでパワフルに地面を掴んで蹴り、古馬オープン相手を一気に突き放す迫力を見せただけに、今回は正直拍子抜け。とはいえ能力は確かな馬でもあり、当日の気配が戻っていれば、評価以上に注意したい一頭です。

ミステリーウェイは、クビの可動域が狭く、上体が硬い印象です。そのぶん下半身だけで走る形になり、推進力が前へ素直に乗ってきません。フォームに余裕がなく、評価を上げづらい内容です。

追い切り評価(まとめ)

枠番馬番馬名性齢斤量騎手最終1週前
11エキサイトバイオ牡356.0荻野極B-B-
12シンエンペラー牡458.0坂井瑠B+B
23ジャスティンパレス牡658.0団野BB
24ミュージアムマイル牡356.0C.デムBB
35レガレイラ牝456.0ルメールCC
36メイショウタバル牡458.0武豊CB+
47サンライズジパング牡458.0鮫島克B-B-
48シュヴァリエローズ牡758.0北村友B-A
59ダノンデサイル牡458.0戸崎BB-
510コスモキュランダ牡458.0横山武BB-
611ミステリーウェイセ758.0松本大CC
612マイネルエンペラー牡558.0丹内AA
713アドマイヤテラ牡458.0川田BB-
714アラタ牡858.0大野B-
815エルトンバローズ牡558.0西村淳BB+
816タスティエーラ牡558.0松山B+B

1週前の動きも再度チェックしておこう

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