2022年7月10日(日)に福島競馬場で行われる『七夕賞(G3)芝2000m(ハンデ)』の最終追い切り評価となります。
出走馬は16頭。追い切り動画で確認できた全馬の追い切り評価となります。
アンティシペイト 56.5 【B+】
栗東CW併せ。馬なり⑧
2頭併せの外。ブリンカーを付け先行した状態で入ってくる。とても集中した走り。内のハヤヤッコを寄せ付けず、持ったまま3馬身突き放して先着。クビを上手に使って一完歩一完歩力強く走れている。
1週前もコースでシンハリング(古馬3勝クラス)との併せ馬。ここでも先行させるも、一時は内からすくわれ前に出られるもゴール前の数完歩が追い抜き返して1馬身先着という素晴らしい内容でした。
ヴァンケドミンゴ 56.0 【B】
栗東坂路併せ。G前仕掛け。
コーナーを逆手前で入ってくる。直線はそのまま左手前。キビキビと活気十分の走り。ラスト1Fで少し苦しくなったが、鞍上がステッキをクルクルっと回しカッコ良く馬を鼓舞。馬もそれに応えてアタマ差先着した。
併せた相手は古馬1勝クラスのメイショウグラニーです。相手は完全馬なりで見栄えはよくありませんでしたが、この馬の踏んだラップはこの日の馬場を考えると評価できます。
エヴァーガーデン 52.0 【C】
美浦南W単走。馬なり⑥
松岡騎手が騎乗。表記は単走も、実質は前の2頭を追走しての併せ馬。ただ直線向いてからも脚色は変わらず、突き放されるカタチでフィニッシュ。動きに覇気なく評価できない。
エヒト 54.0 【B+】
栗東坂路単走。馬なり。
ラチ側を1頭分空けたところに入ってくる。序盤から滞空時間の長い弾力十分のフットワーク。最後は少し顔を右に背けて走っていたが許容範囲。馬なりで綺麗な加速ラップを踏めている点を高く評価したい。
今週は枠順が発表されてからこの記事を書いています。大外枠で一つ評価を下げました。とても残念です。ただ体力はある馬だと思います。勝春騎手には、なるべく前目のポジションで頑張って欲しいと思います。
ショウナンバルディ 57.0 【B-】
栗東坂路単走。馬なり。
ラチ沿いに入ってくる。鞍上が手前を替えようと右に体重をかけた際、大きく右に斜行。植え込み側まで大きく斜行してしまう。植え込み側でようやく左手前に替わるも、今後は僅かに左に斜行。この馬にしては珍しいフラフラとした走り。脚元そこそこパワフルも評価しづらい。
この馬は、状態よい時はパドックでよく見せる馬です。パドックで再考するのはありだと思います。
シークレットラン 54.0 【B】
美浦南W併せ。G前軽仕掛け⑧
2頭併せの外。前肢で地面を強く叩き、四肢の可動域十分の走り。しっかりとした時計も出ている。直線で相手に1馬身前に出られてから、グッと脚色をつよめ差を詰めるもアタマ差遅れ。ただこれは内の相手が動けていた。この馬自身の動きは悪くない。評価は据え置いた。
併せた相手は、3歳未勝利馬のスプレッドアウトです。土曜日の7Rで出遅れて9着に敗れてしまいましたが良い馬です。トビが大きい馬なので、最内枠よりかは外枠の方が良かったかも知れません。【B】の中では上位の一頭です。
トーラスジェミニ 57.5 【C】
美浦南W併せ。G前軽促す⑧
原騎手が騎乗。2頭併せの外。内は騎手候補生が騎乗していたが、本馬を追い抜かないよう、懸命に手綱を抑えていたのが印象的。相手にこれだけ待ってもらいながら、あっさり1馬身遅れ。発汗も目立ち、力感の薄い走り。良いときは素晴らしい走りをする馬だけに、なおのこと評価できない。
併せた相手は古馬2勝クラスのインウィクトスです。
ヒュミドール 56.0 【B】
美浦南W併せ。馬なり⑧
2頭併せの外。1週前にコースで好時計を出しており、最終追い切りは終い重点の内容。格下相手に先行させての併せ馬。相手が後ろから迫ってきたところで突き放すイメージだったのだろう。ただ手前替えで鞍上とケンカ。頑固な一面を見せた。それでも手前が替わってからの走りは四肢を大きく広げ伸びやか。好調に思える一頭も、相対評価で据え置いた。
ハンデも手ごろで、この枠とデムーロは魅力です。
ヒートオンビート 57.0 【B+】
栗東坂路単走。馬なり。
1週前にコースでキレ味鋭い走りを見せており、最終追い切りは坂路でサラリという王道の調整内容。アタマが高いのはいつものこと。ただ今回は馬体をスカッとみせ、いつも以上に気分良さそうな走り。この馬の追い切りを見てきた中では、今回がもっともよく映る。人気かもだが高く評価したい。
ストライドはそれほど広くない馬です。福島コースは合うと思います。流石にハンデは背負いますが、無視する訳には行かなさそうです。
フォルコメン 55.0【B-】
美浦坂路併せ。馬なり。
石橋脩騎手が騎乗。内の相手に2馬身先行した状態で直線に入ってくる。アタマが高く、顔を右に向けながらの走り。脚元にパワフルさはあるものの、気分よくは走れていない。評価は割引いた。
映像はありませんでしたが、1週前はコースで古馬OP馬と併せて、半馬身先行から併入しています。全体時計もそこそこ早く、ラスト1Fは11.0秒。数字上は抜群のキレ味です。
プリマヴィスタ 53.0【B】
栗東坂路併せ。馬なり。
馬場の真ん中を併走馬とビッシリ馬体を並べて入ってくる。相手がヨレてきた際、それに怯むことなく集中して真っ直ぐ走れていた点は高く評価できるところ。最後は1馬身遅れはしたものの、この馬自身はしっかりと加速ラップも踏めており、決してマイナスにはしたくない動き。評価は据え置いた。
混戦になると、この粘り強い走りが力を発揮しそうな気もします。併せた相手は3歳未勝利馬のダノンマイソウルです。
マウントゴールド 57.0 【B】
この馬は最終追い切り映像がなく、1週前追い切り映像だけしかありませんでした。1週前追い切りの内容についてコメントします。
栗東CW併せ。G前仕掛け⑦
2頭併せの内。前を1馬身追走からコーナーで馬体を並べるも、相手が動けていたこともあり、最後は2馬身突き放されてしまう。ただ、四肢を大きく広げて、しっかりとゴールに向かって脚を伸ばすことができている。手前替えのタイミングはよくなかったが、状態は決して悪くはなさそう。枠もよく注意したい。
【B】の中では最上位です。この人気なら必ず買っておきたいと思う一頭です。なお、併せた相手は古馬3勝クラスのゾンニッヒ。この馬もかなり動けていました。要チェックです。
モズナガレボシ 55.0 【A】
栗東坂路単走。馬なり。
フットワークの安定性がセールスポイントの馬だが、今回は手前替えで少し右にヨレた。ただ許容範囲。いつものように内転筋の強さを感じる、キビキビとしたフットワーク。ラスト1Fで僅かに失速したものの、これもいつものモズナガレボシ。1週前のギアを入れてからの走りが素晴らしく、これを高く評価したい。
今回枠は少し外目ですが、人気のアンティシペイトを見るカタチで競馬が進められるという意味では良い枠です。土曜日の馬場傾向から先行各馬の序盤のポジション取りはそれなりに激化しそうです。重賞勝ち馬であるにも関わらず、ハンデの55㎏も恵まれた印象。戸崎騎手への鞍上強化も魅力です。オッズ妙味があるのはこの馬とみます。
ヤマニンデンファレ 50.0 【B】
美浦南W併せ。馬なり⑦
江田照騎手が騎乗。2頭併せの内。前を5馬身と大きく追走から直線馬なりで交わし去り1馬身先着。アタマの振り方が悪く推進力を上に逃がす走りであったものの、四肢の関節は柔らかく大きな走り。抜け出す時の脚色はなかなか。評価は据え置くも、状態よく映る一頭。
何より魅力なのはハンデの50㎏です。斤量を活かしハナを切るのはこの馬かも知れません。内にいるロザムールとの先行争いは注目です。【B】の中では上位です。
レッドジェネシス 56.5 【B-】
栗東坂路単走。馬なり。
1週前にコースでしっかり追い、仕上げは坂路でサラリという王道の調整過程。1週前はまだグンと来るものがなく迫力一息。最終追い切りでも、軽めとは言え、もう少しスピードを出して走って欲しかったというのが正直なところ。肩口からは発汗も見られ、本調子でないのかも知れない。評価は割引いた。
ロザムール 53.0 【B-】
美浦南W単走。馬なり⑧
アタマが高いだけでなく首を上に振る走り。走りに伸びやかさはない。活気も薄く動きに覇気もない。身体全身からも発汗しており何とも見栄えの悪い内容。追い切りからはまったく評価できない。
1年前の七夕賞でも【C】評価したにも関わらず2着に激走されているのをよく覚えています。この馬はいつも追い切りで良く見ません。追い切りとパドックだけで馬券を買う筆者とは相性の悪い馬です。今年も、昨年と同じ1枠2番。個人的にはもっとも怖い存在です。