2022年6月5日(日)に東京競馬場で行われる『安田記念(G1)芝1600m(定量)』の最終追い切り評価となります。
出走馬は18頭。追い切り動画で確認できた全頭の追い切り評価となります。
イルーシヴパンサー 58.0 【B+】
美浦南W単走。G前軽仕掛け⑦
表記は単走も実質は併せ馬。前を走る2頭を射程に捕らえ、やや内を回して直線に入ってくる。直線でなかなかハミを取らず、エンジンのかかりが悪かった点は割引。ただギアが入ってからは、クビを前に突き出し、脚の回転鋭い走り。1週前の動きよくプラスで据え置いた。
【1週前追い切り A】
1週前にビシッと追われており、最終追い切りは単走で軽く流すつもりだったのだと思います。当初の予定とは異なる攻め内容となった点は少し気になります。
ヴァンドギャルド 58.0 【A】
栗東CW単走。馬なり⑥
岩田望騎手が騎乗。鶴クビで気合い乗り十分。しっかり我慢できており、鞍上との呼吸もバッチリ。折り合えていた点が何より好感が持てる。馬体もはち切れんばかりにふっくらと見せており、これだけで状態の良さが見てとれる。完全馬なりで、パワフルに推進力ある走り。高く評価したい。
【1週前追い切り B+】
道中の200mで2.4秒の加速を見せ、ラスト2Fは11.4-11.2秒です。状態はかなり良いと思います。
エアロロノア 58.0 【B-】
栗東坂路併せ。G前軽仕掛け。
ラチ沿い走る相手を1馬身追走し直線に入ってくる。アタマが高いのはいつものこと。とは言え、推進力を上に逃げす走りはやっぱり割引。ラスト1Fで仕掛けて追う相手にスッと3/4馬身先着。決して悪くない内容なのだが、何か迫力を感じない。
【1週前追い切り B-】
併せた相手は3歳未勝利馬のカッコヨカです。
カテドラル 58.0 【B-】
栗東坂路単走。馬なり。
馬場の真ん中を登坂。やや斜に構えたフォームで右手前一本の走り。走りが何か忙しく、短距離志向の強い追い切り内容。最後まで馬なりではあったものの、長い府中の直線をこのテンポで走り切るイメージが全く湧いて来ない。評価は割引いた。
【1週前追い切り B-】
カフェファラオ 58.0 【D】
美浦坂路単走。馬なり。
十分な撮影ができておらず評価不能。
最終追い切りの映像は十分な撮影ができておらず、馬の動きはほとんど分かりませんでした。時計を見る限り、坂路でサラリという内容です。遠めの映像からは、上体はやや高めで最後に手前を戻していたことまでは何とか確認できました。
【1週前追い切り B】
1週前追い切り映像があったようですが記事にするのを漏らしていたため、本記事でコメントします。
入れ込みきつく気性面の課題を感じる内容でした。ただ、直線での手前替えはスムーズで、キビキビとしたフットワークで力強く走れています。能力は感じましたが【B】が精一杯の評価です。
カラテ 58.0 【B】
栗東坂路単走。馬なり。
この馬らしいトビの大きな走り。良いときに見さるダイナミックなフットワークが戻って来ている。中間早い時計は出しておらず、この雰囲気を戻すことを最重視したのだろう。これが実を結び、1週前から走りが大幅に向上。この陣営の努力を評価したい。
【1週前追い切り B-】
府中の直線を長く脚を使うイメージができる動きで【B】の中では最上位です。パドックが楽しみな一頭です。
サリオス 58.0 【C】
美浦南W単走。馬なり⑥
D.レーン騎手が騎乗。馬の気持ちに任せての軽い内容。ただ気持ちが上がってこない。元気なく、こじんまりとした走り。直線で数完歩だけ伸びやかな走りを見せたが、すぐ元に戻っていた。首筋にも発汗が見られ、状態一息という見立て。
【1週前追い切り B-】
怖いのはD.レーン騎手だけです。
シュネルマイスター 58.0 【B-】
美浦南W併せ。馬なり⑦
3頭併せの内。コーナー手前から舌が大きくハミを越し、集中力欠く走り。正直は馬は遊びながら。強い負荷はかけないようにという指示だったのかもたが、ビシッと気合いを入れたくなる内容。鞍上も見かねてゴール近くで肩ステッキを入れていたが改善は見られなかった。
【1週前追い切り B】
中の相手は古馬1勝クラスのリンクスルーファスです。能力ある馬ですが、追い切りからは評価できません。
セリフォス 54.0 【A】
栗東CW併せ。馬なり⑧
藤岡佑騎手が騎乗。4F追い。強い負荷はかけたく無かったのだろう。前を2馬身追走しコーナー深く回ってくる。序盤アタマが高かったのは、鞍上が抑えていたため。溢れんばかりの活気で抜群の気合いのり。前脚を高々と上げ、この馬らしいダイナミックなフォームで、動く外の相手にラクラクと半馬身先着した。
【1週前追い切り A】
併せた相手は古馬OP馬のカイザーバローズです。セリフォスのフットワークは、他馬と一線を画します。高く評価したいと思います。
ソウルラッシュ 58.0 【B】
栗東坂路単走。G前軽く促す。
アタマを回しながらではあったが、前後の脚が真っ直ぐ前に出る好フォーム。脚元の力感も十分。ダイアトニックの追い切りに近い内容ではあったが、この馬の方が若い分、活気があると言ったところか。最後に手前を戻した分だけ一つ評価を下げた。
【1週前追い切り B+】
【B】の中では上位です。
ソングライン 56.0 【B】
美浦南W併せ。馬なり⑦
池添騎手が騎乗。2頭併せの内。格下の馬を大きく追走し突き放すことで、馬の気分を向上させることを意図した内容。馬もこれに応えて爽やかに駆けた。ただ前走時に比べると上体に硬さが見られ、脚の回転の鋭さが幾分モノ足りない。
【1週前追い切り 映像なし】
併せた相手は3歳未勝利馬のムーディナイルです。ヴィクトリアマイルの最終追い切りで【A】とした馬ですが、何とか状態を維持させているという感じです。
ダイアトニック 58.0 【B+】
栗東坂路単走。馬なり。
最終追い切りは坂路でサラリと言う内容。クビを真っ直ぐ縦に振り、前後の脚が綺麗に真っ直ぐ前に出る好フォーム。馬体もふっくらと見せ、脚元パワフル。力を抜いてとても良い雰囲気。高く評価したい。
【1週前追い切り B】
7歳馬。1週前に早い時計を出しており、これで十分なのでしょう。マイルは全く問題なくこなして来そうです。全く人気が無さそうで、個人的には必ず買いたいと思う一頭です。
ダノンザキッド 58.0 【B】
栗東坂路単走。馬なり。
2週続けて坂路仕上げでマイル仕様にシフトチェンジを図る内容。一週前と比べるとフットワークの安定性は増し、真っ直ぐに走れていたのは良かったのだが、良いときにみせてくれる迫力がまだ戻って来ていない。
【1週前追い切り B-】
この馬本来の動きからするとマイナス評価でも良いくらいです。ですが1週前からの上昇度合いが大きく一つ評価を上げました。
ナランフレグ 58.0 【B-】
美浦南W併せ。馬なり⑦
丸田騎手が騎乗。2頭併せの内。前を大きく追走も、コーナー手前で相手を捕らえる勢い。その分直線でのキレ味は削がれ、ジワっとした脚色となり、併入という内容。この馬の良さであるキレを感じない。評価は割引いた。
【1週前追い切り B】
併せた相手は古馬3勝クラスのアルーフクライです。
ファインルージュ 56.0 【B-】
美浦南W併せ。軽く促す③
3頭併せの中。ヴィクトリアマイルから中2週ということもあり、中間含め軽めの調整内容。状態を落とないことを意図した追い切り。能力でどこまでと言ったところだろうか。脚元にまだパワフルさは残っているものの、高い評価は与えづらい。
【1週前追い切り C】
外の相手は古馬1勝クラスのブラッシングレイン。無理せずこれと併入です。
ホウオウアマゾン 58.0 【C】
栗東CW併せ。G前仕掛け⑦
坂井瑠騎手が騎乗。3頭併せの内。併せた外の2頭を大きく追走し、直線で突き放すという内容。格下を相手にこの馬の持ち味の勝負根性を掻き立ててきた。ただ、四肢の広がりは狭く、追ってからの動きに重苦しさを残す内容。評価できない。
【1週前追い切り C】
中の相手は3歳未勝利馬のバレストラです。
レシステンシア 56.0 【B】
栗東坂路単走。馬なり。
この馬もヴィクトリアマイルから中2週の臨戦過程。1週前を軽くし、最終追いでしっかりと攻めて来た。前走の追い切りがよく見えず、狙いはこの安田記念だったのかも知れない。そうも感じてしまう。前走時よりフットワークの安定性が向上し、馬なりでこの馬らしい綺麗な加速ラップが踏めている。
【1週前追い切り 映像なし】
前走は、あのデキでよく3着に残せたなというのが正直な感想です。プラスにするか迷った一頭で【B】の中では上位です。
ロータスランド 56.0 【B】
栗東坂路単走。馬なり。
相手のカゲに隠れて序盤はほとんど動きが見えなかったが、前の馬たちが蹴り上げるチップを被りながらも、集中して最後までしっかりとした走り。顔を真っ直ぐ向けて走れなかった分を割引いた。
【1週前追い切り B】
1週前にCWで早い時計。最終追い切りは坂路でサラリ。栗東所属馬が東上する時の王道の仕上げです。
出走が叶わなかった馬
タイムトゥヘヴン 58.0 【B】
美浦南W単走。馬なり⑥
クビを使って低い姿勢での走り。少しアタマが低過ぎるが故に推進力を損ねる完歩も少なからずあったものの、直線でのギアチェンジ性能はなかなか。能力はさておき、好調な一頭だろう。マイナス評価にはしたくない。
【1週前追い切り 映像なし】