《2021》福島牝馬S【評価結果】―レース回顧

2021 福島牝馬S マイラーズC フローラS 評価結果 レース回顧
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追い切り評価の結果はいかに?

レース直前で、クラヴァシュドールが疾病により出走取消となり、本レースは15頭で行われた。

高評価としたのは4頭。その中から、10番人気のサンクテュエールが馬券内。サンクテュエールの追い切りコメントには、【A】評価とするか迷った旨の記載もしており、もしかしたら参考になった人がいたかも知れない。

ただ、唯一の【C】評価馬ディアンドルが1着。これは何とも残念な結果だった。

着順馬名評価人気
1ディアンドルC7
2ドナアトラエンテB1
3サンクテュエールB+10
4フィリアプーラB-12
5ムジカB6
6アブレイズA8
7シゲルピンクダイヤB-4
8アフランシールB-14
9ミスニューヨークB+3
10パッシングスルー9
11パラスアテナB+2
12アバルラータB11
13ロザムールB-5
14リュヌルージュ13
15カリオストロ15
取消クラヴァシュドール

レース回顧

勝ち時計1:46.9秒は過去に同条件で行われたことがないため何とも言えないが、遅いのではないだろうか。

過去10年で行われた新潟芝1800mの平均タイムを調べてみたが、1勝クラスや2勝クラスらの平均勝ち時計と大差ない時計であった。

ペースは、前半600mが35.8秒、後半600mが34.2秒。1.6秒後半の方が早いスローペースでレースが行われた。

なお、前半1000m通過タイムは、1:00.6秒。

このペースを作ったのは、ディアンドル(団野)であった。

パドック

この日はリアルタイムにパドックが見れなかった。

後追いでみたパドックでは、16.パラスアテナが断トツでよく見えた。次点は12.サンクテュエール。3番手は13.ドナアトラエンテをあげていただろう。最後の1頭には1.リュヌルージュをあげていたと思う。

パラスアテナのパドックは本当に素晴らしかった。今回の11着で人気を落としそうであり、パドックだけで次走狙い馬としてあげたくなる。

1着 ディアンドルについて

この馬の勝利は幾つかのラッキーが重なった。

  1. ラク逃げできたこと
  2. 直線でロザムールの北村宏騎手がステッキを落としたこと

前半のペースは遅いにも関わらず、2番手を追走するロザムールとカリオストロは、ディアンドルと離れたカタチで追走

結果、ディアンドルはスローの単騎逃げ。このカタチになると逃げ馬はラクだ。

最後の直線でも最初に競りかけてきたロザムールの北村宏騎手がステッキを落とし、さしたるプレッシャーを受けることなく、直線序盤で、当面の敵となるロザムールを馬なりで早々に競り落とすことに成功する

直線でも余力十分だったディアンドルは、一時、サンクテュエールに前に出られるも、これを差し返す勝負根性を見せ、川田ドナアトラエンテの猛追をハナ凌いで優勝。

団野大成騎手は、日経新春杯のショウリュウイクゾに続き、重賞2勝目をこの馬で飾った。

ただ最後の直線はラスト1Fで右ムチを振るった際、左に斜行した点は反省すべき内容。5着になったムジカは、この斜行の影響をかなり影響を受けていた。

2着 ドナアトラエンテについて

川田騎手はこのメンバーの中では騎手としての技術が1枚も2枚も抜けている

川田騎手が取った序盤のポジションニングは完璧だったが、想定外だったのは2番手を追走するロザムールとカリオストロがかなり緩いペースで走ったこと。途中から川田騎手がポジションを押し上げる訳には行かず、これによりディアンドルをラク逃げさせてしまった。

最後の直線でも早々に進路を確保し、追い出しのタイミングを計る。川田騎手が追い出しを開始したのは残り400mから。このタイミングも完璧。想定外だったのは2番手を走るロザムールの北村宏騎手がステッキを落としたこと。これによりディアンドルの脚が残っていた。

レースレベルが低く、その中で届かずの2着という評価を下してしまいそうだが、決してそうではなく、周りのレベルに付き合わざるを得なかったことで、この馬の本来の力は出し切れず終わったというのが正しいのではないだろうか。このレースの2着ということで過小評価はしたくない。

3着 サンクテュエールについて

序盤の位置取りが良かった。自然なカタチで4番手の好位。ペースも遅く追走はラクだっただろう。

最後の直線も、ロス最小限で前を行くロザムールの外にラクラクと進路を確保することに成功する。

馬の手応えは十分。杉原騎手は、「勝てる」と思ったことだろう。その気持ちが先行してか、残り500mあたりからムチを入れ、早々に全力疾走させてしまうことに。

これは「早仕掛け」だったと考える。

競馬にタラレバはないが、もし「直線でジワッとスピードに乗せて、追い出しをギリギリまで待てばどうなっていたか?」。筆者は勝ち負けしていたのではないかと考える。

誤解を恐れず言うと、こいういう敗戦が騎手を強くすると考える。杉原騎手の今後に期待したい。

4着 フィリアプーラについて

内をロスなく立ち回ってきた馬。ペースが遅く、コースロスの最も少なかった中での4着。

ただ、いつも後方から競馬する馬が今回は先行策。これが枠順と展開を加味した上での菊沢一樹騎手の作戦だったとしたらお見事の一言である。

5着 ムジカについて

パトロールビデオを見ていただければ一目瞭然だが、このレースで最も大きな不利を受けた馬

先述したディアンドル団野大成騎手の左への斜行により、フィリアプーラも左に斜行するカタチとなり、結果最内のラチ沿いを突こうとしたムジカが急ブレーキをかけることに。

ラスト2F時点での脚色は2着ドナアトラエンテよりも余力感じる脚色であり、今回の不利がなければ、もしかたら勝っていたかもと思えるほどの脚色だったため、秋山騎手も心中穏やかではないだろう。

次走狙い馬:ムジカ

6着 アブレイズについて

好スタートから序盤はサンクテュエールの後ろ。前から5番目の位置に付けながら、最初のコーナーを迎えるまでに後方にズルズルと下がっていき、コーナーを回る時には後ろから5番目

パトロールビデオを見る限り、序盤で顔を外に向けて走るシーンもあり、折り合いがついていなかったものと思われる。

ただ、前は壁になっており後方に下げることなく、そのポジションをキープしながら折り合いを付けるという方法はなかったのだろうか。

最後の直線も外に出すのに苦労し、進路が確保できたのは残り400m手前地点。そこから懸命に追うもポジションが後ろ過ぎ。

最後の追い方も真っ直ぐ馬を走らせることができておらずロスの多い追い方。

上り最速の33.5秒の脚を繰り出すも、1,2着馬と0.2秒差付けられての6着。

能力の一端はみせており、次走の巻き返しが期待される。

9着 ミスニューヨークについて

この馬も能力を出し切れなかった内の1頭。加藤祥騎手は外に行きたいのか、内に行きたいのか、今一つハッキリとしない騎乗。結局内を突き馬群を縫って走ることになるのだが、直線の進路取りで後手後手を踏みながらの競馬

これは馬が能力を出し切れておらず。可哀そう。能力はある馬。巻き返しに期待したい。

11着 パラスアテナについて

不可解なのがこの馬。パドックがあれだけ素晴らしく、なぜ今回のような凡走をしたのか…。パロトールビデオを見ても正直よく分からなかった。直線でも綺麗なフットワークで真っ直ぐに走れてはいたが…。少しストレスが多いレースだったと強引に整理したい。

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