《2020》阪神カップ【評価結果】―レース回顧

2020 有馬記念 ホープフルS 阪神カップ レース回顧 調教評価
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追い切り評価の結果はいかに?

出走16頭中、追い切り映像で確認できた14頭のうち5頭を高評価とするとも、馬券内に1頭も絡まないという結果に。高評価した馬の中には、2.3番人気の馬もいたが、これらも馬券外に飛んでしまった。

着順馬名評価人気
1ダノンファンタジーB-4
2マルターズディオサB6
3インディチャンプB1
4サウンドキアラB5
5クリノガウディーB7
6イベリスA9
7ジャンダルムA8
8レインボーフラッグC10
9フィアーノロマーノB+3
10ブラックムーンC16
11タマモメイトウ15
12ステルヴィオB+2
13ヤマカツマーメイド12
14クラヴィスオレアB-11
15キングハートB+14
16ミッキーブリランテB-13

レース回顧

勝ち時計1:19.7秒は早い。過去10年の平均勝ち時計が1:20.8秒よりも1.1秒も早く、昨年グランアレグリアが計時した1:19.4秒に0.3秒迫る時計。十分早いと言えよう。

ペースは、前半3Fが34.0秒。後半3Fが34.3秒。前後半差が0.3秒のミドルペースでレースが行われた。

このペースを作ったのは、イベリス(酒井学)であった。

パドック

この日はパドックをリアルタイムで確認し、Twitterで以下のようにつぶやくも馬券内はインディチャンプの1頭のみ。参考にならない結果となってしまった。

この記事を書くに際して再度パドックを見直したが、確かにダノンファンタジー、マルターズディオサともに、歩様は小さめも踏み込みしっかりでキビキビとした好歩様であった。

ポイント

阪神芝1400m(内回り)はリピーターの多い舞台。

jamieのファン

確かに!過去の阪神カップでもサンカルロやリアルインパクトなどの連覇もあったよね。

スタートは平坦~下り坂となるため、テンから早くなりスプリント質よりのレースとなることが多い

また最初のコーナー過ぎから緩やかな下りがラスト1Fまで続くというコース形態から、中盤緩むところが少ない。終始早いラップで追走できる(スプリンターよりの)追走力と、それを最後まで持続させる(+200mを踏ん張れる)能力が求められる。加えて早いラップでコーナーを走ることのできるコーナリングの巧拙も関係する。

逆説的に言うなら、阪神芝1400mが得意な馬は、『この距離のスペシャリスト』と言えるのではないだろうか。

ここで言う『この距離のスペシャリスト』とは、本質的にマイルは長く、スプリント戦では僅かに足りない。とは言え、早く走ることが好きで、マイルよりかはスプリント戦の方がどちらか言えば得意。そんな馬を差している。

適切な表現ではないかも知れないが、100m走では金メダルは取れないが、200m走だと金メダリスト。そんなイメージの馬。

阪神芝1400mというこの舞台は、7Fを全区間、早いラップで全力で走り続けることができる能力が求められると筆者は考える。

後、コーナーを早く駆けるという意味では、ストライド走法の馬よりかはピッチ走法の方が向いているのではないだろうか。

jamie

阪神芝1400mにおいてピッチ走法が向いているのではというのは、あくまで筆者の仮説。いつか検証してみたいな。

jamieのファン

そう言われると、今回馬券内にきたダノンファンタジー、マルターズディオサ、インディチャンプは、みなそれほど完歩の大きい馬ではないような気がするね。とっても感覚的な感想だけど(笑)

序盤の隊列

ステルヴィオを除き各馬好スタート。その中から好枠をひいたイベリスヤマカツマーメイドクラヴィスオレアらが押して前へ。大外枠からマルターズディオサが、スピードの違いでスッーとクラヴィスオレアを交わして、逃げるイベリスが引っ張る先頭集団の3番手に。

ダノンファンタジーも好スタートから前から、イベリスの後ろ(2列目)のINで競馬を進める。ダノンファンタジーの外側にはジャンダルムミッキーブリランテ

クリノガウディーフィアーノロマーノサウンドキアラらはその後ろ(前から3列目)に位置していた。

インディチャンプは、サウンドキアラの更に後ろ(前から4列目)からの競馬となった。

1着 ダノンファンタジーについて

この馬はテンの脚もあるのだが、何より中盤の追走力が素晴らしい。11秒台前半のラップを全く苦にすることなく踏み続けている。3枠6番という枠も良かった。無理なく前から2列目のINを追走でき、最後の直線もラスト1F手前まで持ったまま。追ったのはラスト1Fだけ。2着マルターズディオサに1馬身3/4差付けての完勝。

jamie

枠順変えて何度やっても毎回勝つのではと思うほどの強さでした。

筆者もこのレースを見るまでは、この馬については「終いのキレ味活かすタイプ」と思っていた。ただこの馬は基礎スピードが高く、終いを活かすために序盤で無理にこのスピードを殺すのは勿体ない。阪神1400mへの適正の高さは言わずもがな。ローズSの勝ち馬ではあるが、もしかしたら長い距離よりかは1400m以下の方が向いているのかも知れない。馬主との関係もあるだろうが、中内田厩舎なら、今後もこの馬の能力がフルに発揮できる舞台で走らせてくれると信じている。

jamieのファン

今回は藤岡(祐)騎手だったけど、この基礎スピードを有しているは主戦の川田騎手とはめちゃくちゃ手が合いそうだよね。

2着 マルターズディオサについて

大外枠からのスタート。好スタートも無理に押すことなく自然なカタチで先頭集団の3番手。

この馬の良いところは、基礎スピードが高く、操縦性の高いところ。

初角までに軽く促し先団に取りつくと、スッとそこで鞍上の指示に従い折り合うことができていた

阪神芝1400mは、3角までの距離が359.1m(Bコース使用時)とそこそこあるため、テンの脚がある馬に関しては、枠の有利不利は比較的少ないコースだと思うが、これは外枠からでも内から2頭目までのポジションが確保できる場合の話。今回は内からイベリス、ヤマカツマーメイド押してハナを主張したため、内から3頭目のポジションに。やはり大外枠は痛かった…。

最終コーナー、(これは田辺騎手のアイデアだとは思うのだが)スピードを落とすことなくコーナーを回ったため、直線の進路取りはかなり外。田辺騎手ははじめから直線は馬場の良い外を走ろうと考えていたと思われる。

田辺騎手のこの騎乗により、サウンドキアラとインディチャンプは想定よりもだいぶ外を回らされることとなった。

逆に、田辺騎手のこの騎乗により最も有利な状態となったのが、勝ち馬のダノンファンタジー。直線で難なく進路を確保できた。

更にマルターズディオサ(田辺騎手)は、直線向いてからも少し外に斜行気味に走ったことにより、サウンドキアラ、インディチャンプが勝負どころでブレーキを踏まざるを得なくなった。

4角をスピードを殺すことなく馬場の良いところに出そうとしたのは田辺騎手のアイデアであり、この行為は決して否定できないものではあるが、その後直線で真っ直ぐに走らせることができなかった点(結果的にサウンドキアラ、インディチャンプにブレーキを踏ませた点)は改善の余地がある。

これが無くても恐らくダノンファンタジーには勝てなかったとは思うが、ダノンファンタジーとの着差が大きくついたのは、この田辺騎手の騎乗によるところが大きいだろう。

3着 インディチャンプについて

これまで真ん中より外目の枠をひいたことがほとんどない馬。14頭立て以上の多頭数のレースにおいて真ん中より外目の枠をひいたのは、新馬戦以来であった。

スタートは普通に出るも、最序盤は無理して押していかず、自然なカタチで走らせた結果、前から4列目の外目の位置。この枠順による影響が少なからずあったと思われる。

先述したとおり、最後の直線で前をカットされブレーキを踏むことに。(これがなければダノンファンタジーともう少し迫っていたかも知れないが勝つことは難しかったかも知れない。)

それでいて上り最速の34.0秒を出し、前を走るサウンドキアラを交わした辺りは流石はG1馬といった走り。能力は示すもののダノンファンタジーは前から2列目でロスなくINを回って上り2位タイの34.1秒。勝ち馬にこの走りをされては流石に届かない。

決して力負けではないとは思うが、枠順と展開によるこの着順なのだろう。

その他、高評価馬について

6着 イベリスについて

逃げてラスト1Fまで先頭も、ダノンファンタジーに並ぶ間もなく交わされ戦意喪失。ただスタートで押したとは言え、ハナを主張できるスピードを見せ、1:20.2秒の走破時計は決して悲観する内容ではない。少なくとも単勝オッズが113.5倍付くような馬ではなかったはずだ。距離は短めの方が良いだろう。今後も穴をあける馬として注目しておきたい

7着 ジャンダルムについて

過去にはホープフルS(2着)、皐月賞(3着)と中山2000mを走り、その後はマイル路線に闘いの舞台を移し、前走新潟OPリミテッド競争の1400mを勝利したことで、スプリント色の強いこのGⅡ(阪神カップ)に挑戦してきたが、やはり追走に苦労していた

新潟芝1400m(右回り)と阪神芝1400m(左回り)とでは色々な面でまったく違うのだろう。

追い切りでの動きがよく【A】評価としたが、追い切りが良いだけで勝つことができないのが競馬であることを、こうやって振り返ることでよく分かる。

後、今回この回顧記事を書くに際して、パドックを見ていて気づいたことなのだが、この馬はいつからブリンカーを着用しているのだろう。時間があればこのブリンカー着用による成績の変化についても調べたかったが、これはまたの機会としておく。

9着 フィアーノロマーノについて

追い切りは良く見え、パドックでも良く見えたのだが…。レースではさっぱりだった。レース映像を見ても追走に余力なく、最後の直線も全く伸びてこなかった。今回この馬の走破時計は1:20.5秒。過去に同舞台で1:20.2秒の時計で走っており能力が足りないということはないのだろうが、今回はあまりにも不甲斐ない競馬。

団野騎手のレース後のコメントを掲載しておく。

状態は良かったのですが、不甲斐ない競馬になり、申し訳なかったです。スタートの一歩目が良く、リズムよく行けたらと思ったのですが、結果的にもう少し馬に気合いをつけて、ハミが出てきているところで、レースを進められたらと思ったのですが...。もったいない競馬でした。」

引用元:netkeiba.com 【阪神Cレース後コメント】

団野騎手から推測するにもしかしたら乗り難しい馬なのかも知れない。成績にも浮き沈みが大きく、好走しているときは外国人騎手や川田騎手が騎乗している時が多い。今後も乗り替わりには注意してみたい。

12着 ステルヴィオについて

2018年のマイルCS優勝馬でもあり、今年に入ってからの近2走で京王杯SC(東京1400m)、スワンS(京都1400m)で連続して2着していたこともあり、2番人気に指示されていたステルヴィオだったが、阪神芝1400mはスプリント適正が色濃く出るレース。スタートで少し立ち遅れ、隣のダノンファンタジーが外にヨレたこともあり序盤から大きなハンデ。序盤の早いペースに序盤の出遅れを挽回しようと押して追走するも、全くレースに参加できていなかった。この馬はスプリント質の高いレースより、マイル質の高いレースの方が合いそう。1400m戦でもスローペースが予想される時は買うのはありかも知れない。追い切りではまだ良い動きを見せており、人気落ちした適性高い舞台でぜひ狙ってみたい。

15着 キングハートについて

最終追い切り評価では、フォームにバラつき感があるとしながらも、今回は元気いっぱいで迫力があり、終い2F時計が優秀であったため評価した馬であったが結果は惨敗。この馬については単純に能力が足りないという評価で良いだろう。

東京大賞典(G1)の追い切りをチェック

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