《2020》菊花賞【評価結果】―レース回顧

2020 菊花賞 富士S レース回顧 追い切り評価
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追い切り評価の結果はいかに?

jamieのファン

jamie、コントレイルによる無敗の3冠制覇がかかっていた菊花賞。どう評価した?

jamie

出走18頭中、【A】評価3頭、【B+】評価5頭をインフレ気味の評価となったよ。

jamieのファン

結果は?

jamie

【A】評価としたコントレイルが1着も、その他の高評価馬は馬券外。多くの馬に高評価を付けたので、高評価馬だけで馬券内独占したかったよ。

jamieのファン

競馬は甘くないな!

jamie

本当だね。長距離戦において追い切り評価だけで決まる確率の方が低いよね!(超前向き)

jamie

それはさておき、このレースは競馬史に残るレースとして後世に語り継がれるであろうレース。1競馬ファンとして、馬券の勝ち負け関係なく、こんな歴史的瞬間に立ち会えたことを嬉しく思うよ。

着順馬名評価人気
1コントレイルA1
2アリストテレスB-4
3サトノフラッグB5
4ディープボンドB+7
5ブラックホールB+14
6ロバートソンキーB9
7ヴェルトライゼンデB-2
8ヴァルコスC6
9ガロアクリークB-10
10バビットA3
11マンオブスピリットB-13
12サトノインプレッサB+11
13ディアマンミノルB12
14ターキッシュパレスB16
15ダノングロワールB+8
16レクセランスA15
17ビターエンダーB+17
18キメラヴェリテB-18

レース回顧

コントレイルが優勝!

2011年のオルフェーブル以来、史上8頭目の3冠馬が誕生した。

これで7戦7勝。無敗での3冠達成は、1984年のシンボリルドルフ、2005年のディープインパクト以来、史上3頭目。

歴史的名馬として後世に語り継がれる存在となった。

父ディープインパクトは昨年2019年7月30日に亡くなっており、偉大な父に捧げる15年ぶりの快挙。

息子(コントレイル)の活躍を「生きて」観たかっただろうなと少し感慨深くなった。

なお、親子での3冠達成は史上初。

レースを振り返る。

勝ち時計は3:05.5秒。長距離戦はレースごとのペース差が大きくなりやすいため時計の早い遅いについては何とも言えない。

【参考】過去10年の中央値と平均値(極端な不良馬場であった2017年は除く)

  • 中央値 3:04.6秒
  • 平均値 3:05.6秒

ペースは、前半1000mが1:02.2秒、後半1000mが1:00.7秒。前後半のラップ差が1.5秒ある後傾ラップ(スローペース)。

このペースを作ったのは、キメラヴェリテ(松若)であった。

パドック

この日は用事があり出先からのレース観戦となったが、時間を作りパドックを確認し、以下のようにTwitterでつぶやいた。

パドックからはサトノフラッグが拾えた。

1着 コントレイルについて

最後の直線は何度見ても胸が熱くなる。歴史に残る名勝負に数えられるかも知れない。

コントレイルよりルメール(アリストテレス)の挙動に注目してしまうのは私だけではないだろう。

スタート。抜群のスタートから最初のコーナーを7番手で回る。

最初の坂を下ってのスタンド前。前に馬を置き、掛からないように抑え気味の騎乗していたのが印象的。

ここから向こう正面の坂の上り付近まで終始力んで走っているようにも見えた。実際福永騎手も以下のようにコメントしている。

折り合い面で言うと、上手くリラックスして走らせることができなかった。

(向こう正面では少しかかっているようにも見えましたが?)

ずっと2着馬が斜め後ろにいてプレッシャーをかけてきていたので、馬もエキサイトしていましたけど…。まっ何とか我慢してくれたと思います。

~JRA公式サイトの騎手インタビュー動画からの筆者による抜粋

坂の下りでINを付くような素振りも見せたが、最後は前を走るガロアクリーク、ディープボンドの外に進路を求める。

追い出しを開始したのは残り400mを切ってから。この時点で既に外から馬体を併せてきたアリストテレスが抜群の手応え。

ここからの福永騎手が素晴らしい。慌てることなくクールな騎乗。

jamie

私が福永騎手ならこの時点で焦ってムチを連打してしまうだろうな…。

後世に語り継がれる名勝負の一つになるであろう、この400mの追い比べをクビ差制しての見事な優勝。

何度も抜かされそうになりながら抜かせない。福永騎手も最後まで慌てることなく冷静に追っていた。

今回、コントレイルの2着馬に付けた着差(クビ差)が不満だった人がいるかも知れないが、この馬の『勝負根性』が見れたのは一つの収穫ではないだろうか。

追い切りの動きから、現時点での動きの質はコントレイルの方が断然上位。今回のクビ差は『折り合い』の差によるものかも知れない。

また、最終追い切り評価で指摘していた『集中力』についても、アリストテレスが馬体を併せてくれたことで維持できたという考え方も出来る。

リラックスして走らせることは出来なかったようだが、馬群に入れて集中して走らせた福永騎手は評価したい。

それにしても、コントレイルは終始力んで走りながらも、最後の最後までよく頑張った。

この辺りが3冠馬の3冠馬たる強さなのかも知れない。

福永騎手もリスクを背負いながら馬群に入れ集中力を維持させつつ、併されてからも冷静に追った。

まさに人馬一体で、歴史的偉業を達成したと言って良いのではないだろうか。

2着 アリストテレスについて

多くは語りません。ルメールは、スタートしてまず外を確認し、キメラヴェリテが行くのか、バビットが行くのかを確かめ、その直後内を確認し、コントレイルの位置を確認しています。

jamie

この動きがトップジョッキーたる所以

最初のコーナーでスッとコントレイルの外に付けると、後はコントレイルのところで記載のとおり。

コントレイルを終始マークし、プレッシャーをかけつつ、最後の直線の追い比べに。

コントレイルは強かったが、この馬も強かった。

この馬は、すみれSでレクセランスに。プリンシパルSではビターエンダーに敗れていた馬であったが、前走の小牧特別を強い勝ち方をして、4番人気に指示されていた。

お祖母ちゃんがグレースアドマイヤ。叔父にリンカーンという血統背景もあり、長距離戦のここは得意の舞台だったのだろう。

それにしても、この馬は想像以上に強かった。上り最速となる35.1秒で3着以下に3馬身1/2差付けており、このレースにおいては、コントレイルとこの馬が抜けて強かった。

アリストテレスは序盤はからピタリと折り合い、外からのプレッシャーもなく内にコントレイルを見る理想的な展開。コントレイルにクビ差まで迫ったのは、『折り合い』面で優れていたと整理したい。

3着 サトノフラッグについて

序盤から後方に控える競馬。最終コーナーで後方2番手の位置。手応え十分だったとは思うが大外に出さなかったのは、戸崎騎手のファインプレー。

直線、追い出しをギリギリまで我慢。コントレイルと同じ上り3F時計35.2秒を繰り出し、前の14頭を交わし去り3着。馬券内への食い込みを果たした。

1週前追い切りは良く見えなかったが、最終追い切りはB+とするか迷った馬だった。レース当日のパドック映像を見ると素晴らしい状態。ここに向けてピークの仕上げだったのは間違いない。

とは言え、2着アリストテレスとの差は3馬身1/2差(0.6秒差)付いており、現状コントレイルとアリストテレスとは力差があると言えよう。

その他、高評価馬について

4着 ディープボンドについて

本レースは、スローペースだったとは言え、コントレイルより前で競馬をした馬は、この馬を除き壊滅状態。

キメラヴェリテが作り出した緩急あるラップを追走した馬たちは思った以上にキツイ展開だったと思われる。

そんな中、唯一先行して粘ったディープボンドは強い。終始コントレイルより外を回り、コントレイルの先導役を果たすかのようにコントレイルの外目を回ってのこの結果は高く評価できる。

3着サトノフラッグより強い競馬をしていたと言っても過言ではないだろう。この馬については今後も注目したい。

5着 ブラックホールについて

サトノフラッグ同様、終いに賭けて掲示板。残り3F時点で1馬身後にいたサトノフラッグに半馬身差交わされるも、現状において能力に大差はない。

人気薄の中では最も好走した馬であり、最も過少評価されていた馬であったと言えよう。

好走できたのは、様々な要因が考えられるが、サトノフラッグ同様、調子が良かったのも一つだろう。

この馬に最終追い切り評価でB+を付けれたのは、筆者としては満足のいく結果であった。

10着 バビットについて

この馬が行くか…。キメラヴェリテが行くか…。

レースの展開を握る重要な選択だったが、内田騎手はキメラヴェリテを行かせ、番手からの競馬を選択。

終始番手からの競馬をして、ラスト3F時点で早々と先頭に立つも、ラスト1Fでバテて最後は完全に止まってしまった。(上り3F時計は14位となる37.7秒を要した。)

筆者も、『キメラヴェリテを前に行かせ番手からの競馬をした方が、馬券内に来る可能性が高い』と考えていたが、結果的にはキメラヴェリテの緩急を付けたラップに苦しめらる形となってしまった。

現状においては、自らが主導権を握りレースを作った方がこの馬にとって良いのかも知れない。

ただ、この馬はテンの脚はそれほど早くない。自身が主導権が握れないと好走できないようであれば前途多難だ。

最終追い切りの評価はAとしたが、筆者はこの評価が間違っていたとは思っていない。それくらいこの馬は輝いていた。

ラスト1400mあたりからは終始舌を出した状態で走っていた。最終追い切りでも舌を出しており、この悪い癖は改善した方が良い。

12着 サトノインプレッサについて

毎日王冠からの臨戦ということ自体、距離に不安がある点が明白だったかも知れないが、最終追い切りは良く見えた。

毎日王冠で不完全燃焼で力が余っていたのかも知れない。

ラスト3F時点でアリストテレスとほぼ同じ位置から伸びず。

現状、この距離においては能力的に足りないと判断したい。

15着 ダノングロワールについて

序盤はディープボンドと並ぶような形で先行。ディープボンドと並んでコントレイルを先導するような形。

最初の内は馬場の外目を走らせていたが、2週目の2角あたり(残り1600m)から手応えが悪くなったか、鞍上が内目を走らせるようになった。

最後のコーナーで北村友一騎手がムチを入れるも、既に脚はあがっており全く反応することなく、最後は歩くように15着。

1週前追い切りでサトノフラッグを1馬身半突き放しており、2400m(1勝クラス)⇒2500m(2勝クラス)を連勝し、穴人気していたが、結果的に最も過大評価をされた馬となってしまった。

今回は、まだ能力が足りていないという評価で良いだろう。ただ追い切りでは良い動きをする馬。これからの成長に期待したい。

16着 レクセランスについて

松山騎手はスタートから押してポジションを取り、キメラヴェリテ、バビットに続く3番手。

意図的に先行させた。

残り1000mあたりとなる2度目の坂の途中で既に苦しく、残り600m地点では11番手に落ちてしまう。最後はまったく脚がなく、実質ビターエンダーに次ぐ、ブービー着順。(キメラヴェリテは除いています。)

先行したからとか、そんなのは関係ないレベルの負け方。単純に力が足りなかった。

読者のみなさまには申し訳ないが、この馬については筆者の最終追い切り評価が見立て誤りだった可能性が高い。

17着 ビターエンダーについて

後方からの競馬をした中で唯一上がっていけなかった馬。この馬については距離があっていないのかも知れない。

距離短縮でもう一度見てみたい。

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