《2021》皐月賞【評価結果】―レース回顧

2021 アーリントンC アンタレスS 皐月賞 評価結果 レース回顧
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目次

追い切り評価の結果はいかに?

出走馬は16頭。追い切り動画で確認できた全頭に評価を付け高評価としたのは5頭。【A】評価としたアドマイヤハダルが4着に検討するも、高評価馬が1頭も馬券内に絡むことができず、参考にならない結果となってしまった。

着順馬名評価人気
1エフフォーリアB2
2タイトルホルダーB8
3ステラヴェローチェB6
4アドマイヤハダルA3
5ヨーホーレイクB11
6グラティアスB-7
7ディープモンスターB+10
8レッドベルオーブB9
9ヴィクティファルスB-4
10イルーシヴパンサーB+15
11シュヴァリエローズB-13
12ワールドリバイバルB-14
13ラーゴムB+5
14ルーパステソーロB-16
15ダノンザキッドA1
16アサマノイタズラB-12

レース回顧

勝ち時計2:00.6秒は普通。

過去10年で稍重馬場で行われた年は3回。

2012年のゴールドシップ(2:01.3秒)、2018年のエポカドーロ(2:00.8秒)、2020年のコントレイル(2:00.7秒)である。

この平均勝ち時計は、2:00.9秒であり、今年の勝ち時計はほぼ例年並みと言えよう。

ペースは、前半1000mが1:00.3秒、後半1000mが1:00.3秒。前後半で全く同じのミドルペースでレースが行われた。

このペースを作ったのは、ワールドリバイバル(菱田)であった。

パドック

できれば切りたいと思っていたエフフォーリアが素晴らしいパドックであった。

総評

筆者の本命はダノンザキッド。まずこの馬から回顧させていただく。

15着 ダノンザキッドについて

パドックと返し馬をみて一抹の不安がよぎる。ゼッケン下からの発汗だ。入れ込み気味だったのは間違いないだろう。レース中も隣を走るエフフォーリアと比べると多少力んで走ってるようにも見えた。

ただ川田騎手は「抜群の返し馬でした」と語っており、気負ってるだけで状態としては悪くなかったのかも知れない。

今年の皐月賞は、1000m〜1200m区間が11.4秒と最速ラップを刻み、ここからは減速の一途を辿ることとなる。

すなわち、残り1000地点(ラスト5F)からのロングスパートの持続力戦となった。

この展開を作ったのは、レッドヴェルオーブ(福永)。1000m地点で外からマクリを入れる。この仕掛けに対して、アサマノイタズラ(嶋田純)が呼応する形でペースアップ。

更には、自身の進路を取られそうになったアドマイヤキッド(川田)までが、このロングスパートに付き合うことに。

ダノンザキッドの敗因は、このロングスパート戦に付き合ったことだろう。実際、アサマノイタズラとは何度も馬体をぶつけ熾烈なポジション争いを演じていた。

ただでさえ入れ込み気味だったダノンザキッド。このポジション争いで更に体力を消耗する。

川田騎手はなぜアサマノイタズラと熾烈なポジション争いを演じたか?

当面の敵(エフフォーリア)がすぐ内にいるにもかかわらずだ。

ここからは筆者の邪推となるが、以下の思惑があったのかもしれない。

  • 直線で内が伸びづらいことが分かっており、エフフォーリアを内に閉じ込めた時点で勝負になると考えていた
  • 直前コースでは、内ラチから4頭分離れたところが芝の状態が良く、スムーズにその直線進路に入りたかった。(1000m地点で、レッドヴェルオーブ、アサマノイタズラに被されるとその更に2頭分、外に出すのが嫌だった。)

見ていると川田騎手の頭の中に、内に進路をとることは眼中にないといった感じだった。

もしかしたら、内のエフフォーリアの前はワールドリバイバル。ダノンザキッドの前はタイトルホルダー。内のポジションニングは、エフフォーリアに分があると思っていたのかも知れない。

枠の並びは7.エフフォーリア。8.ダノンザキッド。これが逆になってたら、どのような競馬になっていただろうか

思えば、ダノンザキッドの1週前追い切りを見た時から一抹の不安は感じていた

常に文句なしの【A】評価を付けてきた馬であったが、皐月賞の1週前追い切りは【B+】。

最終追い切りでは、同じ【A】評価をつけたアドマイヤハダルの方が正直よく見えた。

良い時のダノンザキッドは、追い切りでも唸るような走りを見せてくれる馬。

この手の敗戦を喫して、ダービーで巻き返した馬は皆無であるが、追い切りでの動きを見る限り動きは一流。ダービーの追い切りでまた唸るような走りを見せてくれるようであれば、巻き返しがあってもおかしくない馬と筆者は考える。

jamie

この敗戦で人気を落とすことは必至で、馬券妙味はあると思います。

1着 エフフォーリアについて

ダノンザキッドに真っ向勝負と言わんばかりに、最序盤からダノンザキッドの内に並べに行ったポジショニングが全て

そこからは、外でやり合うダノンザキッドを尻目に、折り合いのついた状態でコースロスなく内を回り、最終コーナーへ。

前を走るワールドリバイバルが案の定失速し、自然な形でインから抜け出しを図ることに成功する。

そこからは一人旅。小回りの中山コースでは圧勝とも言える3馬身差を付け、4戦4勝、無敗の皐月賞馬となった。

ダノンザキッドが弥生賞を叩き、皐月賞をターゲットとした臨戦過程に対して、エフフォーリアは、共同通信杯からの直行でダービーを視野に入れたローテーション。

追い切りでも強く追っていなかったが、パドックでは素晴らしい歩様をしていた。決して状態が100%ではなかったと思う中での圧勝劇であり、当然ダービー馬の最有力候補だろう。

2着 タイトルホルダーについて

エフフォーリアを除き先行馬が全滅する中、この馬だけが粘って2着。心肺機能の高さを示した。こういうロングスパート戦の持久力戦が得意なのだろう。

テンの脚も早く、常に先行して良い競馬ができる馬。今後も安定した成績が期待できそうだ。特に中山コースが合っているように思える。

ダービーはと言うと、最後は脚色が鈍っており距離が限界のようにも思えるが、残り1000mからレッドベルオーブに競りかけられペースアップしたことを考えるとかなり強い競馬をしており、これがなければもっと余力があったのではないだろうか。

東スポ杯でも2着の実績を残しており、決して軽視は禁物

この馬は、もしかしたら長距離適性があるかも知れない。

3着 ステラヴェローチェについて

最序盤は後方4番手。ただ各ジョッキーの意識が外にあったことも幸いし、楽なカタチで中団のインを追走。

最後の直線も、各ジョッキーの意識は外。ポッカリと空いた内をスルスルと上がって行き、直線だけ追ってエフフォーリアと並ぶ上がり2位タイの脚を使って3着。

吉田隼人騎手は迷うことなく内を突いており、重たい芝を苦にしないことを分かっていたかのようなコース取り。

馬場適性を活かし、内をロスなく立ち回った感が強く、ダービーとなると割引が必要というのが筆者の考え。

4着 アドマイヤハダルについて

最序盤、押してポジションを取りに行き、エフフォーリアの真後ろ3列目のインを確保する。

直線でインから距離ロス覚悟で、馬場の真ん中に出してから追って、後ろから来たステラヴェローチェにクビ差さされての4着。

この馬がそのままインを走っていたら馬券内だった可能性はあるが、それはあくまで可能性。,

ルメール騎手は、9Rの鹿野山特別で内を走り、馬場状態を確認済み。またこの馬は大きなフットワークで跳びの大きい馬であり、外を走った方が良いというルメール騎手の判断に文句をつけるつもりはない。

この馬も内をロスなく回り、展開に恵まれた1頭ではあるが、「序盤は押してポジションを取りに行き脚を使ったこと」「決してこの馬に適した馬場状態では無かった」ことを考えるとダービーでの巻き返しがあってもおかしくない1頭と考える。

5着 ヨーホーレイクについて

上がり最速はこの馬。最終コーナーの手前で、岩田望騎手は内を突くか、外に出すか、この2つの選択肢を視野に入れていたと思う。

ただはステラヴェローチェを押し上げて来ており、ここが無理だと判断するや否や、外への進路を模索。この判断力の早さは素晴らしい

更に素晴らしいのは、大外をぶん回すことなく、川田ダノンザキッドと嶋田純アサマノイタズラとの間を突いた点。

勝ち負けするには、そこを突くしかないという騎乗。こういう騎乗をしてくれるジョッキーは馬券を買う方としても信頼できる

上がり最速を繰り出すも、2着馬とは0.1秒差の5着。ただ皐月賞において、序盤の位置取りが後ろから4頭目では、この着順が精一杯か。ただこの着順は岩田望騎手のファインプレーによるものと考える。

6着 グラティアスについて

外目の枠から終始外目を回り、最後の直線へ。

エンジンをかけた直後、先述したヨーホーレイクの馬群を突きで弾き飛ばされたアサマノイタズラに進路に入られ、一度はブレーキがかかるも、そこから伸び返してヨーホーレイクに半馬身届かずの6着。

ただの6着ではなく、競馬にタラレバがないことを承知であえて言わしてもらうなら、「もし、この馬が内にいたら…」。

結果はどうなっていたか分からない。

京成杯→皐月賞というローテーションもあり、ダービーでは確実に人気の盲点になりそうな馬

自身への戒めも含め、ダービーでは決して忘れてはいけない1頭として、記載しておきたい。

7着 ディープモンスターについて

後方を外目追走から、4角でも大外をぶん回して7着という競馬。上がり3F時計は3位も、終いの伸び脚は一番目立っていた馬。

追い切り見る限り、馬場はパンパン良馬場の方が向きそうで、ダービーにおいてはエフフォーリアの次いで有力な一頭かも知れない。

jamie

このレースの2着〜7着馬に関しては、馬場状態・展開・枠順により着順が入れ替わってもおかしくないかなと。ダービーにおいては、ここまではフラットに見たいと思います。

ダービーでの注目順

*エフフォーリア除く

  1. ディープモンスター
  2. グラティアス
  3. アドマイヤハダル
  4. ヨーホーレイク
  5. タイトルホルダー
  6. ステラヴェローチェ

ダノンザキッドはあえて明記しません。一番最初に書いた文章から、どの位置に考えてるのか察して頂けますと幸いです。

2021 アーリントンC アンタレスS 皐月賞 評価結果 レース回顧

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