追い切り評価の結果はいかに?
出走馬は14頭。追い切り動画で確認できた12頭に評価を付け高評価としたのは2頭。高評価馬が馬券に絡まず、マイナス評価馬の2頭が馬券内。全く参考にならない結果となってしまった。
着順 | 馬名 | 評価 | 人気 |
---|---|---|---|
1 | ヒシイグアス | B- | 1 |
2 | ケイデンスコール | B | 5 |
3 | ウインイクシード | B- | 7 |
4 | ゴーフォザサミット | B | 6 |
5 | トーセンスーリヤ | B+ | 4 |
6 | コスモカレンドゥラ | - | 12 |
7 | パンサラッサ | A | 9 |
8 | サンアップルトン | B | 10 |
9 | クラージュゲリエ | B- | 3 |
10 | フランツ | B- | 8 |
11 | ショウナンライズ | B | 14 |
12 | ノーブルマーズ | B- | 11 |
13 | マイネルハニー | C | 13 |
14 | バビット | B | 2 |
レース回顧
勝ち時計1:44.9はコースレコードタイ。
17年前の2004年にサクラプレジデントが記録した時計と同タイムだ。
このレースの過去10年における良馬場の平均勝ち時計は1:46.7秒であり、近10年の勝ち時計TOP3はみなG1馬。
開催年 | 優勝馬 | 勝ち時計 |
---|---|---|
2016年 | ドゥラメンテ | 1:45.9秒 |
2019年 | ウインブライト | 1:45.5秒 |
2020年 | ダノンキングリー | 1:46.3秒 |
なお、同日の9Rに行われたデイジー賞(1勝クラス 中山芝1800m)の勝ち時計が1:48.6秒であり、昨年の1:48.9秒と比較しても、今年の馬場が極端に早い馬場だったという訳ではなさそう。
戦前は「GⅡとは言えないメンツ」と揶揄されていたが、終わってみれば勝ったヒシイグアスだけでなく、2着ケイデンスコール、3着ウインイクシードら、このレース上位馬たちはみな強い競馬。G1級の器があるのかも知れない。
ペースは、前半800mが46.3秒、後半800mが47.1秒。0.8秒前半の方が早いスローペースでレースが行われた。
このペースを作ったのは、バビット(内田博)であった。
パドック
この日はパドックが見れなかったので省略する。
総評
このレースは、逃げるバビットに、ウインイクシードがプレッシャーをかけることで前が早くなる展開。向こう正面では先頭と最後方の差が約22馬身という縦長の展開となった。
逃げる2頭をトーセンスーリヤが2~3馬身差で3番手追走。
そのトーセンスーリヤから更に7~8馬身後ろでに中団グループ。この中団グループの先頭がヒシイグアス。それにケイデンスコール、ゴーフォザサミットが続くという隊列で競馬が進んだ。
前半1000m通過は57.8秒であったが、ヒシイグアスら中団グループは59秒~59.2秒くらいだったと思われる。
終始同じ位置にいたヒシイグアスとケイデンスコール。上り3F時計もともに最速タイとなる34.2秒。
結果はクビ差ヒシイグアスが制して優勝したのだが、ヒシイグアスの余力が凄い。
4角で手が動くケイデンスコールに対してヒシイグアスは馬なり。直線でも内を突いたケイデンスコールに対してヒシイグアスは外。ヒシイグアスは直線でも手前替えにスムーズさを欠き、まとも追ったのは賞味ラスト1F。
懸命に追うケイデンスコールに対して、坂で僅かに前に出てからは勝利を確信したか最後まで追っていなかった。
1着 ヒシイグアスについて
着差はクビ差でもヒシイグアスの余力に凄みを感じる内容であり、これで重賞2連勝を含む4連勝。完全に本格化したか。
堀厩舎ということもあり、強めの追い切りで仕上げてくることは今後も少ないだろう。今後も追い切りから高評価しづらい馬となりそうだ。今回の映像を再度確認し次回の評価につなげたい。
2着 ケイデンスコールについて
2着ケイデンスコールもかなり強い競馬。ヒシイグアスには何度やっても勝てないかもと思わせられる内容ではあったが、ヒシイグアス相手にクビ差まで迫る脚は見事の一言。
左回りに良績が集中していたこと、距離も1400m→1400m→1600mという臨戦過程から5番人気(15.8倍)に甘んじていたが、今回右回りの中距離も難なくこなしてきた。オールラウンダーの素養があり能力の高いだ。
この馬は追い切りの状態と成績がリンクしやすい馬に思え、追い切り評価で高評価のときは今後も期待したい。
3着 ウインイクシードについて
7歳馬でありながら、外枠発走から果敢にバビットに競りかけ、早いペースを前で粘り3着に残すというとても強い内容。もしかしたら1番強い競馬をしたのがこの馬と言っても過言ではないかも知れない。
30戦して掲示板を外したのが6回だけという安定した馬。得意な舞台がハッキリしており、常に先行できる脚質は魅力だ。
これだけ好走できるということは調子も良かったのだろうが、追い切りは良く見えなかった。困ったものである。(パドックで良く見せていたら拾える可能性はあるが、筆者は今回時間の都合上、後追いパドックも見れなかった。)
4着 ゴーフォザサミットについて
蛯名騎手の最後の騎乗。往年のエビダンスを見ることはできなかったが、前半から押して人気馬の後ろに付ける積極的な騎乗。34年間の騎手人生おつかれさまでした。
今後は調教師として、好きなこと/自身が果たせなかったことにまた挑戦できることが羨ましく思います。
どのような馬を育て上げるか…。興味は尽きない。