《2020》武蔵野S【評価結果】―レース回顧

2020 エリザベス女王杯 調教評価 レース回顧
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追い切り評価の結果はいかに?

出走16頭中、高評価としたのは4頭。

高評価とした馬が1,2番人気馬となってしまったが、それらが馬券内に絡めず…。

結果は【B】→【-】→【B】。

このレースの最終追い切りは悪く見える馬が少なくマイナス評価が2頭だけ。

全く参考にならない結果となってしまった。

着順馬名評価人気
1サンライズノヴァB3
2ソリストサンダー11
3エアスピネルB8
4ワンダーリーデルB5
5タイムフライヤーB+1
6メイショウワザシB+9
7モズアスコットA2
8スマートダンディ12
9ロードグラディオ16
10レピアーウィットB-7
11ケンシンコウB6
12エメラルファイトB+14
13オメガレインボーB-10
14デュードヴァンB4
15フィードバック13
16バティスティーニB15

レース回顧

勝ち時計1:35.0秒は優秀。

良馬場で施行された本レースの過去10年の平均勝ち時計は1:35.6秒。

良馬場で施行されたフェブラリーSの過去10年の平均勝ち時計でも1:35.5秒であることを考えると優秀だろう。

ペースは前半3Fが34.2秒。後半3Fが36.4秒。前後半差が2.2秒あるハイペースでレースが行われた。

このペースを作ったのは、メイショウワザシ(浜中俊)であった。

府中ダートマイルの特異性について

ダートのマイル戦(1600m)という距離設定は、中央の競馬場では、東京競馬場にしかなく、このコース特有のコース形態から、他場のダート中・長距離戦(ダ1700m、ダ1800m、ダ2000m)に求められるスタミナとは異なり、スピード能力が求められる。

また、他場のダート短距離(ダ1200m、ダ1300m、ダ1400m)で通用するスピードだけでもダメで、最後の急坂を駆け上がるスタミナも求められる。

更には、この東京競馬場のダート1600mというコースは、地方(盛岡・船橋・川崎)の1600mのコースと異なり、

  • 芝スタート
  • スタート直後からの緩やかな下り坂
  • 左回りのワンターン
  • 最後の急坂
  • 広いコース

という特徴があり、「距離」、「コース形態」の側面で、他のダートレースとは際立って異なる特徴を持っているレース。

府中マイルは、「コース巧者」、「リピーターを狙え」の格言は理に適っている。

1着 サンライズノヴァについて

一昨年(2018年)のこのレースの勝ち馬であり、今年のフェブラリーSでも3着と、府中のダートマイル戦を得意とする馬の一頭であった。

最序盤は、後方4番手を進む。逃げたメイショウワザシが過去10年で最も早いペースで逃げたため縦長の展開。

メイショウワザシが最初のコーナー(3角)に入る時点で、12馬身ほどの差があった。

この馬は3角~4角のコーナーリングが上手だ。

スーッと4角を馬なりで回ってきて前との差を5馬身詰める。

直線向いた時点で、先頭を走るメイショウワザシとの差は7馬身。

ここから上り最速となる35.4秒の脚を繰り出し、2着ソリストサンダーに3/4差付けての勝利。

メイショウワザシが作ったハイペースの展開が向いたこともあったが、コース巧者ぶりを如何なく発揮。勝ち時計も優秀で、直線での走りの質も高く、来年7歳で迎えるフェブラリーSでも、まだまだ期待したくなる内容での見事な勝利であった。

追い切り評価においては、併せた相手がインディチャンプと分かっていながら、全盛期と比べると物足りない動きと判断し、【B】評価としたが、調子も良かったのだろう。後追いで見たパドックでも、「外目を堂々と力強い歩様。」抜けて良く見えた。この馬を追い切りからプラス評価にできなかった点は素直に反省したい。

蛇足となるが、この馬は必ず府中のマイルGⅠを獲る馬と信じて、昨年のフェブラリーSはこの馬からガツンと勝負したが、結果は3着。この敗因についてはここでの言及は避けておく。

2着 ソリストサンダーについて

この馬については追い切り映像がなく、当然のごとく馬券を買っていなかったが、えらく強い競馬をした。

最後の直線では、1馬身後ろにサンライズノヴァがいたが、坂下の最序盤のギアチェンジ性能は目を見張るものがあった。

坂下で一気に加速し、サンライズノヴァとの差を2馬身に広げ、前を走るエアスピネルに馬体を併せに行き、これを競り落としての2着。ラスト2F区間の最速ラップは恐らくこの馬だったと思われる。それ位、最後の坂を駆け上がる時の脚色は目立っていた。

上り3F時計は35.6秒(2位タイ)であった。

パドックでもトモに若干の緩さは見られたが、筋肉隆々の馬体でトモの厚みはもの凄かった。

府中での実績が少なく、3勝クラスを勝利し、前走のリミテッド競争で0.5秒差付けられての3着ではこの人気だった点も頷ける。

この馬はサンライズノヴァとはまた少しタイプが異なる馬のようにも思える。サンライズノヴァが長く脚を使うのに対して、この馬は、坂下で一瞬でギアチェンジし、そこからは勝負根性でエアスピネルを交わしていた。恐らく瞬間的に使える脚はサンライズノヴァよりも短く、本質的に府中向きと捉えるのはどうか?別の坂のあるコースにおけるレースも見てみたい。

3着 エアスピネルについて

この馬のパドックも素晴らしかった。1つ前を歩くサンライズノヴァが最も素晴らしかったが、次に映ってきたこの馬を見て、「あぁ、この馬も素晴らしいできだな」と一目で分かる状態だった。

レースでも中団前目から、直線でもっともスムーズに進路を確保し、真っ直ぐ追われた。三浦騎手はテン乗りであったがとても上手く乗っていた。

直線で一旦抜け出した際、後ろからソリストサンダーが馬体を併せに来ると、更に伸びようとした勝負根性も見せた。

既に7歳となっており、今後の成長度合いに期待するのは酷かも知れないが…。

4着 ワンダーリーデルについて

昨年(2019年)のこのレースの覇者。

直線捌くのに時間を要しての4着。もう少しポジションを高い位置に保ち、直線真っ直ぐ追えていれば、馬券内にはあったかも知れない。

この馬もサンライズノヴァ同様、府中コース巧者なのだろう。この馬ももう7歳だ。

その他次走注目馬について

6着 メイショウワザシについて

このレースでメイショウワザシが刻んだテン3F 34.2秒は、過去10年で最速タイ。G1フェブラリーSの過去10年のテンの3F時計でも34.0秒であるため、かなり早いペースでハナを主張したこととなる。

実際に先頭を走るこの馬と最後方の馬とは16〜17馬身離れる縦長の展開。

内にいるケンシンコウあたりを意識したのかも知れないが、この馬はそれほどテンに早くない馬。

普段どおりの競馬をしていても、もしかしたらハナを奪えていたかも知れない。マイル戦ということで少し気負ったか。このレースでここまで飛ばす必要があったか…。

いずれにせよ、このペースを逃げてラスト100mまで先頭で粘れるあたり、能力の片鱗を見せている。まだ5歳。現状オープン馬という位置づけだが、この脚質と能力ならどこかで重賞制覇できるチャンスがありそうな馬。

今後の重賞戦線においても常に注目しておきたい。

2020 エリザベス女王杯 調教評価 レース回顧

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