追い切り評価の結果はいかに?
jamie、ブログを立ち上げて初のGⅠレースで気合いが入ったのでは?
いや個人的にはGⅠも他の重賞もスタンスは変わらないよ。
今回は出走16頭中、4頭に高評価を付けていたね。
うん、【A】評価が1頭、【B+】評価が3頭だったね。残念ながら高評価馬が馬券に絡むことができなかったよ。
そっかぁ、GⅠやし結果は出したかったね。
そうだね、良い時もあれば悪い時もあるしね。これからも人気や時計にとらわれることなく、淡々と『キラリ。』と輝く穴馬を追い切りから見つける努力をして行きたいと考えてるよ。
着順 | 馬名 | 評価 | 人気 |
---|---|---|---|
1 | グランアレグリア | B | 1 |
2 | ダノンスマッシュ | B | 3 |
3 | アウィルアウェイ | B- | 10 |
4 | ミスターメロディ | B+ | 7 |
5 | クリノガウディー | B+ | 9 |
6 | レッドアンシェル | B | 4 |
7 | メイショウグロッケ | C | 12 |
8 | ダイメイプリンセス | B- | 15 |
9 | ライトオンキュー | B | 6 |
10 | モズスーパーフレア | A | 2 |
11 | エイティーンガール | B+ | 8 |
12 | キングハート | C | 16 |
13 | ダイアトニック | B- | 5 |
14 | ダイメイフジ | B- | 13 |
15 | ラブカンプー | B- | 14 |
16 | ヒアンフェ | B- | 11 |
レース回顧
勝ち時計1:08.3秒は遅い。雨の降っていない良馬場で行われたレースの中では過去10年で最も遅い時計であった。
戦前より今の中山の馬場の重さが指摘されており1:08秒台の決着予想も多く、多くの人にとって想定どおりの時計だったかも知れない。
ペースは前半3Fが32.8秒、後半3Fが35.5秒。前後半の差が2.7秒もあるハイペース。
前半3F時計が32.8秒は、モズスーパーフレアが昨年刻んだラップと全くの同タイム。11.9-10.1-10.8秒という区間ラップまで全く同じであった。
ただ、これは机上の話であり、当日の馬場差を考慮すると、想像以上に厳しいペースになっていたと思われる。
前半3Fを刻んだラップと合計タイムが昨年と全く同じであるにも関わらず、後半3F時計が昨年と比べて1.2秒も遅かったのは、やはり馬場差が影響しているものと考える。そうでなければ、好調であった今年のモズスーパーフレアであれば、昨年同様ラスト3Fは34.5秒で走れたはずだ。という前提に立っている。
この厳しいペースを作ったのは、モズスーパーフレア(松若)ではなくビアンフェ(藤岡祐)。
ビアンフェはスタート直後ラブカンプーに馬体をぶつけられ、その後レッドアンシェルともぶつかっていた。
馬がカッとなっていた可能性があり、藤岡祐騎手も無理に抑えるより行かせてしまった方が良いと判断したのかも知れない。
この日はテレビを見ることが出来たが、ビアンフェはゲート入りを嫌がり、発送時刻が5分も遅れた。この日のビアンフェの走りには色々な伏線が絡み合って、あのような走りになったと思われる。
とは言え、このビアンフェがハナ争いに加わったことでハナ争いが激化したのは間違いない。
映像からも、1F目〜2F目にかけてモズスーパーフレア騎乗の松若騎手が、外から被せてくるビアンフェを見て、再び追っていたことがよく分かる。
以下は、昨年と今年のモズスーパーフレアが踏んだ後半3Fのラップとなる。
4F目 | 5F目 | 6F目 | |
---|---|---|---|
2019年 | 11.3 | 11.2 | 11.8 |
2020年 | 11.5 | 11.9 | 12.1 |
昨年は5F目の区間で0.1秒加速できているのに対して、今年は0.4秒の失速。
筆者は今回のモズスーパーフレアの敗因は、3F目(10.8秒)と4F目(11.5秒)との区間ラップの差が0.7秒あったことが原因と考える。
すなわち、スタートしてから坂を下り切ったところでスピードを緩め過ぎてしまったのが原因と考えている。
この馬は、昨年のようにハイペースで飛ばしても一度息を入れた後、再加速できるのが強み。
ただ今回はスピードを緩め過ぎたために、そこから再加速させるのが、肉体的にも気力的にも厳しい状況だった。
これが直接的な敗因と考えるが、なぜこうなったかを紐解くと、やはり今回の馬場と、ビアンフェの存在が挙げられる。
今回の馬場では、前半3Fが32.8秒はやはり早過ぎだったか。このペースとなったのはビアンフェが競りかけてきたため。ビアンフェが競りかけてきたのは、スタートでラブカンプーと馬体がぶつかったため。
ということになる。
逃げ馬同士が枠番で並ぶと、馬体が接触しカッとなり乱ペースになる可能性が高まる
今回モズスーパーフレアにトップジョッキーが乗っていたら、果たして松若騎手と同じアクションだっただろうか?
色々考え出すと疑問は尽きない。
モズスーパーフレアの敗因分析は、ここまでにしておく。
1着 グランアレグリアについて
デビュー時は458㎏だった馬が、今回は+12㎏の504㎏。パドックでの歩様は見栄えせず正直太いと思ったほどであった。
スタートはあまり出て行かず序盤は後方から2番目。
この馬がラスト3F時点で先頭のモズスーパーフレアとは10馬身差。ダノンスマッシュとの差は6馬身差。
4角で大外に回し、上がり3F時計33.6秒を繰り出し、2着のダノンスマッシュに対して、スプリント戦では決定的とも言える2馬身差を付けての完勝であった。
ダノンスマッシュの上がり3F時計は35.0秒、この馬はダノンスマッシュの上り3F時計1.4秒も上回ったこととなる。
展開がハマったとは言え、最後の直線、特にルメールがムチを入れたラスト1Fの脚は他馬と1線を画していた。
筆者による計測のため、あくまで参考値として欲しいが、この馬のラスト1F時計は10秒台で走っていたように思える。
坂下となるラスト1Fでムチが入ってからのギアチェンジ性能が素晴らしく、中山の急坂を全く苦にしないパワフルな脚力を披露した。
これでマイルG IとスプリントG Iを2階級制覇。次戦はマイルCSへの出走が予定しているとのこと。次はどのうような衝撃を我々に与えてくれるのか。楽しみにしたい。
2着 ダノンスマッシュについて
スタートはイマイチ。隣のキングハートとぶつかってしまう。
しかし、隣のモズスーパーフレアが早く、川田騎手は冷静にモズスーパーフレアが作ってくれた進路を通って先団に取り付く。
最初のコーナーの入りは、モズスーパーフレア、ビアンフェ、ラブカンプーに次ぐ4番手。この時点で先頭のモズスーパーフレアとの差は2馬身であった。
そこからモズスーパーフレアとビアンフェが競り合うように飛ばしたため、一時は前との差が6馬身ほどできた。
モズスーパーフレアらがラスト3F~2F区間で緩んだため、この馬がラスト3F時点で、先頭との差が4馬身まで詰まった。
残り400m手前から馬に気合いを付けつつ前進を開始。直線で少し外に出し馬場の一番良い進路を確保してから、めい一杯追い出しを開始。前を走るモズスーパーフレア、ミスターメロディを捕らえにかかる。
坂下ラスト1Fで左手前に替えさせると、踏ん張りを効かせミスターメロディを交わす。
川田騎手はミスターメロディさえ交わせば優勝と思ったに違いない。それくらい完璧な騎乗であった。
とその刹那、外からグランアレグリアが一閃。光のように飛んできて、気が付いた時には2馬身差を付けられ2着となっていた。グランアレグリアの坂下からのラスト1Fの脚は、まさに次元の違う脚色であった。
上り3F時計35.0秒は上り6位タイ。
川田騎手は、スタートこそ少し後手を踏んだものの、最初のコーナーまでのポジション取り、前を無理に追走しないペース配分、直線で馬場の一番良いところを選ぶ進路どり、坂下で手前を替えさせる技術。この馬の持てる能力をほぼ全て出し切る完璧な騎乗をしたが、グランアレグリアの鬼脚に屈して2着。
これは相手が悪かったとしか言いようがない。最も強い競馬をしたのは、この馬と川田騎手だと個人的には思っている。
勝ちに行っての堂々たる2着。胸を張ってほしい。
3着 アウィルアウェイについて
大外枠からのスタート。大外枠をひいた時点で松山騎手の作戦は後方一気だったのだろう。
スタートは馬なりに出て、スッと最後方に控える競馬。グランアレグリア同様、埒沿いを少し空けて、なるべく馬場の良いところをロスなく追走。
4角手前の残り500mあたりでムチを2発を入れ気合いを付けて前進を開始。直線向いた残り300mあたりで豪快に左手前に替えると物凄い伸び。
グランアレグリアと0.1秒しか変わらない上り3F時計33.7秒を繰り出し、前の13頭をゴボウ抜き。ダノンスマッシュに半馬身届かずの3着となった。
この馬は最後方から終始グランアレグリアの2馬身後ろを追走。直線もグランアレグリアの外に出しての内容であり、今回のように展開が向けばG1級の脚を持っていることを証明した形。坂も問題ない。
使える脚は短いかも知れないがこの爆発力は魅力。今後も展開に左右されそうな馬ではあるが、前が潰れそうな展開の時は、是非狙いたい。
次走注目馬について
11着 エイティーンガール
パロトールビデオが見れる方は是非見て欲しい。
最後の直線で前を行くレッドアンシェルとクリノガウディーとの間に進路を求めるも、狭くなり、最後の1Fはまったく追えていなかった。
それでいて、ラスト3F時計の差は以下の通り。
- グランアレグリア(33.6秒)⇒1着
- アウィルアウェイ(33.7秒)⇒3着
- クリノガウディー(34.6秒)⇒5着
- レッドアンシェル(34.7秒)⇒6着
- エイティーンガール(34.8秒)⇒11着
このレースで最も脚を余した馬の1頭であり、進路が確保できていれば、前のクリノガウディー、レッドアンシェルを交わすだけの脚があったと筆者は感じた。
まともであれば4着 or 5着 or 6着にはなっていた馬と思われ、この11着という着順で評価を落とすようであれば、次走確実に狙いたい。
13着 ダイアトニック
この馬も、レッドアンシェルに進路を妨害された1頭。
もう無理と判断した後は、横山典らしく最後は流して終わった。
この馬については、脚が残っていたかは微妙なところではあるが、直線で不利を受けた馬の1頭として記載しておきたい。