追い切り評価の結果はいかに?
出走馬は16頭。追い切り動画で確認できた13頭に評価を付け高評価としたのは5頭。
結果は【A】→【B】→【B+】。そこそこ人気馬だったとは言え、高評価馬が2頭馬券内となり少しは参考になった方がいたかも知れない。
また馬券には関係ない話だが、最低人気馬だったテンザワールドも7着に健闘。斤量もあったと思うが、調子も良かったのだろう。
着順 | 馬名 | 評価 | 人気 |
---|---|---|---|
1 | サンライズホープ | A | 4 |
2 | ウェスタールンド | B | 5 |
3 | ブルベアイリーデ | B+ | 2 |
4 | ダノンスプレンダー | B | 3 |
5 | サクラアリュール | - | 7 |
6 | ロードリバーサル | C | 12 |
7 | テンザワールド | B+ | 16 |
8 | エブリワンブラック | - | 13 |
9 | アシャカトブ | B+ | 9 |
10 | ハヤヤッコ | B- | 6 |
11 | ケイティブレイブ | B- | 10 |
12 | サンデーウィザード | B | 15 |
13 | アナザートゥルース | C | 8 |
14 | エルディクラージュ | - | 14 |
15 | リアンヴェリテ | B- | 11 |
16 | ゴッドセレクション | A | 1 |
レース回顧
勝ち時計は1:57.4秒。過去に良馬場の中京1900mで行われたダート重賞は、昨年のシリウスSしかなく、この時の優勝馬カフェファラオの勝ち時計が1:57.8秒。昨年より少し早い。カフェファラオが後にマイルG1のフェブラリーSを優勝していることから。優秀な時計といって良いかも知れない。
ペースは、前半950mが58.1秒、後半950mが59.3秒。1.2秒前半の方がややハイペースでレースが行われた。
このペースを作ったのは、リアンヴェリテ(国分恭)であった。
パドック
優勝したサンライズホープは、パドックで抜群に良く見えた。3着馬のブルベアイリーデも名前を挙げることはできたが、2着馬ウェスタールンドが抜けてしまった。ただウェスタールンドも悪くはなく、良く見えた馬が多く文字数の兼ね合いで書けなかったという方が正しいか。
1着 サンライズホープについて
スタートは少し立ち遅れるも、横の馬が先行馬でなく、フェアな騎手たちで良かった。
初角までに、出ムチを入れて逃げたアランヴェリテと2番手のゴッドセレクションに次ぐ外目3番手の絶好のポジションを難なく確保することに成功する。折り合いは完璧についていた。
そのまま終始3番手を進み、4角手前からバテて下がってきたゴッドセレクションを早々に交わすと、4角回ってすぐの残り350mから早め先頭に躍り出る。
残り200mで内から来たブルベアイリーデに並ばれるも、残り50mで左手前に戻し2馬身突き放し、後ろから豪脚で突っ込んできたウェスタールンドをアタマ差凌いで優勝。
残り50mで右手前に戻したのが効いた。
幸騎手は「少し追い出しが早かったかな」と勝利ジョッキーインタビューで言っていたが、これは幸騎手がこの馬の特性を本能的に理解して仕掛けたものなのだろう。所謂、後続の脚を削ぐ作戦だ。
先行して前受けできる馬は強い。
幸騎手は、更に勝利ジョッキーインタビューで次のように答えていた。
「さらに上に行っても走ってくれると思います。」
と。
筆者はG1を見据えているなと感じた。同じ中京の舞台で行われるチャンピオンズカップが今から楽しみだ。
2着 ウェスタールンドについて
最初から後方に控える作戦。スッと最後方に控える。
向こう正面の1000m通過地点あたりで、勝ったサンライズホープとの差は14~15馬身ほどあっただろうか。
残り600m地点でもまだサンライズホープは7~8馬身ほど前。
4角では、最後方から迷うことなく最内を突いて豪脚一閃。
馬群を「縫って」「縫って」、アタマ差届かずの2着に終わった。
直線で2度進路変更をした、斤量58㎏であったことを考えると、勝ち馬との差はない。この馬の2着は、力差ではなく展開のあやである。
本馬は当然、上り3F時計1位だが、上り2位の馬より1.4秒も早い時計となっており、ダートでこの差はとてつもなく大きい。抜けた力の違いであり、9歳馬にして恐ろしい能力の持ち主だ。
3着 ブルベアイリーデについて
福永騎手が抜群のスタートを決め、好位4番手のIN。
4角地点でも抜群の手応え。
直線向いて、一時は1馬身半あったサンライズホープとの差を詰め、一瞬前に出るかもというところまで追いつめるも、残り100mで脚が止まってしまい、最後は2馬身突き放されての3着。
残り100mで脚が止まってしまったあたり距離なのかも知れないが、57㎏を背負っていたことを考えると、そう悲観する内容でもない。まだ5歳。リミテッド競争で4度連対しており、重賞に手が届くところには来ている。ただ今回は少し相手が悪かった。
4着 ダノンスプレンダーについて
1、2着馬とは少し差をつけられたが、3着馬ブルベアイリーデとはハナ差。
斤量は56㎏で、上位2頭には「力負け」という感は否めないものの、2つフォローできることがある。一つは、ゲート内でクビを振っていたためスタートで少し立ち遅れたこと。もう一つは、今回は調子が今一つだった(と思われる)ことである。本来この馬は、追い切りでもう少し良く見せてくれる馬である。
ブルベアイリーデと同じくらい良いスタートをきり、状態がもう少し良ければ…。
ブルベアイリーデとの差はハナ差である。筆者としては、ブルベアイリーデより、この馬の方が強いという見立てだ。
後、4角での川田騎手の進路取りは圧巻。4角を曲がりながらスピードをあげることで、福永騎手(ブルベアイリーデ)が狙っていた進路を確保することに成功する。この技術は素晴らしいので是非パトロールビデオをみていただきたい。
5着以下の馬たちについて
5着サクラアリュールと、4着ダノンスプレンダーとの着差は、3馬身半差である。現状、まだ力足らずという評価としておきたい。
10着 ハヤヤッコについて
最終追い切りで、前脚の出が悪く伸びやかさの無い動き。追い切りから調子の悪さを見て取ることができた。この馬の敗因は「調子が悪かった」ためだろう。
このようにある程度人気馬を、追い切りから遠慮なく切ることができるのも、追い切りを見ることの魅力の一つだ。
16着 ゴッドセレクションについて
好スタートをきったが、隣にいたリアンヴェリテが出ムチを入れて強引に内からハナを主張。
これもあり終始掛かっていた。終始力みながらの競馬。これでは力が出せない。
パドックでは許容範囲にも見え高評価としたが、再度パドック映像をみてみると、やはり少しかかり気味、精神状態としてはギリギリだったのかも知れない。
追い切りで良く見えた馬の1頭であったため、筆者自身少しバイアスがかかっていたようにも思える。これは反省点だ。これを瞬時に見抜けるようになりたいものである。
追い切りの動きからは「将来性感じる」動きをする馬で、これが本来の力ではないだろう。次走人気落ち必至で、再び狙ってみたい。
次走注目馬:ゴッドセレクション
ただ、「掛かる」とあっけないほどにモロい馬であることは覚えておきたい。