《2021》AJCC【評価結果】―レース回顧

2021 東海S 評価結果 レース回顧
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追い切り評価の結果はいかに?

jamieのファン

jamie、不良馬場で行われたAJCCの評価結果はどうやった?

jamie

出走馬は17頭。高評価としたのは5頭。1頭も馬券内にこず、読者にとって全く参考にならない結果となってしまったよ。

jamieのファン

でも、1週前追い切り評価は、ヴェルトライゼンデ【B+】だったよね。アリストテレス【B】だったけど。

jamie

うん、まぁそれを言っても言い訳にしか聞こえないしね。はっきり言って完敗だよ。

着順馬名評価人気
1アリストテレスB-1
2ヴェルトライゼンデB-3
3ラストドラフトB-6
4ステイフーリッシュB4
5モズベッロB7
6ウインマリリンB+5
7ジャコマルB12
8ナイママB14
9タガノディアマンテB+8
10サンアップルトンB9
11サトノフラッグB+2
12ベストアプローチA11
13ノーブルマーズ13
14マイネルハニーB-16
15ジャネラーレウーノB+10
16ソッサスプレイB-17
17ランフォザローゼスB-15

レース回顧

土曜日から降り続く雨は止んだものの、天候は「曇り」、馬場状態は「不良」で行われた今年のAJCC。

勝ち時計2:17.9秒は不良馬場であるため何とも言えない。過去10年では2012年に一度だけ不良馬場でAJCCが行われており、この時の勝ち馬ルーラーシップ(当時5歳)の走破時計は2:17.3秒。これと比べるのはナンセンスかも知れない。

ペースは、前半1000mが1:03.3秒、後半1000mが1:02.0秒。前半の方が1.3秒遅いスローペースでレースが行われた。

このペースを作ったのは、ジェネラーレウーノ(武藤)であった。

パドック

パドック1番手に挙げたベストアプローチは全くだったが、1、2、5着は名前を挙げることができていた。ただ追い切りで2週続けて【A】評価となったベストアプローチが軸馬だっただけにどうにもならない。

展開

モズベッロがスタートでやや立ち遅れる。

モズベッロを除く各馬は横1線。

ピンク棒(大外枠)の3頭が前を主張。

スタートして最初のコーナーを回った時点での隊列は以下のとおり。

各集団は1馬身間隔であった。

集団
先頭

ジェネラーレウーノ

集団
2列目

ウインマリリン、ジャコマル

集団
3列目

マイネルハニー、ステイフーリッシュ

集団
4列目

ランフォザローゼス、アリストテレス、ナイママ

集団
5列目

ノーブルマーズ、ヴェルトライゼンデラストドラフト

集団
6列目

ソッサスプレイ、ベストアプローチ

集団
7列目

タガノディアマンテ、モズベッロ

集団
8列目

サトノフラッグ、サンアップルトン

大外枠の3頭が先頭、最内枠の2頭が最後方という面白い隊列となった。

最初に動いたのはモズベッロ(北村宏)とサトノフラッグ(戸崎)。

2角を回ってから3角に向かう下り坂(残り1200m~残り800m)を利用してポジションを押し上げる。

残り700m。最初に仕掛けたのはヴェルトライゼンデ(池添)。激しく手を動かし、1馬身前を行くアリストテレスに4角で並び掛けに行く。ただ、軽く促すアリストテレスに並び掛けることができない。

勝負どころの最終コーナー(残り400m時点)。

アリストテレス、ヴェルトライゼンデ、サトノフラッグが1馬身間隔で雁行しながら最終コーナーを回る。

アリストテレスは、内ラチから12頭分離れた外目を選択。

ヴェルトライゼンデは、その1頭分外。

サトノフラッグは、更にその1頭分外を選択した。

アリストテレスは上り5位となる37.4秒の脚で、ヴェルトライゼンデの追撃を半馬身凌いで初重賞制覇となった。

1着 アリストテレスについて

菊花賞でコントレイルのクビ差2着と強さを示していたものの重賞クラスの古馬とは初対戦。

前々走の小牧特別(中京芝2200m)で強い勝ち方をしており、先週の日経新春杯(中京芝2200m)の方が舞台適正としては高そうな気もしたが、アドマイヤビルゴとの使い分けなのだろうか、初の中山コースとなるAJCCへの出走となった本馬。

そしてこの天候。土曜日から降り続く雨でこちらも初となる「不良馬場」でのレースとなった。

この馬にとって初物づくしの要素がいくつも重なり、トップコンディションではない中での勝利は見事であり、この馬の未来は前途洋々。

これからもコース形態・天候問わず強い競馬を見せてくれそうであり、同期コントレイルとの再戦が楽しみだ。

しかし、菊花賞のときもそうだったが、この馬は追い切りではよく見せない馬。

筆者としては、今後もこの馬の付き合い方に悩まされそうだ。

あと、今回のルメールもポジショニングは完璧であった。なぜいつも良いポジションを取れるのか不思議だ。

いずれにせよ、これでルメールは3週連続の重賞勝利。今年も最高のスタートが切れている。

2着 ヴェルトライゼンデについて

先述したとおり、残り700m地点から鞍上の池添騎手がめい一杯の追い。

早めに動いてアリストテレスを捕まえに行き、アリストテレスより0.1秒早い上り3F時計(37.3秒(3位タイ))を使うもクビ差届かずの2着。

序盤からアリストテレスをぴったりマークしての敗戦であり着差以上に力差があるかも知れないという見方もできるかも知れないが、筆者の見解は逆。この馬の逆転の余地は十分にある。

その理由として、以下のとおり。

  1. ポジショニングはアリストテレスに分があったこと
  2. 最終コーナーでもアリストテレスより外を回したこと
  3. 最終コーナーからずっと右手前で左手前に替えたのは最後の3完歩だけであったこと

なお、この馬はピッチ走法の馬。今回のような渋った馬場も苦にしない馬であることも覚えておきたい。

3着 ラストドラフトについて

思わぬ強さを見せた馬。

追い切り評価において以下のように評した馬であったが、

「軽やかな走りをする馬で雨予報の中山馬場を考えると高い評価は与えづらい。

結果は真逆。最後の脚色はもっとも目立っていた。

道中はヴェルトライゼンデの1馬身後ろを追走し、早めに仕掛けたヴェルトライゼンデに対して、ラストドラフト(三浦)は直線に入るまで追い出しを我慢。

最後は、勝ち馬(アリストテレス)と2着馬(ヴェルトライゼンデ)との間を突くも、アリストテレスが少し右にヨレて進路が狭くなる不利があった。

これがなければ2着馬とは入れ替わっていたかも知れない。そう思わせる脚色ではあった。

また、このレースの上り最速馬(37.0秒:単独1位)はこの馬。

不良馬場が苦手な訳はなく得意の部類だろう。覚えておきたい。

ラストドラフトは不良馬場は得意

5着 モズベッロについて

1頭だけ述べておきたいのがモズベッロ。

最後の直線では、ヴェルトライゼンデの直後を走り外に出したかったが、サトノフラッグにブロックされる形となっており少しブレーキを踏む形に。

それでいて、上り3F時計37.1秒(2位)。このブレーキがなければ36秒台を唯一出していた馬かも知れない。

また、道中(残り1200m~残り800m)でポジションを押し上げるためにかなり脚を使った直後にペースアップしたこともあり、本馬にとってはかなりタフな競馬。

それでいての5着はかなり立派な5着であり、筆者として2、3着と同じ評価を与えたい。

次走注目馬:モズベッロ(タフな馬場やレース展開となる場合は特に)

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