追い切り評価の結果はいかに?
出走馬は10頭。追い切り動画で確認できた8頭に評価を付け高評価としたのは3頭。
高評価馬が1頭馬券内に来るも、残りは【映像なし】と【B】評価馬。微妙な結果となってしまった。
ただアネゴハダは、坂路で好時計を出しておりプラス評価とするか迷った1頭。追い切り評価記事ではそれを示唆しており、評価コメントまで読む人であれば拾えた人がいたかも知れない。
着順 | 馬名 | 評価 | 人気 |
---|---|---|---|
1 | ナムラクレア | B+ | 4 |
2 | スリーパーダ | - | 3 |
3 | アネゴハダ | B | 8 |
4 | デュガ | B | 5 |
5 | インプロバイザー | B | 2 |
6 | ブレスレスリー | A | 7 |
7 | ショウナンマッハ | B+ | 1 |
8 | エトワールジェンヌ | B- | 10 |
9 | ソリッドグロウ | C | 6 |
10 | シュンメキラリ | - | 9 |
レース回顧
勝ち時計1:07.9秒は早い。小倉2歳ステークスにおける最速タイの時計であり、前日の稍重馬場から回復した良馬場であったことを考えると実質最も早い時計決着となった小倉2歳ステークスと言っても過言ではないだろう。
ペースは、前半600mが33.6秒、後半600mが34.2秒。0.6秒前半の方が早いものの、前後半差の少ないミドルペースでレースが行われた。
前半1000mの通過タイムは、56.4秒。
このペースを作ったのは、ショウナンマッハ(松山)であった。
パドック
優勝したナムラクレアの名前を挙げることはできていたが、2着スリーパーダ、3着アネゴハダの名前を挙げることはできなかった。もう一度パドック動画をみてみたが、スリーパーダは404㎏の華奢な馬体で、アネゴハダは後肢の力感薄く、何度見てもパドックからは拾えなっただろう。
筆者本命馬(ブレスレスリー)について
このレースにおける筆者の本命はブレスレスリー。結果は6着。
新馬戦が中京芝1400mということもあり、テンに早い小倉芝1200mに対応できるかが焦点であったが、これは見事にクリア。ただ序盤は押しており、最序盤で脚を使ったことが最後に響いた可能性はある。
4角で大外を捲り気味に、早めに前を捕らえに行くも最後に失速。
問題は、最後の直線で手前を替えることなく右手前1本で走っていた点。追い切り評価記事でもこの点について懸念があると述べていたが、この懸念がピタリ的中したこととなる。
これは、この馬本質的な課題であるのか、前走が中京だったことが原因であるかは、次走以降の追い切りやレースを見てみないと分からない。この答えは次走に持ち越したい。
1番人気に支持されたショウナンマッハ(7着)について
この馬の前走は、今回と同舞台となる小倉芝1200mでの新馬戦。ハイペースのレースを1:08.6秒で勝利。今回のレースにおける、この馬の走破時計は1:09.1秒。過去10年における小倉2歳Sの良馬場における平均勝ち時計が1:09.1秒であることを考えると、例年であれば、この時計でも勝ち負けできる時計で走ったことになる。
この馬が1番人気に推されていたのは、前走の新馬戦を、馬場差はあれど1:08.6秒で走り、2着以下に2馬身半以上付けて勝っていたためだろう。
追い切り過程や、今回のレースを見る限り、この馬は、能力のすべてを出していたように思える。となると、前走が能力の最大値を出したレースだったのかも知れない。今後は買いづらい馬となってしまった。
1着 ナムラクレアについて
このペースを難なく中団で追走し、1頭次元の違う上りの脚(33.9秒)を使っての勝利。短距離戦では決定的とも言える2馬身差をつけており、今後もこの距離での活躍が期待できる。能力的に完全に上位であった。新馬戦でマイルを使って3着に敗退。格上挑戦で臨んだOPフェニックス賞を勝利し、ここに臨んでいたが、フェニックス賞が不良馬場であったことが盲点になっての4番人気。2歳戦において臨戦過程だけで能力を測るのがいかに難しいかを物語る。
本馬は、追い切り・パドックともに素晴らしい動きを見せていた。
この馬の4番人気、単勝6.4倍は美味しかったと言えよう。
2着 スリーパーダについて
序盤から終始かかりながらの競馬。パトロールビデオを見るとよく分かる。
落ち着いて走れたのは4角から。残り400mだけまともに走れたこととなる。
福永騎手は、序盤で前に壁を作るため内目の進路取り。これもあって、最後の直線は迷うことなく馬場の悪い内を選択。
内から先行馬をまとめてすくって先頭に立つも、大外からの豪客一閃。ナムラクレアに2馬身付けられての2着となった。
多くの時間、かかり気味にレースを進め、最後の直線も馬場の悪い内を走ったことを考えると、かなり強い競馬をした馬の1頭。3着以下を1馬身以上千切っており、能力的にはこの馬もまた抜けた存在の1頭であった。
本馬は404㎏の小柄な馬。パドックからもパワフルさは全く感じず、どちらかと言えば華奢な馬。どこにこれほどのパワーがあるのだろうか。
なお、この馬については追い切り動画が公開されていなかった。これほどの有力馬であれば、追い切り動画はぜひ見せて欲しいものである。
3着 アネゴハダについて
大外枠からの発走。内の馬が早く、幸騎手は途中から「脚を溜めて最後の直線に賭ける」作戦に切り替える。これが良かった。思惑通り、上り3F時計をスリーパーダと同タイム(2位タイ)となる34.2秒の脚を使っての3着。
ただ、今回はやや展開に恵まれた感のある1頭ではあった。
最後に
このレースで今後評価したいのは、ハイペースを先行し上り34秒台の脚を使って粘った先行馬たち。
すなわち、デュガ、インプロバイザー、ブレスレスリーの3頭である。
ハイレベルのレースで、前が苦しい展開をこの着差で粘った点はしっかり評価しておきたい。
次走注目馬: デュガ、インプロバイザー、ブレスレスリー