追い切り評価の結果はいかに?
出走馬は14頭。追い切り動画で確認できた全頭に評価を付け高評価としたのは5頭。
結果は【B-】→【A】→【B-】。
馬券内に来たのは断然人気のグランアレグリアだけで、残りはマイナス評価とした馬。
まったく参考にならない結果となってしまった。
着順 | 馬名 | 評価 | 人気 |
---|---|---|---|
1 | ダノンキングリー | B- | 8 |
2 | グランアレグリア | A | 1 |
3 | シュネルマイスター | B- | 4 |
4 | インディチャンプ | B+ | 2 |
5 | トーラスジェミニ | A | 13 |
6 | カデナ | B | 14 |
7 | ダノンプレミアム | B+ | 6 |
8 | サリオス | C | 3 |
9 | ギベオン | B+ | 11 |
10 | ケイデンスコール | B | 5 |
11 | ダイワキャグニー | B | 12 |
12 | カテドラル | B | 9 |
13 | カラテ | B- | 10 |
14 | ラウダシオン | C | 7 |
レース回顧
勝ち時計1:31.7秒は普通。
過去10年の良馬場で行われたレース(8回分)の平均勝ち時計は1:31.6秒。普通と言えよう。
ペースは、前半600mが34.9秒、後半600mが33.9秒。1.0秒後半の方が早いスローペースでレースが行われた。
なお、前半1000mの通過タイムは、57.8秒。
このペースを作ったのは、ダイワキャグニー(石橋脩)であった。
パドック
追い切り評価でマイナスとした、ダノンキングリー(1着)、シュネルマイスター(3着)は拾うことができていた。
さすがG1。良く見える馬が多くインフレ気味に6頭の名前をあげました。パドック情報はリアルタイム性が重要と考えるため、パッと見ての即決・即断となります。一応、筆者が良く見えた順に並べ替えはしているものの、4番手以降はほぼ同じ評価でした。
回顧
1着 ダノンキングリーについて
川田騎手が素晴らしいの一言。
本当に信頼できるジョッキーだ。
川田騎手騎乗の馬が、8番人気47.6倍で買えるのはG1ならでは。
後から振り返って思うことだが、本当に馬券妙味のある馬だった…。
馬券妙味を薄々感じながらも、この馬からの馬券を買うことができないのは、人間の性か…。
最大のポイントは、スタートしてからの200m。
ここで川田騎手は、ルメール騎手のグランアレグリアに馬体をぶつけて、(本来ルメール騎手がとりたかったであろう)絶好のポジションを確保する。
この最序盤のポジション取りがすべて。
最後の直線は、横山武史シュネルマイスターとの猛烈な叩き合い。
この横山武史(シュネルマイスター)との追い比べは本当に見応え十分。
この壮絶な叩き合いを制したのは、川田騎手の「経験」と「技術」なのだろう。
この2人の追い方の違いは、後でじっくりスロー再生などで振り返りたい。その位の価値があるように思える。
川田騎手は勝利ジョッキーインタビューでこうも言っていた。
「返し馬の雰囲気は、正直あまり良くなかった」
それをこうして1着に導くのだから、本当に凄い騎手だ。
最初に述べたが、ポイントは最序盤のポジション取りでルメールを制したことと考える。
人気薄の馬が、断然人気のルメールの馬に馬体をぶつけてポジション取りするということ自体、他の騎手にはできないこと。
「川田騎手の人気薄は美味しい」そう思った方が良いほどの騎手だ。
2着 グランアレグリアについて
結果論だが、序盤のポジション取りで、川田ダノンキングリーに負けた時点で勝負がついてしまった。
ルメールは自身が取りたいポジションを川田ダノンキングリーに取られてしまった。(先にも述べたのはこれができるのは川田騎手だからだろう。若い騎手も見習ってほしいとは思うが、言うは易し行うは難しだろう。)
最後の直線も前が壁。まともに追えず。
それでも2着に持ってきたのは能力の証。ゴールを過ぎて一番前にいたことからも、やや脚を余しての敗戦だろう。
負けて強しの内容。
何度も言うが、序盤のポジション取りで川田に敗れたのが全てだった。
3着 シュネルマイスターについて
外枠からの発走。スタートでやや躓き気味になりながらも、中団の外の絶好位にポジションを取る。ここで川田ダノンキングリーを外に出しづらくする絶好のポジション取り。
最後の直線の「福永インディチャンプ」、「川田ダノンキングリー」との追い比べは見応え十分。
とても22歳の若者とは思えない胆力の持ち主だ。
これでG1を2戦連続で馬券内。素晴らしい。
馬のNHKマイルカップの回顧記事でも述べたが、3歳マイル戦におけるレベルが高いのだろう。NHKマイルカップ2着だったソングラインも強いということになる。忘れないでおきたい。
4着 インディチャンプについて
福永騎手は、ほぼ完璧にのったという感想。
最後の直線の坂を1頭「馬なり」でかけあがり、坂上(残り300m)で追い出しを開始。
ラスト1Fで、本格的に追い出してからの150mは恐らく一番早かったのではないだろうか。
ラスト50mで脚が止まり、上位3頭に差されての4着。
十分に力を出し切り、能力を示した。
使える脚が短い分、スローな展開の府中マイルG1だと、少しキレ負けしてしまうのかも知れない。
5着 トーラスジェミニについて
先行した馬で最先着。やはり調子は良かったのだろう。
さすがに今回の2馬身半差は、どうやっても逆転できていたとは思わない。
競馬にタラレバがないことを承知であえて言わせてもらうが、「もし馬場が渋っていれば…。」
「馬場」や「少しの展開」のあやで、13番人気、単勝153.6倍の馬が馬券内になる可能性がある訳で、これだから競馬は止められない。
6着 カデナについて
スローな展開で展開に恵まれたとは言え、最後方からモノすごい脚(上り3位の脚)で内をスルスルと上がってくる。
残り100m近くで脚があがってしまっての6着。最後は口を開けながら走っており苦しそうではあった。
とは言え、このメンバーで上り3位の6着は立派。
追い切り評価でも、「近走の中では良く見える」旨の記載をしたが、やはり調子は良かったのだろう。
次走も人気がなさそうな馬。どこかで穴を空けてくれそうな臭いがプンプンする。注目しておきたい。
7着 ダノンプレミアムについて
ラスト1Fの勝負どころで、池添騎手がステッキを落としてしまったのが痛かった。
そのせいでラスト1Fはまともに追えず。
走りもバラバラになっていた。
ラスト1Fまでが良かっただけに、このミスが本当に痛かった。
これがなければ掲示板はあったかも知れない。
8着 サリオスについて
最内枠を引きながら、直線は外に出し、グランアレグリアに進路を阻まれジ・エンド。
松山騎手は馬場読みの意識が強く、外が良い馬場で最内枠をひいた時は、少し割り引いて考えたくなる。