《2026》フィリーズレビュー【評価結果】レース回顧 ~57.2秒の流れを突き抜けた、10番人気の決め手~

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追い切り評価結果

(1〜3着は)【C】→【B】→【B+】。
勝ち馬を【C】評価としてしまったのは痛恨でしたが、2着サンアントワーヌを【B】、3着アイニードユーを【B+】、4着デアヴェローチェを唯一の【A】評価としており、上位争いの輪郭そのものはある程度見えていました。デアヴェローチェは4着止まりとはいえ、2〜4着は同タイムで着差はハナ差。見立ての方向性自体は、そこまで悪くなかったと見ています。
それでも、勝ち馬を低く見積もった事実は重く、今回は“惜しかった”で終わらせずに振り返りたい一戦。上位評価帯の精度は保ちつつ、取りこぼしをどう減らすかが次への課題になりそうです。

着順馬名評価人気
1ギリーズボールC10
2サンアントワーヌB2
3アイニードユーB+4
4デアヴェローチェA5
5プレセピオB-7
6フルールジェンヌB-17
7トワニB12
8ショウナンカリスC1
9イヌボウノウタゴエB+13
10コラルリーフB-8
11テイエムスティールB-3
12タイセイフレッサC18
13タイニーワンダーB16
14ファニーバニーB-9
15ルージュサウダージB-6
16ローズカリスB11
17ラスティングスノーB14
18クリエープキー15

パドック

後追いでパドックを確認しましたが、勝ったギリーズボールは10キロ減。厩務員に甘えるような仕草も見せており、当日の気配だけで強く推せる一頭だったかと言うと微妙なところです。今回は追い切りだけでなく、パドックでも拾い切るのは難しかったように思います。

2着のサンアントワーヌは、脚長で見栄えのする馬体。後肢の運びものびやかで、パドック評価としては3、4番手あたりには挙げられたでしょう。3着アイニードユーは、集中力には少し課題を残していましたが、後肢のパワフルさは十分。強くは推し切れないまでも、引っかかりは持てる一頭でした。

【A】評価としたデアヴェローチェは、体をスカッと見せ、外目を気分良く周回。こちらはパドックでも素直に上位評価できる出来でした。もう一頭の【B+】評価イヌボウノウタゴエも、深く踏み込めており、5、6番手あたりには挙げられそうな気配。勝ち馬を拾えなかった点は反省ですが、上位評価馬の見立てそのものは、大きく外れていなかったように感じます。

レース回顧

勝ち時計とペース

勝ち時計1:20.6は、過去10年(2016〜2025)のフィリーズレビュー「良馬場開催」8回の勝ち時計平均1:20.8、中央値1:20.7と比較すると、0.1〜0.2秒ほど速い水準です。ただし、この程度の差であれば評価は「普通」が妥当でしょう。標準よりわずかに速いものの、明確に速い決着とまでは言いにくい時計です。

レースラップは、前半3F34.2秒、後半3F34.9秒で、前半が0.7秒速い前傾ラップ。前半1000m通過は57.2秒。機械的には「ミドル」判定の範囲ですが、ラップ構成を踏まえると、実質的には「ややハイペース」と捉えるのが自然です。

ペースを作ったのはアイニードユー(西村淳)。2F目10.8で流れを引き上げ、前半1000mを57.2秒で通過しました。一方で、後半も11.5-11.6-11.8と大きくは崩れておらず、前が総崩れになるような極端な消耗戦ではありません。前半である程度の負荷がかかったうえで、後半も惰性ではなく脚を使わされる形。単純な差し有利戦ではなく、前半の負荷を受けたうえで、どこまで脚勢を維持できるか。その持続性能が着順を分けた一戦でした。

回顧

1着ギリーズボールは、前走フェアリーSで2番人気を背負いながら13着。今回はルメール騎手から西塚洸二騎手への乗り替わりもあり、10番人気まで評価を落としていました。ただ、これはさすがに見限られすぎだったように思います。

フェアリーS当時の追い切りは【B+】評価。能力そのものは感じていましたし、回顧でも「力みが強く、持ち味を出し切れなかっただけ。次走で人気を落とすなら見直したい」と書いていました。見立ての方向性そのものは、間違っていなかったのでしょう。

それだけに、今回この馬を拾えなかったのは悔しいところです。確認できたのは軽めの最終追いのみで、左手前がきっちり決まらず、動きもややこじんまり。評価を上げ切れませんでした。前走不利で人気を落とす“買いのタイミング”にいた馬を逃した形で、回顧をどう次へつなげるかという課題も改めて残ります。

レースでは一転、前走で目立った力みが薄れ、今回は後方で脚を溜める形。前半1000m57.2秒の前傾ラップも、この馬にはちょうどよかったのでしょう。前が簡単には止まらない流れの中でも、内でじっと我慢を利かせ、直線では馬群を割って一気に突き抜けました。ギアの入りが鋭く、狭いところへひるまず入っていける勝負根性も見事。そして、その進路を信じて迷わず突っ込んだ西塚洸二騎手の判断と度胸も光りました。馬の脚と騎手の決断が、きれいに噛み合った一戦でした。

2着サンアントワーヌは、上がり2位の脚を使っての好走です。ただ、勝ったギリーズボールが内で脚を温存しながら伸びたのに対し、こちらは外を回る形。そのぶんのコースロスは小さくありませんでした。能力はしっかり示しており、着差を思えば、進路取りひとつで着順が入れ替わっていた可能性も十分あります。

3着アイニードユーは、前半1000m57.2秒の流れを残り80m付近まで先頭で引っ張っての粘り込み。前に楽な競馬ではなかったはずで、その中でハナ差だけ踏ん張って桜花賞の権利を確保したのは立派です。逃げ馬として見れば、かなり内容の濃い3着でした。ただし、桜花賞で同じ形が通用するかは別問題。今回は展開と立ち回りが噛み合った面もあり、次は相手強化の中で改めて精査したいところです。

4着デアヴェローチェは、序盤で前団に取りつき、直線でもしっかり脚を使って勝ち負け圏まで踏ん張りました。ただ、外枠から最序盤で少し脚を使ったぶん、最後の最後でその差が出た印象です。とはいえ、競馬そのものはスムーズで、自分の力はしっかり出し切っています。負けてなお内容は悪くなく、地力の高さはむしろ確認できた一戦でした。

7着トワニは、勝ち馬と同じ上がり最速タイの脚を使いながら、道中はほぼ最後方。4角でもまだ後ろで、大外へ持ち出してからようやくエンジンが掛かる形でした。脚そのものは今回も確かで、直線だけ見れば目を引く伸びです。ただ、そこへ至るまでに置かれすぎる。毎回のように終いは詰めてくるだけに、序盤でもう少し流れに乗れれば、競馬はもっと変わってきそうです。

次走の狙い馬として挙げたいのは、10着コラルリーフです。内を狙って進路を取りにいったところで、5着プレセビオに馬体を寄せられ、狭くなって大きく失速。勝ったギリーズボールと似たような進路選択をしながら、こちらはそこで競馬が終わってしまいました。着順だけで評価を下げるのは危険で、スムーズならもっと際どいところまで来ていた可能性があります。次走で人気を落とすようなら、見直しが必要な一頭でしょう。

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