阪神大賞典 2026【評価結果】レース回顧 ~緩まぬ中盤が問うたもの。真のスタミナが試された一戦~

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追い切り評価結果

穴候補のアクアヴァーナルを【B】評価できたのは良かったものの、A評価とB+評価の2頭はともに馬券外。アクアヴァーナルはパドックでも良く見え、配当妙味をもたらすならこの馬と見ていただけに、その見立てを馬券に結びつけられなかったのは悔しいところです。ただ、見立てそのものは大きく外していなかったと思います。

着順馬名評価人気
1アドマイヤテラB1
2アクアヴァーナルB6
3ダノンシーマB-2
4シュヴァリエローズB-7
5マイネルエンペラーA4
6サンライズソレイユB-8
7レッドバンデB+3
8メイショウブレゲC9
9ファミリータイムC5
10ダンディズム10

パドック

馬券内に2頭が来たものの、軸のマイネルエンペラーは馬券外。ただ、追い切り【B+】評価のレッドバンデをパドックで下げられた点、追い切りで拾えなかったシュヴァリエローズをパドックで拾えた点は収穫でした。追い切りで見立て、パドックで検証する。この流れはやはり有効です。

勝ち時計とペース

レコード決着の価値は大きい

勝ち時計3:02.0は速い。しかも、これは阪神芝3000mのコースレコード。従来の記録を0.4秒更新する、価値の高い決着でした。

過去10年の阪神大賞典は、良馬場開催に限ると8回。この8回の勝ち時計の平均は3:04.5、中央値は3:04.3です。今回の3:02.0はその水準を2秒以上上回っており、評価は“速い”で良いでしょう。

レースラップは13.1-11.5-12.2-12.8-12.9-12.3-12.2-12.2-12.3-12.2-12.1-11.7-11.5-11.4-11.6。前半7Fは87.0秒、後半7Fは82.8秒で、後半7Fの方が4.2秒速い形です。3000m戦なので真ん中の1Fを挟む比較にはなりますが、判定は明確にスローです。前半6F-後半6Fで見ても74.8秒-70.5秒で後半が4.3秒速く、こちらもスロー。前半5F-後半5Fでも62.5秒-58.3秒で後半が4.2秒速く、やはりスロー判定で良いでしょう。

前半1000m通過は62.5秒です。レースを作ったのはサンライズソレイユ(岩田望)でした。

回顧

見た目以上にタフな一戦

今年の阪神大賞典は、見た目以上にタフな一戦だったと思います。

前半1000m通過は62.5秒。数字だけ見れば落ち着いた入りです。ただ、道中は12.2秒前後を長く刻み続け、例年のように大きく息が入る区間がありませんでした。スローの瞬発力戦というより、巡航速度の高い持続戦です。

出入りの激しさが厳しさを物語る

その流れを象徴していたのが、レース中の出入りの激しさでした。ファミリータイムは早い段階で2番手へ押し上げ、勝負どころではレッドバンデも進出。過去の阪神大賞典の感覚なら、このあたりでペースが緩み、比較的脚を使わずに位置を上げられるイメージもあったはずです。

ですが、今年は違いました。実際にはそこで脚を使わされる、厳しいラップが刻まれていました。

岩田望騎手が作った“本物を測る”ラップ

逃げたサンライズソレイユと岩田望騎手は、結果以上に難しいラップを作ったと言えそうです。ただ淡々と逃げたのではなく、長距離戦に必要なスタミナと、一定のスピードをどこまで持続できるかを問う流れに持ち込みました。

レコード決着になったことも含め、今年の阪神大賞典は“本物のステイヤー資質”を測るレースだったと見ています。問われたのは、単純な瞬発力ではありません。真のスタミナとスピードの持続力。その両方を高いレベルで備えているかどうかが問われた一戦でした。

アドマイヤテラ 堂々の快勝。春の盾でも主役候補

1着アドマイヤテラは、自然体で出していき5、6番手。中団インコースで一切無駄な動きがありません。手綱を動かしたのは残り600mあたりから。それでいて、上がり2位のダノンシーマより0.6秒も速い34.1秒の上がり3Fを計時し、2着アクアヴァーナルに3馬身差をつけての快勝です。

真のステイヤー資質が問われるレースで、この勝ち方。天皇賞・春でも主役候補でしょう。その資格は十分にあります。

アクアヴァーナル 牝馬の壁を破り得る器

2着アクアヴァーナルは、巡航速度の速いタフな流れを好位2、3番手から追走。直線では先頭に立ち、見せ場は十分でした。最後はアドマイヤテラの豪脚に屈して3馬身差の2着。ただ、急坂の入り口ではアドマイヤテラに馬体をぶつけられる場面もありました。あれがなければ、着差はもう少し詰まっていたと思います。

長く閉ざされている牝馬による天皇賞制覇。その壁を突き破るだけのポテンシャルを、この馬は十分に備えているように思います。

ダノンシーマ 我慢を利かせた騎乗は光った

3着ダノンシーマは、最序盤でポジションを取りに行きながら、川田騎手がグッと我慢させて位置を下げる形。最初にリスクを取り、その後はしっかり抑え込む。ある意味でメリハリの利いた騎乗でした。

追い出したのは一番最後。ギリギリまで我慢し、無理に外を回さずインを突いた判断も見事でしたが、前が詰まり、真っすぐ追えませんでした。スムーズなら、もう少し2着馬との差は詰まっていたと思います。

シュヴァリエローズ 4着が物語る立ち回りの重要性

4着シュヴァリエローズも、内でじっと我慢していた一頭です。この馬の4着は、いかにロスなく運ぶことがこのレースで重要だったかをよく物語っています。派手さはなくとも、立ち回りの上手さが最後の着順につながりました。

人気馬の明暗を分けたもの

上位馬がロスなく運べた一方で、人気馬の中には噛み合わない競馬を強いられた馬もいました。今年の阪神大賞典は、地力だけで押し切れるほど甘いレースではなかったように思います。

マイネルエンペラー 最も噛み合わなかったA評価馬

5着マイネルエンペラーは、スタートで押して脚を使い、道中も終始外を回らされる形。馬に明確に「ここで息を入れよう」という余裕を与えられなかったように映ります。その状態でレッドバンデの捲りに付き合う形となり、さすがに苦しくなりました。

それでも5着に踏みとどまったのは、むしろ地力の裏返しでしょう。裏を返せば、今回もっとも噛み合わないレースをした一頭。次走でも狙いたい存在です。

レッドバンデ 早仕掛けが響いたB+評価馬

7着レッドバンデは、スタートで川田騎手の馬に寄られ、後手を踏む形。佐々木大輔騎手は後方でじっと我慢し、脚の使いどころを図っていましたが、結果的には動くタイミングが少し早かったです。

今年はレコード決着となる、道中で息の入らない流れ。その消耗を踏まえれば、もう少し我慢しても良かったのかもしれません。加えて、勝負どころのコーナーでは逆手前となり、遠心力を支え切れず余計なパワーも使いました。阪神3000mは内回り。この馬は右回りの小回りコース自体が向かない可能性もありそうです。

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