《2026》共同通信杯【評価結果】レース回顧 ~右手前一本の押し切り――レコード決着が炙り出した“総合力”、ロスを背負った最強2着~

クイーンC 共同通信杯 京都記念 評価結果 レース回顧
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目次

追い切り評価結果

(1〜3着は)【B】→【B-】→【B】。
上位人気馬が抜けており、着順当てに近いレースだと見て点数を絞りましたが、結果は噛み合いませんでした。

着順馬名評価人気
1リアライズシリウスB2
2ベレシートB-4
3ロブチェンB3
4ラヴェニューB+1
5ディバインウインドB-5
6サノノグレーターA6
7ガリレアB-8
8イージーライダーC9
9サトノヴァンクルB-7

パドック

パドックでは人気馬中心に目が行き、サノノグレーター、リアライズシリウス、ディバインウインド、ラヴェニュー、ロブチェンの5頭を挙げました。ただ、結果的に2着のベレシートを拾えなかったのは痛恨です。後追いで見返すと、踏み込みが力強く、前へ行こうとする気持ちも豊富。少なくともこの日のパドック気配はラヴェニュー、ロブチェンより上でした。

一方で、勝ち馬リアライズシリウスはまさに“出来”で押し切った印象。外々を大きなストライドで歩けており、気配は過去最高だったと思います。

レース回顧

勝ち時計とペース

勝ち時計1:45.5は、共同通信杯レコード。マスカレードボールが保有していた1:46.00.5秒上回るもので、文句なしに速いと言えます。なお、過去10年(2016〜2025)の共同通信杯における良馬場開催(7回)の勝ち時計の平均/中央値は 1:47.2/1:47.4です。

前半800mは 47.4秒、後半800mは 46.0秒で、後半が前半より1.4秒も速い「スローペース」でレースは行われました。


ペースを作ったのはガリレア(石橋脩)です。2F目10.7で一度“形”を作りつつ、3〜5Fで11.6-12.2-12.1と息を入れて隊列を整え、直線は 11.7-11.3-11.2で段階的にギアを上げる形。前を削る持久戦というより、ラストで“もう一段”踏めるか──上がりの質が問われた一戦だったと言えるでしょう。

回顧

今年の共同通信杯は、勝ち時計1:45.5のレコード決着。
東京1800mでここまで時計が出ると、単なる“瞬発力勝負”ではありません。

速い基礎スピードを長く維持し、最後にもう一度踏ん張れるか。
求められたのは総合力でした。


勝負のポイント

鍵は「前半から速い流れ」と「直線でのもう一段」。
脚を溜めて切れるか、ではなく――脚を使いながら、最後まで残せるか。

勝ち馬は設計通り。
2着馬は不利を受けてもなお詰めた。
この対比が、今年のレースの質を物語ります。


リアライズシリウス(1着)

勝ったリアライズシリウスは、スタートが一息でも二の足が速い。
ロケットスタートを切ったロブチェンの前に出て、最初の隊列づくりで主導権を握りました。

津村騎手の選択も明快です。
先行策。迷いなし。馬の特徴を把握した乗り方に見えました。

リアライズシリウスの武器は“キレ”ではなく“長く脚を使う”タイプ。
だから直線でもガリレアを可愛がりません。早めに先頭へ。押し切る形です。

驚くべきは、直線約450m以上を右手前一本で走り切ったこと。
フォームが崩れないから、脚も鈍らない。設計通りの完勝でした。


ベレシート(2着)

底知れない強さを感じたのがベレシートです。
ゲートは速くなく、序盤は最後方。それでも慌てません。

初角でリアライズシリウスに体当たり気味に前をカットされるロス。
ここで一度、流れが狂います。けれど冷静でした。

道中もスムーズではありません。
外で入れ込むサトノヴァンクルにブロックされ、壁づくりに苦労しながらの追走。見えない消耗の連続です。

直線でもロスは続きます。
合図を送ると一度左に刺さる。これが痛い。ブレーキを踏む形になり、外へ持ち出すにも少してこづる。

体勢を整え、まともに追えたのがラスト1Fから。
それでも勝ち馬との差を大きく詰めて、アタマ差の2着です。

このように、小さな積み重ねのロスがありながらもアタマ差の2着。着差が着差だけに悔やまれます。このわずかな差は、ひとつふたつの騎乗技術でカバーできる範囲にも思えます。友一騎手も無念だったことでしょう。

それでも全体像はむしろ明るい。
すべての能力を出し切ったリアライズシリウスと、数多くの不利があったベレシート。内容を比べると、素質の上限はベレシートの方が上に見えます。


クラシック展望(ベレシート)

ただ、アタマ差の2着は大きい。
だからこそ次の一手はシンプルに――「クラシックへ確実に乗せる」ことがテーマになります。

共同通信杯2着で収得賞金は積めており、賞金面だけ見れば直行も視野です。
とはいえ、皐月賞のボーダーは年によって動きます。直行は可能性がある一方で、確実ではない。ここが怖いところです。

現実解は、権利取りで不確実性を消すこと。選択肢は2つ。

  • 共同通信杯から中2週で遠征し、弥生賞(中山芝2000m)へ。3着まで権利。本番と同舞台・同距離で直結。
  • 中4週で間隔を取り、若葉S(阪神芝2000m)へ。こちらは2着以内が条件。仕上げやすい反面、“取り切る競馬”が求められます。

僅差2着だったからこそ、次は取りこぼせない。
直行の夢を残しつつ、現実は権利取りで固める――春の景色は、この判断ひとつで変わります。


ロブチェン(3着)

3着ロブチェンは、賞金的な不安はありません。
今回は府中を経験させつつ、この舞台への適性を測る意図が強かったように見えます。

結果は勝ち馬と同タイムの3着。悲観は不要です。
府中の直線でどれくらい脚が使えるか。これを測る意味で最高の経験になりました。

最後に手前を替えてもう一伸び。
勝負根性の確認も、大きな収穫でしょう。


ラヴェニュー(4着)

1番人気で4着に敗れたラヴェニューは、少々深刻な負け方です。
大きなロスのない競馬で、最後は完全に脚が止まっていました。

新馬戦は「溜めが効く流れ」+「最後まで加速が続く設計」。
今年の共同通信杯は、前半から速く、直線でギアを上げたあとに“踏ん張り”が要るレコード決着でした。

ラヴェニューはギアチェンジ能力自体は見せた一方、基礎スピードの区間が長く、溜めが薄くなって最後の200mで止まった印象です。能力は出している。ただ、条件(流れの質)が新馬戦より厳しかった。そういう負け方に映ります。


サノノグレーター(A評価/6着)

最後に【A】評価としたサノノグレーター。
好スタートを切ったものの、追走力がなくポジションを下げたのが痛かったです。

道中はやや抑え気味。ここでも体力を消耗したのかもしれません。
これならもう少し前の位置で、気分よく走らせても――という思いも残ります。

ただ、最後は力負け。
ロブチェンとラヴェニューの間隙を縫って抜け出すパワーは、まだ足りなかったと見るのが妥当でしょう。

とはいえ、追い切りで見せた動きは質の高いもの。
力を付けて、また強くなったサノノグレーターに期待して、本レースの回顧を締めたいと思います。

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