《2026》阪急杯【調査結果】レース回顧 ~レコード決着。0.6秒差の衝撃――短距離路線に新主役、追い切りが拾った14番人気~

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追い切り評価結果

(1〜3着は)【B+】→【A】→【B-】。
レコード決着のハイレベルな一戦。18頭立ての中で、追い切りを見て唯一【A】を付けたララマセラシオンが、14番人気の低評価を覆して2着まで突っ込んできました。人気や前評判では拾いにくい一頭を、動きの質だけで引き上げられたのは、こちらとしても素直に嬉しい結果。追い切りは嘘をつかない――そう感じさせる好走でした。

着順馬名評価人気
1ソンシB+1
2ララマセラシオンA14
3ドロップオブライトB-5
4ディアナザールB-3
5アサカラキングC7
6アルテヴェローチェB-16
7ヤンキーバローズB-4
8レイベリングB9
9マイネルチケットB2
10マサノカナリアB-12
11グレイイングリーンB11
12グロリアラウスB10
13メイショウチタンC17
14ダディーズビビットC18
15カンチェンジュンガC6
16スリールミニョンB13
17ナムラアトムB8
18メイショウソラフネB-15

パドック

1、2着馬を上位に挙げ、3〜5着馬(ドロップオブライト、ディアナザール、アサカラキング)も名前を挙げていました。追い切りだけでなく、パドックと組み合わせることで、馬券の精度が一段上がる――その手応えを改めて感じた一戦です。

レース回顧

勝ち時計とペース

勝ち時計1:18.9は、阪神芝1400mのコースレコード。昨年12月27日の阪神Cでルガルが記録した1:19.0を0.1秒更新するもので、文句なしに速いと言えます。なお、阪急杯としてもレコード更新。従来の阪急杯レコードは2021年レシステンシアの1:19.2でした。

過去10年(2016〜2025)の阪急杯における良馬場開催(9回)の勝ち時計の平均/中央値は 1:20.3/1:20.1。今年は平均より約1.4秒、中央値より約1.2秒速く、改めて“高速決着”です。

前半1000mは 55.7秒。前半3F 33.1秒、後半3F 34.5秒で、前後半差が1.4秒の前傾ラップ(ハイペース)でレースは行われました。

なお、このペースを作ったのはアサカラキング(北村友一)です。

回顧

1着 ソンシについて

昨年2月のシルクロードSは、返し馬の段階で右前肢の跛行が出て競走除外。その後に骨折が判明し、頓挫が続いて1年1カ月ぶりの実戦になりました。ここで無理をさせず止めた判断(川田騎手の“馬を優先”)が、今回の復帰Vにつながった――そう書ける一戦です。

今回の阪急杯は勝ち時計1:18.9。昨年末の阪神Cでルガルが出した阪神芝1400mのコースレコード1:19.00.1秒更新し、阪急杯レコード(2021年2月28日レシステンシアの1:19.2)も塗り替えました。今年の時計が“別格”なのは数字が物語ります。

ペースは前半3F33.1秒のハイ。逃げたのはアサカラキング(北村友一)で、この馬が流れを作りました。ソンシは最内から好位でロスなく運び、直線は残り200m手前で先頭。そこから突き放して3馬身半(0.6秒)の圧勝です。

短距離で0.6秒差は、着差以上に破壊力があります。実際、古馬の芝1400m重賞で「0.6秒以上」の決着は稀で、例として1989年スワンS(バンブーメモリー)/1995年スワンS(ヒシアケボノ)/2014年阪急杯(コパノリチャード)/2019年阪神C(グランアレグリア)の4例が挙がります。そして、これら4頭はすべて、その後にGⅠを制しました。ここまで突き抜ける勝ち方は、ただの圧勝ではなく“GⅠ級の器”として受け止めたいです。

そして馬主・藤田晋オーナーは、フォーエバーヤングのサウジC連覇に続いての重賞制覇。近年の“当たり方”は、資金力だけでなく、セレクトセールでの綿密な投資と、トップ厩舎・トップジョッキーへ集中的に預ける体制づくりが大きいはずです。今後も藤田オーナーの所有馬は、ひとつ注目の目印になります。

この勝利で高松宮記念への優先出走権を獲得。遠回りを越えて、いよいよ春GⅠの舞台へ向かいます。次走でどんなパフォーマンスを見せてくれるのか――素直に楽しみにしたいです。

2着 ララマテラシオンについて

配当面でも主役となった本馬ですが、Xでも私は以下のように述べていました。

「追い切りから感じるこの馬の成長力に期待」

レースは、前半3F33.1秒、1000m通過55.7秒のハイペース。隊列は早い段階から先行集団と後方集団に割れ、くっきり二分される流れになりました。

その中でララマテラシオンは、後方集団の先頭あたりを内でじっと我慢(4角10番手付近)。直線は縫うように馬群を割って伸び、上がり34.0秒(2位タイ)の脚で2着まで突っ込んでいます(走破時計1:19.5)。

レース前から「内でいかに捌けるか」が鍵だと思っていましたが、その読みがそのまま形になった一戦でした。4コーナーではマイネルチケットとナムラアトムが接触する場面もあり、ナムラアトムがそこで脚色をなくした点は、展開上“追い風”になった面も否めません。それでも、内の狭いところを割って伸び切った2着は立派です。

そして、14番人気という低評価は決して不当ではありません。ララマセラシオンは3勝クラス上がりで、芝1400mの持ち時計も1:21.2。重賞の実績馬が揃うメンバーに混ざれば、人気薄になるのは自然でした。

それでも今回は1:19.5まで一気に詰めて2着。持ち時計を大きく更新しての激走は、普通に考えるだけでは難しく、まさに「追い切りの動き」から将来性を見極め、この馬の成長力を信じないと拾えなかった。――ララマテラシオンはそんな一頭だったと思います。

もうこんな人気では買えないのではないでしょうか。これからも人気薄でも、キラリと光る素質をもった穴馬を炙り出せるよう、励みたいと思います。

3着以下の馬たちについて

1:19秒台で走った馬たちは、能力を秘めている証。今後も注意が必要でしょう。3着ドロップオブライトは、勝ち馬(ソンシ)の直後で、ソンシの通った進路をそのまま辿る形での3着。展開・進路面で最もロスの少ない競馬ができたことが大きかった印象です。

4着、5着のディアナザール、アサカラキングは、このペースを前で粘り込み、2着馬と0.1秒差。内容としては立派です。特にディアナザールはまだ4歳。陣営の期待も大きい良血馬で、その期待に応える走り。素材は確かで、将来が楽しみです。

ここからは後ろから追い込んできた馬たち。

6着アルテヴェローチェは上り最速。スタートで後手を踏み、4角では大きく外を回してのもので、内容は濃い一戦でした。16番人気(単勝118.2倍)はさすがに過小評価。次も人気がないようなら狙いたくなります。

7着ヤンキーバローズは、この馬なりに力は出し切っての着順。ただ2着馬とは0.2秒差で、今回は追い切り・パドックでもそれほど良くは映りませんでした。状態が上がれば巻き返しは可能でしょう。

8着レイベリングは、前を走るララマセラシオンらが壁になり、力を出し切れず。レコード決着の中でも脚を余したような終わり方でした。能力は相当高そうで、次走は狙い目だと思います。

9着マイネルチケットは、道中の挙動が不自然で、何かあった印象。今回はノーカウントでいいでしょう。

17着ナムラアトムは、そのマイネルチケットに寄られてラチへ接触する不利。そこで戦意を失ってしまったようで、こちらもノーカウントで構いません。

まとめると、次走狙い馬(おいしい順)は、
・レイベリング
・ナムラアトム
・アルテヴェローチェ
・マイネルチケット

になるでしょうか。その他は普通に人気してしまいそうです。

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