本記事は、2022年11月11日週に行われる『武蔵野S、デイリー杯2歳S、福島記念』の1週前追い切り短評となります。
追い切り動画で確認できた14頭についてコメントしています。
武蔵野S(G3)
出走登録20頭中、6頭の追い切り映像がありました。
アラジンバローズ 【B-】
直線、一時は外の2頭に対して半馬身前に出るも、仕掛けた外の2頭に追いつかれ併入。終いはモノ足りなく映ったが、時計は上々。鞍上がステッキを抜く仕草に反応するアタマの良さも見せた。ただ、まだ幾分重さが残る。評価は割引いた。
サンライズノヴァ 【B-】
栗東坂路で併せ馬。フォームを振り乱し追う相手に対し、涼しい走り。この対比が何か滑稽。安定したフォームで早い全体時計を出せている点は評価できるも、手前替えがうまく行かず大きく失速した点は割引き。評価は割引いた。
タガノビューティー 【C】
栗東CW単走。直線尻ムチが何度も入るも反応なし。最後は馬もやる気をなくしていたか。時計はそこそこ纏めたものの、動きは顕著に重い。評価できない。
デュードヴァン 【B-】
栗東CW単走。終い仕掛けて脚を伸ばしたが、伸びたのは10完歩足らず。すぐにフワッと気の抜けた走りになっていた。尾の流れ方がこの内容を如実に表している。評価できない。
バスラットレオン 【A】
栗東CWでの併せ馬。早いラップを刻みながら、コーナーを深々と回って来る。余力十分。ステッキで追う外の相手を、馬なりで受け、終い軽く仕掛けてクビ差先着。2歳時に見せていた低い姿勢のネコ科の走りで、併せたユニコーンライオンを圧倒した。いつになく動けている。
フルデプスリーダー 【B】
美浦南Wで3頭合わせの内。外は京王杯2歳Sで8着だったミスヨコハマ。これに半馬身遅れも、本気は出しておらず、余力残しの内容。気負うことなく、集中してバランスの良いフォームで走れている。評価は据え置いた。
デイリー杯2歳S(G2)
出走登録11頭中、5頭の追い切り映像がありました。
エミサキホコル 【B-】
栗東CWで終い重点。先に仕掛けて半馬身前に出るも、馬なりの相手に追いつかれ併入。相手も動けていたとは言え、見栄えは一息。序盤は推進力を上に逃す完歩も多く、仕掛けてからも首の振り幅が不安定。着地の力感も薄く評価しづらい。
オールパルフェ 【A】
直線で鞍上がハミを取らせると、脚色を強め併せた相手を圧倒。古馬1勝クラスを3馬身突き放した。通ったコースを考慮すると時計も優秀。四肢を綺麗に回転させ、一完歩ごとの推進力が兎に角パワフル。ラクラクと余力も十分。状態はかなり良さそう。
シルヴァーデューク 【B+】
先に仕掛けるも、相手が抵抗。追い抜くことできずという内容。一見モノ足りなく映るも、相手は古馬3勝クラス。完歩は大きくないものの、鞍上からの指示をしっかり待ち、力強く走れている。時計も優秀で十分プラスの内容。
ダノンタッチダウン 【B-】
川田騎手が騎乗し、栗東CWでの併せ馬。左手前があまり得意ではないのか、直線で手前が替わるとフォームを崩してしまう。頭も高く、下半身だけの走り。大きな馬で脚元パラフルも、終い仕掛けて馬なりの相手と併入。高い評価は与えづらい。
デイドリームビーチ 【C】
右手前時も、左前肢を軸に走っており、完全に左前肢に頼る走り。この馬の左回りは大きく割引きたい。このチグハグさもあり、直線でもフワッと。得意の左手前になってからの伸びも一息。全体的にちょこまかとした脚捌き。評価できない。
福島記念(G3)
出走登録19頭中、4頭の追い切り映像がありました。
トラストケンシン 【B-】
美浦坂路で併せ馬。フットワークに弾力性はあるものの、上体高めで前肢の着地が非力。併せた格下相手に3/4馬身遅れ。評価できない。
ベレヌス 【B+】
栗東CWでの併せ馬。直線、左手前に替わってからの数完歩が遅く、追走していたデアリングタクトに差を広げられてしまう。それでもエンジンがかかってからは迫力ある伸び。肩の出一息も、後肢を蹴り出す方向がよく、しっかり前に推進することができている。
ユニコーンライオン 【B+】
栗東CWで武蔵野Sに出走予定のバスラットレオンとの併せ馬。先行からクビ差遅れも、馬場の一番深いところを回り、早い時計。四肢の回転も綺麗。直線での手前替えでスムーズさを欠き、ステッキが入ってしまった分だけを割引いた。