2022年3月20日(日)に阪神競馬場で行われる『阪神大賞典(G2)芝3000m(別定)』の最終追い切り評価となります。
出走登録は14頭。追い切り動画で確認できた13頭の追い切り評価となります。
- タイセイモナーク
アイアンバローズ 56.0 【B-】
栗東CW単走。馬なり⑩
コーナーの一番深いところを回ってくる。良く言えば「活気十分で抑えきれない手応え」だが、悪く言えば「折り合いがついていない」。多くの時間を右手前で走り、左手前に替わったのは残り30m。終いは長距離馬とは思えないキレ味を見せていた。ただ後肢のバネ感に対して、前肢の伸びやかさが物足りない。評価は割引いた。
長距離を走る心肺機能の高さは前走で証明済。追い切りからも気正面に課題があることが見て取れます。この馬はとにかく折り合い一つで、如何に気分よく走れるかでしょう。パドックが良ければ大きく評価を上げたいと思います。
アドマイヤアルバ 56.0 【A】
美浦南W単走。馬なり⑤
原田和騎手が騎乗。コーナー手前でスピードを緩め、直線では前にいた他厩舎の馬を目標に再加速。時計は目立たないも、前肢を高々と上げ、肩の出が良い。調子の良さが窺い知ることができる。新規開業の厩舎で馬がリフレッシュされている可能性がある。四肢の広がりも十分。身体全身をバランス良く使い、真っ直ぐ走れている点を高く評価したい。
新人騎手の話題であまり目立ちませんが、堀内岳志(48)調教師もこの3月に新規開業した新人調教師の1人です。他にも空いている騎手はいたと思いますが、調教を付けている原田騎手を抜擢。恐らく最低人気でしょうが、このコンビを密やかに応援したと思います。
キングオブドラゴン 56.0 【B-】
栗東坂路併せ。馬なり。
坂井瑠騎手が騎乗。序盤は相手のカゲに隠れ、動きがほとんど確認できなかったがアタマは高め。推進力を上に逃がす走りとなっていた点は割引き。とは言え、綺麗な加速ラップを踏み、終い伸びやか。併せた相手にはクビ差遅れも余力十分。全体時計そこそこにラスト2F時計の24.1-12.0秒も上々。序盤の走りの質が良くなかった点を割引き、この評価とした。
併せた相手は古馬3勝クラスのマリーナです。
ゴースト 56.0 【B】
栗東坂路単走。馬なり。
鮫島克騎手が騎乗。併せた相手に半馬身先行した状態で、ラチ沿い1頭分空けた所に入ってくる。相手の鞍上が懸命に見せムチ振るって馬を鼓舞しているのに対して、こちらは終始馬なり。追い抜かれることなくアタマ差先着した。いつもはモサっと動く印象の馬だが、馬体をシャープに見せ気分良さそうに登坂。評価は据え置くも、綺麗な加速ラップを踏めており好調だろう。
サンアップルトン 56.0 【C】
美浦南W併せ。G前一杯⑧
2頭併せの内。直線めい一杯追うも、馬なりで伸びやかに走る外の相手にまったく歯がたたない。大きく追走していたとは言え、何とも見栄えの悪い内容。相手にセーブ気味に走ってもらい、最後は何とか併入したが…。肩の出がわるく、仕掛けに反応もできいない。そういう身体の状態にないのだろう。
シルヴァーソニック 56.0 【B-】
栗東CW併せ。G前仕掛け⑦
水口騎手が騎乗(レースは川田騎手)。2頭併せの内。外の相手を1馬身半追走し抑え気味に直線に入ってくる。直線向いてから仕掛けると、しっかり脚色を伸ばし併入。大きなアクションで活気は十分。ただ、これが強すぎるのは長距離戦においては割引き。また右手前に頼る傾向がある点も割引きだ。1週前は川田騎手が騎乗し、落ち着いて走れていたものの前脚の出は悪かった。評価を据え置くか迷った馬の1頭ではあったが割引いた。
併せた相手は古馬3勝クラスのサンラモンバレーです。先行脚質で川田騎手。手が合うとは思いますが、同じような位置にディープボンド。この馬と張り合うとしんどいかも知れません。とにかく前向きな気性が目に付く馬。レースで良い方向に働いてくれると良いのですが…。そう感じる1頭です。
シロニイ 56.0 【C】
栗東坂路併せ。G前強め。
ラチ沿いを登坂。前肢をフニャフニャと出し、体幹がしっかりしない走り。最後はアタマをあげ苦しそうに失速。追いかけてきた馬なりの相手にハナ差差されてフィニッシュ。脚元の力感も薄く評価できない。
併せた相手は古馬1勝クラスのサトノスカイターフです。
ダンビュライト 56.0 【B+】
栗東坂路併せ。馬なり。
坂路で一生懸命走るも、ラスト失速し併せ馬で遅れることの多い馬だが、今回は綺麗な加速ラップを踏み相手を圧倒。年齢を重ね、良い意味で力みが取れ、リラックスした走りができるようになっている。さすがに全盛期と比べると走りの迫力は落ちてはいるものの、この変化は、長距離戦において良い方向に働くのではないだろうか。過去も追い切りの良さとレース戦績がリンクしていた馬。高く評価しておきたい。
併せた相手は古馬OPのサイクロトロンです。
ディープボンド 57.0 【B】
栗東CW単走。G前仕掛け⑨
和田騎手が騎乗。大きなフットワークでコーナー深く回ってくる。落ち着いてリラックスした走り。ただ、元々キレるタイプの馬ではないとは言え、ラスト1Fからの仕掛けに対する反応は平凡。1週前に早い時計を出していることから、これで良いのかも知れない。追い切りからはこの評価となる。
個人的には、今回のメンバーだと格が何枚も上で外せない1頭という認識。映像はありませんでしたが、1週前も猛時計を叩き出しており、調整面に抜かりは無さそうです。
トーセンカンビーナ 56.0 【B】
美浦南W単走。馬なり⑥
リラックスして集中した走り。手前替えもスムーズ。雰囲気良く、さして悪いところはないものの、もう少し動きに覇気が欲しいと言うのが正直なところ。評価は据え置いた。
この馬はゲートが上手な馬ではありません。長距離戦とは言え、スタートを決めて良いポジションを取りたいところです。
マカオンドール 55.0 【B】
栗東CW併せ。馬なり⑦
2頭併せの内。表記はそうだが、実質は3頭の中。6F時計77.6秒は通ったコースを考えるとかなり早い。適度な気合乗りを示しつつも、力むことなくリックスした走りで、この時計が出せている点は高く評価できる。ただ前捌きに硬さが見られる点は気になるところ。評価は据え置いた。
1週前も早い時計で併せた相手に先着できており、2週続けて好時計です。京都2歳Sの時から良い動きを見せており、そもそも能力の高い馬なのだと思います。今回は52㎏→56㎏。これは気になりますが、能力でこなしそうな気もします。ただ今回はそこまで高い信頼をおけないというのが、今回の追い切り映像をみた正直な感想です。
マンオブスピリット 56.0 【B+】
栗東CW併せ。G前強め⑦
池添騎手が騎乗。3頭併せの中。内に2馬身先行し、外を4馬身追走した状態でコーナーに入ってくる。右回りのコーナーリングはそれほど上手くない。内には1馬身突き放されるも外とは併入。見栄えはよくないものの、動きそのものはムダなアクション少なくパワフル。時折りフワッと推進力を上に逃がす完歩が数完歩見られたが、ゴールを過ぎても脚色が衰えることはなかった点は好感が持てる。適度な気合乗りを示し雰囲気は悪くない。【A】評価にはできないも、高く評価しておきたい。
内の相手は3歳1勝クラスのブラックブロッサムです。この馬が動けていた可能性が高いです。この馬にも注目したいと思います。
ユーキャンスマイル 56.0 【B-】
栗東P単走。G前仕掛け⑨
ポリトラック馬場での追い切り。序盤の雰囲気は悪くなかったものの、直線での手間替えが上手くいかず走りのリズムを崩していた点は割引き。その後立て直し、普通には走っていたが…。少ない負荷でスピード感を養う友道厩舎らしい内容も、走りに往年の鋭さは感じられない。評価は割引いた。