2021年11月21日(日)に阪神競馬場で行われる『マイルCS(G1)芝1600m(定量)』の最終追い切り評価となります。
出走馬16頭。追い切り動画で確認できた全頭の追い切り評価となります。
インディチャンプ 57.0 【B-】
栗東坂路併せ。G前強め。
序盤は、この馬らしいキビキビとしたフットワーク。併せた古馬OP馬のイメルを僅かに追走し、タイミングよく手前を替えるも、そこから思ったように伸びて行かない。ラスト1Fで強烈な尻ムチを入れて強めに追うも、結局相手を交わすことができず併入。最後は手前も戻していた。評価できない。
【1週前追い切り B-】
加齢によるものか…。往年の迫力を感じません。追い切りからは割り引ける1頭です。
カテドラル 57.0 【B】
栗東坂路単走。馬なり。
馬場の真ん中に入ってきたが、前の馬を避けラチ沿いに。斜めに走りながら、ラスト2F時計は24.6-12.1秒。これを右手前1本で完全馬なり。動きは前の馬が邪魔でイマイチ確認できなかったが、終始キビキビと動けており調子は良さそう。評価は据え置いた。
【1週前追い切り B】
1週前追い切りもプラス評価とするか迷った馬の1頭でした。
グランアレグリア 55.0 【B+】
美浦南W併せ。馬なり⑥
天皇賞・秋から中2週の臨戦ということもあり1週前追い切りは軽め。最終追い切りでは予想どおり攻めてきた。前を1馬身追走から直線早々に交わし去り、馬なりのまま2馬身先着。時計も素晴らしく、これを完全馬なりで計時しているところに価値がある。走りに一切の力みが感じられず動き柔らか。顔を真っ直ぐ前に向け集中した良い走り。十分にプラスの動き。
【1週前追い切り D】
週中に電撃引退発表。これがラストラン。思い起こせば、この馬に追い切りで高評価を付けることが少なかったです。藤沢厩舎の管理馬ということもあり、追い切りはいつもサラリの仕上げで、レースで鬼脚を披露する才能の塊のような馬でした。
クリノガウディー 57.0 【C】
栗東坂路単走。G前軽仕掛け。
かなり軽めの最終追い切り。時計は54.8-12.3秒。出そうと思えば時計は出る馬で、最終追い切りは真っ直ぐ走らせることを意図していのかも知れない。ただその意図に反して真っ直ぐ走ることができず、右にヨレながらの走り。左にヨレル癖のある馬で、意図的に右を向かせて走らせたのかも知れないが…。好メンバーが揃うマイルG1の最終追い切りがこの内容では…。評価できない。
【1週前追い切り 映像なし】
グレナディアガーズ 56.0 【B】
栗東坂路併せ。馬なり。
序盤は馬体を離した状態であったが、ラスト1Fからは馬体をビッシリ並べての併せ馬。右手前1本で最後まで馬なり。追う相手にクビ差遅れるも、追えばいつでも交わせる手応え。この遅れは気にしなくて良いだろう。寧ろ気性の激しい馬がリラックスした状態で追い切れたことに好感が持てる。
【1週前追い切り A】
評価は据え置きましたが、1週前追い切り【A】評価です。要注意の1頭ということに変わりありません。
ケイデンスコール 57.0 【B】
栗東坂路単走。馬なり。
最終追い切りは軽めの内容。鞍上の岩田騎手は何度か手前替えを試みるも結局替えることができず、『上手くいないなぁ』と最後に首を傾げていた。この馬は元々左手前が苦手な馬だと思っているため、これはさして気にならないが、無理に手前を替えさせようとして真っ直ぐ走れなかった点は割引き。馬自身は低い姿勢を保ち弾力性ある走りができている。ラスト2F時計23.9-11.9秒はかなり優秀。プラスとするか迷ったが、よく見える馬が多くインフレ評価となるため据え置いた。
【1週前追い切り B+】
今年に入って重賞2勝と急成長を遂げた馬です。近2走の凡走で人気は落としそうで、兎に角オッズ妙味を感じる馬です。個人的には左回りの方が良い馬だと思うのですが、同舞台のマイラーズCでは綺麗に手前を替えて走れており、この心配は無用なのかも知れません。
サウンドカナロア 57.0 【B-】
栗東CW併せ。G前軽仕掛け⑦
3頭併せの内。3頭馬体を並べて直線に入ってくる。直線向いて綺麗に手前を替えるも、顔を相手の方に向けながら走り。脚元の力感も薄く、クビも前に出ていないため推進力が産まれない。外の2頭に前に出られてから軽く仕掛けてゴール後に追いつくと言う内容。評価しづらい。
【1週前追い切り 映像なし】
サウンドキアラ 55.0 【B】
栗東坂路単走。G前軽仕掛け。
馬場の真ん中を登坂。チップを高々と蹴り上げ、活気十分にキビキビと登坂。ラスト100mあたりで少し疲れを見せ、鞍上に軽く仕掛けられ際、手前を戻し失速した点は割引。ただ全体としては好時計で綺麗な加速ラップは踏めている。毛艶も良くこの馬の縦の比較としてはかなり良い仕上がりに思える。
【1週前追い切り 映像なし】
普段あまり追い切りでよく見せるタイプの馬ではありませんが、今回活気を見せている点は好感です。
サリオス 57.0 【B-】
美浦南W併せ。馬なり⑦
3頭併せの内。3頭雁行状態でコーナーを回ってくる。直線で3頭馬体が並び、本馬が手前を替えて伸びようとするもこれが案外。伸びるどころか、中外の相手に僅かに前に出られてしまう。その後は軽く促し併入に持ち込むも、クビ筋の発汗も目立っており、評価しづらい。
【1週前追い切り B+】
1週前はよく見えプラス評価としましたが、最終追い切りを見て大きく印象を変えた馬です。割引きたいと思います。
シュネルマイスター 56.0 【B+】
美浦南W併せ。馬なり⑨
2頭併せの内。前を4馬身ほど追走。序盤の動きは脚捌き柔らかく、飛節のクッション性に富んだスピード感十分の走り。直線で相手にクビ差出られるも、軽く促すだけであっさりと差し返すギアチェンジ性能の高さを見せた。アタマが高く重心の高い走りだったのは本気で走っていないこともあるだろう。相手を弄ぶかのような走りで、まったく底をみせていない。
【1週前追い切り B】
評価は難しかったですが、序盤のスピード感ある走りと余力ある走りを評価したいと思います。
ダーリントンホール 57.0 【B-】
美浦南W併せ。馬なり⑤
3頭併せの外。先行した状態から、コーナーで差を詰められるもそこから突き放し、1馬身先着という内容。馬はかなり行きたがっており、それを鞍上は手綱で抑えており、上手く制御できていない。意図した調教内容とならなかった点は割引。ただ、それくらい馬の勢いがあったと言う見方もできる。下半身の動きの伸びやかさに対し、クビの使い方に硬さが見られた。
【1週前追い切り B】
1週前追い切り評価の際、「きっちり折り合って走れているかをチェックしたい」と述べましたが、その点において改善が見られなかったのが残念です。評価は割り引きました。
ダノンザキッド 56.0 【A】
栗東CW単走。馬なり⑦
1週前同様、リラックスして大きなフットワーク。四肢の可動域は広く、後肢でしっかり地面を捕らえて走れている。ゴールに近づくにつれ、徐々にクビの振り幅を大きくし加速。最後の数完歩は、低い姿勢となり伸びやかでパワフルな走り。最後まで前捌きも柔らか。高く評価したい。
【1週前追い切り B+】
レース直前に発汗しやすい馬です。当日のパドックや返し馬を見れる方は確認した方が良いと思います。落ち着いて力強く踏み込めているようなら、期待大です。
ホウオウアマゾン 56.0 【B-】
栗東坂路単走。馬なり。
馬の多い時間の追い切り。馬場の真ん中ややラチ側に入ってくる。綺麗な加速ラップは踏めているものの、時計は平凡。手前替えもぎこちなく、気分良く走れているようには思えない。淡々とした走りで脚元の力感薄く重心も高め。1週前の重苦しさが取れきれておらず動きにキレを感じない。評価は割り引いた。
【1週前追い切り B-】
前走スワンSの追い切りでは、キビキビとした動きを披露し【A】評価。動きが重たく見えるため、調教後の馬体重を調べたところ。前走から+8㎏の516㎏。スワンSの+22㎏から更に増えています。これは少し気になります。枠順は魅力ですが…。
リプレーザ 56.0 【B-】
栗東坂路単走。馬なり。
1週前追い切りは、走りの質が悪くマイナス評価とするも、栗東坂路で51.0秒という早い時計が出ており少し期待していたが、やはり評価は変わらず。左手前時も右手前時も、頭の位置が右前脚の上に置かれるフォーム。これは悪い癖で大きく割引き。走りの軸も安定しておらず、この舞台で即通用するとは思えない。
【1週前追い切り B-】
レインボーフラッグ 57.0 【B】
栗東CW単走。G前強め⑤
一番驚いたのがこの馬。既に8歳馬だが全体時計78秒台前半は破格の時計。栗東CWはまだ自動計測ではないため正確性には欠けるが早い時計を出したことに間違いはないだろう。流石に終いの時計はかかっていたが、強めに追われてからもうひと伸びする気持ちを見せており、フォームも乱れていなかった。マイナス評価にはしたくない。
【1週前追い切り B-】
正に爆穴ですが、何があるか分からないのが競馬です。全頭診る良さはここにあるのかも知れません。
ロータスランド 55.0 【B+】
栗東坂路単走。馬なり。
ラチ沿いを1頭分空けてところを駆け上がる。体幹しっかりの軸の極めて安定した走り。美しいフォームを維持しつつキビキビと真っ直ぐに登坂した。ラスト2F時計23.5秒もかなり優秀。終い僅かに脚色が緩んだが、疲れた様子を見せることなく、最後まで走りがブレることなく、集中して駆けていた。高く評価したい。
【1週前追い切り B】
【A】評価とするか迷った馬です。【B+】評価の中では最上位評価です。