追い切り評価の結果はいかに?
出走馬は17頭。追い切り動画で確認できた全馬に評価を付け高評価としたのは3頭。
結果は【B】→【B-】→【B-】。
高評価した馬が1頭も絡まず、まったく参考にならない結果となってしまった。
着順 | 馬名 | 評価 | 人気 |
---|---|---|---|
1 | クールキャット | B | 5 |
2 | スライリー | B- | 14 |
3 | ユーバーレーベン | B- | 2 |
4 | メイサウザンアワー | C | 6 |
5 | ウインアグライア | B- | 7 |
6 | パープルレディー | A | 3 |
7 | レッジャードロ | C | 17 |
8 | オヌール | B | 1 |
9 | ララサンスフル | B | 12 |
10 | エトワールマタン | B- | 16 |
11 | グローリアスサルム | B- | 13 |
12 | ルース | B | 11 |
13 | アンフィニドール | A | 4 |
14 | オメガロマンス | B- | 10 |
15 | スノーハレーション | B | 15 |
16 | ジェニーアムレット | B | 8 |
17 | スノークォーツ | B+ | 9 |
レース回顧
勝ち時計1:59.4秒は早い。この時計は過去10年で2番目に早く、過去10年における良馬場開催8回の平均勝ち時計は2:00.3秒。十分に早いと言えよう。
ペースは、前半1000mが1:00.2秒、後半1000mが59.2秒。1.0秒後半の方が早いスローペースでレースが行われた。
このペースを作ったのは、アンフィニドール(川島)であった。
パドック
パドックでは、1着クールキャットと2着スライリーの名前をあげることができていた。
ただ筆者の軸はアンフィニドール。スタートして10秒後に「外した」と悟りました。
レース質
レースラップだけを見ると、「前半が早く」、「中盤が極端に緩み」、「後半ふたたび急加速」という極端なレースラップだが、これは逃げたアンフィニドールが刻んだラップ。
少し無謀だったけど、アンフィニドールが残り600-400区間で見せた1.3秒の加速(瞬発力)ってすごくない!さすがに坂で止まったけど。
うん、この馬の一瞬の加速力はもの凄いね!前半は我慢して後半にその脚を爆発させて欲しかったよ。
2番手以降の馬たちのレース質は、前半と中盤はほぼ例年の平均ペースで流れ、後半の「瞬発力」+「持続力」が問われたレースであった。
アンフィニドールは、後続を引き離す単騎逃げのカタチも、それほど早いペースではなく、2番以降の馬たちにとってはスローな展開。
とは言え、2番手以降の馬たちはジワジワとアンフィニドールとの差を詰め、中盤は締まったラップで追走。
ラスト3F地点ではおよそ0.9秒加速。(筆者推定)
ラスト3F地点での「瞬発力」に加え、最後までいかにそのスピードを持続させるかといった「スピードの持続力」を問われるレース展開であった。
東京コース自体が、長い直線をバテることなく走り切る「スピードの持続力」が求められるコース。個人的には、「瞬発力」よりも「スピードの持続力」に長けてる馬を選ぶ方が良いと思っています。
1着 クールキャットについて
外枠からの発走であったが、ルメールは流石に上手い。最序盤は押してポジションを取りに行くも、最初のコーナーを過ぎたあたりで前に壁を作り手綱を引いて、そこで馬を落ち着かせる。
取ったポジションは前から4番手。
そこから中盤の締まったペースを難なく追走し、ラスト3F地点のギアチェンジにも難なく対応。
直線でも素晴らしいスピードの持続力。ルメールが肩をポンと叩く程度で府中の坂を駆け上がってくる。最初にムチを入れたのは坂を駆け上がった残り200m手前あたり。
粘るスライリーを残り50mあたりで競り落とし、1馬身差をつけての優勝。
着差以上に余裕のある勝ち方で、高いスピードの持続力を示した。
オークスへの優先出走権が獲得できたことは本当に大きい。
今年のフローラSのレースレベルは高いと考えており、オークスでも有力な1頭だろう。
ただルメール騎手は、国枝厩舎のアカイトリノムスメへの騎乗が想定される。この馬は誰が乗るのだろうか。ここにも注目したい。
2着 スライリーについて
この馬も府中の舞台における高い適性を示した。
追い切り映像を見ていると「推進力を損ねない走り」をしている馬。
「推進力を損ねない(維持する)走り」がするといった意味では、走りがクールキャットなどと通ずるところがあり、今後の府中のレースにおける追い切りをみる際は、この観点も加えてみたいと思う。
そう気づかせてくれる馬であった。
府中のレースの追い切り映像を見る際、スライリーの追い切り映像を振り返るべし!
この馬も2着でオークスへの優先出走権を獲得。
勝ち馬クールキャットと比べると余裕のない2着ではあったが、先にも述べたがレースレベルは高いと考えており、本番でも無視は禁物の1頭。
今回と同じようなレースができるのであれば、かなり面白い1頭になるかも知れない。
ただ、この馬が残念なのは馬格がないところ…。今回も-8㎏の422㎏。クールキャットには馬格負けした感があり。オークスまでは約1カ月。急激な馬体の成長は望めないかもだが、ここにも注目したい。
3着 ユーバーレーベンについて
個人的に驚いたのはこの馬。ピッチ走法の馬で府中の舞台で長く良い脚を使えないと思っていたが、これは間違い。
この馬は長く脚を使うタイプの馬。
また、ピッチ走法だからといって長く脚が使えない馬と判断するのは危険だと感じさせてくれた馬となった。
この馬はゴールドシップ産駒なのだが、全く父親の一面を感じない。気性は落ち着いており操縦性も高そう。
今回は、クールキャットより0.2秒早い、上り最速の33.2秒を繰り出すも、勝ち馬とはポジション取りの差で0.2秒差の3着。
2着スライリーにはハナ差届かなかった。
この馬の収得賞金は1000万円。
このレースの2着までがオークスへの優先出走権を獲得できる訳で、大きなハナ差となったなと思っていたが、サトノレイナスのダービー出走、メイケイエールの回避情報もあり、もしかしたらオークスに出走できるかも知れない。
4着 メイサウザンアワーについて
勝負どころで前を走るアンフィニドールとララサンスフル間の狭いところ割って抜けてきており、馬群を全く苦にしない勝負根性がある馬。
勝負どころでスライリーに進路入られ、ブレーキ―を踏み進路変更せざるを得なかったのが痛かった。ただ進路変更した後も伸びており、これがなければ2着はあったかも知れない。
そんな馬に対して、追い切り評価は【C】評価。以下のようなコメントを残していた。
3頭併せの中。3頭馬体をビッシリ並べての併せ馬。この馬は手前替えが苦手。というより右手前で走るのが苦手か。直線向いて鞍上が何度も手前替えを試みて、馬も手前替えに応えようとするも替えられない。結局最後まで左手前のまま走りきった。今回の舞台において、これは大きな減点要素であり、追い切り見る人からすれば自信を持って切りたくなる1頭になる。
jamieの追い切り一閃|《2021》フローラS【最終追い切り】調教|メイサウザンアワー
最後の直線はスムーズに右手前に替わっていたが、勝負どころでは左手前に替わっており、やはり「左手前が得意」という見方で良いかも知れない。
ただ思った以上に能力のある馬でした。
坂も苦にしない走り方をしており、今後は中山(右回り)で狙ってみたい。
その他、高評価馬について
高評価としたアンフィニドールやパープルレディーについても記載したところですが、筆者時間の都合上、割愛させていただきます。