追い切り評価の結果はいかに?
出走馬は18頭。追い切り動画で確認できた全頭に評価を付け高評価としたのは6頭。うち2頭が馬券内も、ともに人気馬。参考になったかは微妙なところ。
【B+】を付けた16人気のトゥラヴェスーラが馬券内にこれば役に立てたと言えたのだが、3/4馬身届かずの4着。
とは言え、高評価のうち、4頭が掲示板。そこそこ良い評価ができたのではないだろうか。
着順 | 馬名 | 評価 | 人気 |
---|---|---|---|
1 | ダノンスマッシュ | B+ | 2 |
2 | レシステンシア | A | 1 |
3 | インディチャンプ | B- | 3 |
4 | トゥラヴェスーラ | B+ | 16 |
5 | モズスーパーフレア | A | 6 |
6 | サウンドキアラ | B | 7 |
7 | エイティーンガール | B | 12 |
8 | マルターズディオサ | B- | 9 |
9 | セイウンコウセイ | B- | 13 |
10 | ミッキーブリランテ | B | 11 |
11 | ダイメイフジ | B- | 18 |
12 | ダノンファンタジー | B+ | 8 |
13 | アストラエンブレム | B- | 17 |
14 | ラウダシオン | B | 5 |
15 | カツジ | B+ | 14 |
16 | アウィルアウェイ | C | 15 |
17 | ライトオンキュー | B | 4 |
18 | レッドアンシェル | B | 10 |
レース回顧
午後から雨が降りはじめ、本レースが始まる時間も雨。途中でかなり強い雨が降っており、天候と馬場状態は「雨・重」で行われた今年の高松宮記念。
勝ち時計1:09.2秒は、天気と馬場を考慮すると例年並みと言って良いだろうか。それほど強調できる時計でもなさそう。
ペースは、前半600mが34.1秒、後半600mが35.1秒。前半の方が1.0秒早いハイペースでレースが行われた。
なお、前半1000m通過は57.2秒。
このペースを作ったのは、モズスーパーフレア(松若)であった。
パドック
この日もパドックをリアルタイムに見れず、後追いでパドックを確認。
レシステンシアが、パドックの外を大きく落ち着いて周回。それでいてクビをリズムよく動かし活気十分。踏み込みの力強さもあり、抜けて良くみえた。次点はダノンスマッシュ。パドックの外目をキビキビと力強く周回。モズスーパーフレアもキビキビ。もう1頭名前をあげていたとしたら、アストラエンブレムだったかも知れない。パワフルさがあった。
展開
各馬揃ったスタート。スプリント戦だがモズスーパーフレアのテンの脚の早さが抜けており、自然なカタチでハナを奪う。とは言え、それほど縦長の展開とはならず、1馬身差離れて大きな先頭集団がこれを追走する。
2列目には、ダノンファンタジー、ラウダシオン、セイウンコウセイ。
レシステンシアは3列目の外。
ダノンスマッシュは、レシステンシアを1馬身前に見るように4列目の外にポジションを取る。インディチャンプはダノンスマッシュとほぼ同じ位置のインを追走した。
直線、最初に仕掛けたのはレシステンシア。坂下から追い出しを開始する。次はインディチャンプ。坂の途中で追い出しを開始。最後はダノンスマッシュ。坂を登り切ったラスト1Fからの追い出しとなった。
坂でのインディチャンプのギアチェンジ性能が凄い。坂を登り切った時点で、レシステンシア、ダノンスマッシュに対して1馬身前に出る。
とは言え、前を走るモズスーパーフレアとの差は、まだ2馬身ある。
モズスーパーフレアが残り100mで止まってしまい、この地点でインディチャンプに交わされる。
そのインディチャンプは残り30mで止まる。
最後は、これらをダノンスマッシュが差し切り、2着レシステンシアをクビ差制して優勝した。
1着 ダノンスマッシュについて
川田騎手も勝利ジョッキーインタビューで言っていたが、馬に任せた序盤の位置取り。結果的に前にレシステンシアを見る絶好のポジションとなった。4角での手応えは抜群。ほぼ馬なり、軽く促す程度で坂を駆け上がってくる。
追い出しをギリギリまで我慢し、明確な進路を確保した残り1Fでレシステンシアに並び掛け、勝負を仕掛ける。残り100mでクビ差前に出ると、そのままその差をキープしての見事な優勝。国内G1は初優勝。嬉しいG1、2勝目を挙げた。
追い切り評価では、「少し気になるのは、線が細く見えること。当日の雨予報もこの馬にとってはプラスには思えない。当日の馬場状態や馬体重には気を払いたい。」と述べていたが、実際はなんのその。この馬場を苦にすることなく、地力勝負を見事に制した。馬体重も+3㎏と問題なかった。
2着 レシステンシアについて
坂を登りきった残り1Fを過ぎたところで、左手前に戻して11完歩走ってしまう。距離にすると70m~80m程度だろうか。この左手前の走りをしている間に、ダノンスマッシュにクビ差前に出られてしまう。
残り100mで右手前に戻してダノンスマッシュを抜きにかかるも、このクビ差が詰まらずの2着。
途中で替える必要のない左手前に替えてしまった点が敗因と考えるが、これは浜中騎手の追い方も影響しているのではないだろうか。気持ちが入り過ぎて右手綱を引き過ぎているように思え、これにより馬が左手前に替わってしまったようにも見えた。
3着 インディチャンプについて
この馬が早い脚を使えるのは300m程度。今回も追い出し開始が残り330mあたり。ちょうど残り30mで脚が上がってしまった。
では、もう30m追い出しを我慢させることが正解かと言うとそうでもなく、坂を勢いよく駆け上がるには、タイミングとしてはBESTな追い出しにも見えた。
これが仮に、「良馬場」や「通ったコースが外」であれば、ならもう少し早い脚が使える距離を伸ばすことができたかも知れない。
枠の並びもあるが、終始内に閉じ込められ、馬場の悪い内目をずっと走らざるを得なかったことが、結果的には痛かった。
その他、高評価馬について
4着 トゥラヴェスーラについて
終始、優勝馬ダノンスマッシュを見るカタチで競馬ができたことが大きかったとは言え、4着はフロックでも何でもなく、「能力があったこと」、「追い切りで調子が良かったこと」の2点に起因するものだろう。
結果は、インディチャンプに3/4馬身届かずの4着ではあったが、ちょっとした展開のあやで馬券内があるわけで、このように能力があり、調子が良いにも関わらず、16番人気と過小評価されている馬を、追い切りから見つけることができるのだから、追い切りを見るのは止められない。
5着 モズスーパーフレアについて
松若騎手曰く、「4コーナーでは内の悪い馬場に滑りながら加速することになりました。」とのこと。ラスト100mで止まってしまった原因はここにあるのかも知れない。
良馬場だったら…。もう少し粘ることができただろうか。これは推測の域を出ない。