《2021》ヴィクトリアマイル【評価結果】―レース回顧

2021 ヴィクトリアマイル 京王杯SC 評価結果 レース回顧
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追い切り評価の結果はいかに?

出走馬は18頭。追い切り動画で確認できた全馬に評価を付け高評価としたのは6頭。

高評価馬が1頭馬券内に来るも、これはグランアレグリア。2着はマイナス評価としたランブリングアレー。参考になったとは言うつもりはない。

着順馬名評価人気
1グランアレグリアB+1
2ランブリングアレーB-10
3マジックキャッスルB5
4ディアンドルC14
5シゲルピンクダイヤB13
6レシステンシアA2
7ダノンファンタジーA9
8デゼルB+4
9マルターズディオサB-7
10クリスティB+15
11サウンドキアラB-6
12レッドベルディエスB17
13リアアメリアC8
14テルツェットB-3
15スマイルカナB12
16アフランシールB-18
17プールヴィルB+11
18イベリスB16

レース回顧

勝ち時計1:31.0秒は早い。

過去10年における最速の時計であり、過去10年の良馬場における平均勝ち時計1:31.7秒よりも0.7秒早かった。

ペースは、前半600mが34.3秒、後半600mが33.7秒。0.6秒後半の方が早いスローペースでレースが行われた。

このペースを作ったのは、クリスティ(斎藤新)であった。

パドック

この日はリアルタイムにパドックが見れなかった。

後追いで見たパドックでは以下の3頭がよく見えた。Twitterをしていたら次のように呟いていただろう。

18.レシステンシアが外外を集中して強く周回。11.ダノンファンタジーは適度な気合乗りで外目をキビキビ。落ち着いています。3.クリスティは踏み込み力強く活気も十分。

グランアレグリアは股下に若干の発汗が見られ、軽やかにスキップを踏むも、パドック気配は一息。2着ランブリングアレーも2人引きで、こちらもスキップを踏むような周回。クビを振りながらややもすれば少し入れ込んでいるようにも見える仕草でパドックで拾うことは難しかっただろう。3着マジックキャッスルは頭をスッと上げ、首でリズムを取りながら落ち着いて周回。ただ434㎏の馬体重で、少し小柄に見えた。

少し余談を…

同じ府中の1600mで行われるヴィクトリアマイルとNHKマイルカップ。

勝ち時計はヴィクトリアマイルの方が早いのが常である。(調べたところ平均して0.7秒早かった。)

今年も多分に漏れず、ヴィクトリアマイルの1:31.0秒に対して、NHKマイルカップは1:31.6秒と、

ヴィトリアマイル>NHKマイル

の傾向を踏襲しているように見えるが、2着馬だけを比較すると、ヴィクトリアマイル(2着ランブリングアレー)の1:31.7秒に対して、NHKマイルカップ(2着ソングライン)は1:31.6秒。

2着馬だけを見ると、

NHKマイルカップ>ヴィクトリアマイル

となっているのである。

ランブリングアレーの走破時計1:31.7秒は、例年であればヴィクトリアマイルを勝ち負け可能な時計。

今年のNHKマイルカップのレベルは高く、今年のNHKマイルカップ組(特にシュネルマイスターとソングライン)は、今後のマイル路線で注目すべきと言えよう。

ヴィクトリアマイルが「スロー」だったのに対し、NHKマイルカップは「ハイペース」。展開が異なるので必ずしも正しいとは言いないかもが、弱くはないだろう。

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1着 グランアレグリアについて

グランアレグリアが2着以降についた着差は4馬身。G1でこの着差は決定的。

ちなみに昨年のアーモンドアイも、2着サウンドキアラ以降を4馬身千切っていた。

この2頭を除くと、ヴィクトリアマイルの1.2着馬の平均着差は「半馬身」ほど。

いかにこの2頭のパフォーマンスが高いかが分かる。

次走は、中2週で安田記念に出てくるものと思われる。

なお、「去年の安田記念」の優勝馬もグランアレグリア。

既に56㎏を背負い、あのアーモンドアイに2馬身差をつけて勝っているのである。

「今年の安田記念」に出走しそうな有力馬は以下の馬たちが想定される。

  • サリオス
  • インディチャンプ
  • レシステンシア
  • ケイデンスコール
  • ヴァンドギャルド
  • カラテ
  • ダノンキングリー

「これらの馬にグランアレグリアが負けるとは思えない」と思うのは筆者だけだろうか。

2着 ランブリングアレーについて

道中は中団後方のINを追走。

直線での手応えは抜群。

パトロールビデオでは、吉田隼人騎手が「どの進路を取るのが一番良さそうか」外を確認しているシーンが印象的。

グランアレグリアの後ろが最も効率的と考え、それを実行した吉田隼人騎手の判断と技術も素晴らしかった。

デゼルとほぼ同じ位置で上り3F時計も同じだったが、デゼルの8着に対して本馬は2着になるのだから競馬は面白い。

これは、デゼル(川田)が、グランアレグリアに勝つべく早めに仕掛けたのに対して、ランブリングアレー(吉田隼)は追い出しをギリギリまで我慢できたためだろう。

このレースにおける2着(ランブリングアレー)~8着馬(デゼル)までは、展開と枠順次第で、着順が入れ替わるものと考えられるため、筆者はさしてこの着順を気にしない。

しかし、この馬が上り33.2秒の脚を使えるとは思わなかった。

この馬は馬場不問コースも不問オールラウンダー

また、馬群を苦にしない馬であることも覚えておきたい。

府中向きかどうかはもう少し精査が必要も、本質的には府中向きような気もする。

この馬の強さをここで見抜き、10番人気(75.2倍)のオッズで馬券を買える人が勝ち組である。

困ったことに…、この馬は追い切りであまりよく見せてくれない馬。今後の付き合い方には気をつけたい。

3着 マジックキャッスルについて

1枠1番からのスタートであったが、府中マイルにおける「鬼門の最内枠」を見事にクリアした。

この馬は中団のIN(ランブリングアレーの1列前)を追走。

直線も内目を突いて追い出しをギリギリまで我慢できたことが最後の伸びにつながった。

この馬は上り3F順位は7位。それで中段の位置から3着に食い込んでいるのである。

このレースの2着~8着まではタイム差0.2秒。これが枠順の妙である。

内をロスなく捌いた戸崎騎手の「冷静な騎乗」が光ったが、この馬は、このレースにおいて「枠」と「直線でポッカリ前が空いたこと」など、かなり恵まれた印象もある。

4着 ディアンドルについて

5着 シゲルピンクダイヤについて

先週のNHKマイルカップの前半3Fが33.7秒に対して、ヴィクトリアマイルの前半3Fは34.3秒である。

この馬たちが、4、5着に残っているあたりがこのレースのレース質を物語っている。

すなわち、このレースはスローで流れ、直線向いての「ヨーイドン」のレースになっていた。

この展開になると基本「前にいる馬」が有利。前から3列目にいたこの馬達が、4着、5着になったのはこれが理由だろう。

しかも、ディアンドルは序盤かかり気味で4着。

シゲルピンクダイヤは直線で手前をコロコロ替え、舌を出しながら走っての5着である。

いかに展開利が大きいかを物語る。

競馬にタラレバは無いが、レシステンシアがもう少し厳しい流れで引っ張っていたならば…。

またガラリと着順は変わっていただろう。

6着 レシステンシアについて

戦前(枠順発表前)から「控える競馬をするかも」と取り沙汰されていた。

大外枠をひいたこともあったか、隣にいたスマイルカナとは競り合わず、武豊は3番手で控える競馬を選択。

この馬の上り3F時計は34.1秒である。

この展開のマイル戦で、この馬が出せる脚はこれが限界なのだろう。

この馬については、やはりミドル以上のペースを自身で作りだす方が持ち味が行きそうな気がする。

追い切りやパドックから決して調子が悪かったとは思わない。今回は展開不向きと整理したい。

7着 ダノンファンタジーについて

前有利のレース展開において、グランアレグリアの32.6秒に次ぐ、上り33.0秒の末脚を出したのがこの馬。

パドックでは落ち着いていたが、レースになると掛かっていた。

この馬にとって、序盤のペースが遅かったのかも知れない。

序盤あれだけ掛かりながら、33.0秒の末脚を使えるのだから、能力は一級品。

ただその能力を発揮する条件に、なかなか巡り合わない。

今回のこの馬を追い切り【A】評価としたが、この評価は間違っていなかった。

この馬はまだ死んでいない。今後も注意したい。

次走注目馬: ダノンファンタジー

8着 デゼルについて

テンの脚がなく、G1のマイル戦だと、どうしてもポジション取りで不利。

ダノンファンタジーには遅かったペースが、逆にこの馬にとっては少し忙しかったか…。

川田騎手をもってしても、どうしようもなかった。

この馬については、もう少し距離が伸びた方が、序盤のポジション取り含め、持ち味を活かせそうな気がする。

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