追い切り評価結果
(1〜3着は)【C】→【B-】→【B-】。
出走馬15頭のうち、上位評価を付けた7頭が馬券内に届きませんでした。結果を踏まえ、見立てを検証します。
| 着順 | 馬名 | 評価 | 人気 |
|---|---|---|---|
| 1 | スティンガーグラス | C | 1 |
| 2 | ファイアングランツ | B- | 3 |
| 3 | ブレイヴロッカー | B- | 11 |
| 4 | ヴェルテンベルク | C | 4 |
| 5 | ホーエリート | B+ | 2 |
| 6 | レッドバリエンテ | B | 8 |
| 7 | マイネルカンパーナ | B | 5 |
| 8 | ヴォランテ | B- | 7 |
| 9 | ボーンディスウェイ | B | 10 |
| 10 | ローザサンリヴァル | B | 9 |
| 11 | シルブロン | B | 13 |
| 12 | サスツルギ | B- | 15 |
| 13 | ミクソロジー | B- | 12 |
| 14 | トータルクラリティ | B | 14 |
| 15 | ファウストラーゼン | A | 6 |
パドック
優勝したスティンガーグラスは、二人引きでもスキップを踏むような歩様で、気配は軽め。ただ、毛ヅヤはもう一段で、今回は名前を挙げるまでには至りませんでした。2着のファイアンクランツは集中力強く踏み込めており、少なくともトータルクラリティ、ファウストラーゼンよりは上位のデキ。3着ブレイヴロッカーも落ち着いてゆったり歩けていました。
※パドックレポートは短時間の判断です。精度向上に努めていますが、見立て違いの可能性がある点はご了承ください。
レース回顧
勝ち時計とペース
勝ち時計3:32.0は、過去10年のうち良馬場で行われた勝ち時計の平均3:31.4/中央値3:31.2と比べて、平均より0.6秒、中央値より0.8秒遅い決着です。長距離戦は年によって時計の振れ幅が大きく、一概に断じにくいものの、判定としては「やや遅め」と言うのが妥当でしょう。
前半1000mは 1:03.4。長距離戦としてもかなり落ち着いた入りです。前後半を1600mで分けると、前1600m 1:42.7 → 後1600m 1:35.6(後半が7.1秒速い)。さらに前後半1000mでも 前1:03.4 → 後0:58.4(後半が5.0秒速い)、前後半600mでも 前0:37.0 → 後0:34.8(後半が2.2秒速い)と、はっきりした後傾のロングスパート戦です。分類は迷いなく スローペース。
逃げたのはファウストラーゼン(横山和)で、隊列を整えて“溜める”形に持ち込んだ一戦でした。
回顧
このレースの本質は、「スタミナ比べ」というより “遅い流れをどこで動かし、どれだけ長く脚を使えるか”。前半を落として、後半で一気にギアを上げる競馬になった以上、直線の瞬発力だけでは足りず、早めに動いても止まらない持続力と、仕掛けどころを間違えない判断が勝敗を分けたと言えます。
最下位のファウストラーゼンについて
ファウストラーゼンの敗因は、序盤で脚を使ったうえに、早い段階でロングスパート戦に巻き込まれたことだと考えます。
今回は好スタートから押してハナへ。最序盤で脚を使ったあと、いったんスローに落として隊列を整えます。ところが、1周目スタンド前でマイネルカンパーナに迫られ、2周目向こう正面ではスティンガーグラスが早めに進出。出入りの多い形になり、逃げながらリズムを保ち切れませんでした。
特に痛かったのは、残り1400m付近での圧力です。ここでペースが上がり、逃げた側は“踏み直し”を強いられます。結果、残り600mではすでに脚がなく、使えた脚は賞味800mほどにとどまりました。
ここからは仮説ですが、この馬は長く脚を使い続けるタイプというより、コーナーで加速して押し切る形が合うのではないでしょうか。長い直線で差を詰められたり、早めに動かされてペースを乱される展開は合いにくい。府中よりもコーナー4つのコース、距離も2000m前後の方が噛み合う可能性があります。
戦績を見ると杉原騎手と手が合っている馬ですが、乗り替わりが続き、毎回違う競馬を求められて少し気の毒にも映ります。スタートが良い日もあればそうでない日もあり、乗り難しさもあって買いどきの見極めは難しい。それでも追い切りの動きは確かに良く、まだ4歳。いつかどこかで穴をあけてくれると信じています。これからも本馬の成長と活躍を見守りたいと思います。
1着 スティンガーグラスについて
優勝したスティンガーグラスは、スローの流れを読んで早めに進出し、3角で先頭列へ。そこから脚色を落とさず押し切りました。ルメール騎手の“動いて勝つ”好騎乗も光りましたが、本人が語った通り、心肺機能の高さ=心臓の強さが最大の武器。追い切りやパドックで目立たない中でも、自ら動いて手繰り寄せた勝利で、時計以上に内容が濃い一戦でした。目標は天皇賞・春。十分にチャンスはありそうです。
2着 ファイアンクランツについて
2着ファイアンクランツは、気性の良さが光る一戦でした。内でじっと我慢し、スローからの上り勝負で上り最速を繰り出して2着。展開が噛み合った面はあるものの、この“溜めて切れる”形はしっかり覚えておきたいところです。
3着 ブレイヴロッカーについて
3着ブレイヴロッカーは、少し不思議な競馬でした。好スタートから一度は前に付けますが、無理せず自然に中団へ下げて自分のリズムを優先。一方で頭を振りながらの追走で、この馬にとっては少しペースが遅かったのかもしれません。勝負所では荻野極騎手が早めに進路を作り、直線はホーエリートの進路もしっかり封じて3着確保。長距離適性の高さと、鞍上の好騎乗が光りました。
5着 ホーエリートについて
5着ホーエリートは、序盤から絶好位を取れましたが、スローで我慢させたぶん力んだ印象です。勝負どころの最終コーナーではレッドバリエンテが壁になり、さらにブレイヴロッカーにも進路を塞がれて外へ出せず。直線でその間を割ろうとしたところで接触してバランスを崩し、直後にヴェルテンベルクとも接触し、鐙が外れてしまいました。
ここで戸崎騎手のプロの技術と矜持が光ります。鐙が外れた危険な状況でも、膝で馬体を挟み込んで体勢を立て直し、最後まで追う姿勢を貫いて5着を死守。大事故になりかねない場面で「落ちない」「追う」を両立させたのは、まさにプロフェッショナルでした。
ホーエリート自身はまったく噛み合わない中での5着。次走で人気が落ちるなら、むしろ狙い目になります。覚えておきたい一頭です。
最後に、8着 ヴォランテについて
もう1頭挙げるなら、同じく後方から脚を使ったヴォランテです。展開が噛み合わず掲示板には届きませんでしたが、吉村誠之助騎手の檄に応え、最後まで元気一杯に伸びていました。力を出し切れない形になっただけに、展開ひとつで浮上の余地はありそうです。
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