《2026》AJCC【評価結果】レース回顧 ~マクリ不発と番手粘り―明暗を分けた隊列~

小倉牝馬S プロキオンS AJCC 評価結果 レース回顧
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追い切り評価結果

(1〜3着は)【B-】→【B】→【B-】。人気どころのB-は織り込みつつ、14番人気のB-が走れた要因は整理しておく。

着順馬名評価人気
1ショウヘイB-3
2ドゥラドーレスB1
3エヒトB-14
4マテンロウレオB+6
5サンストックトンC16
6ディマイザキッドB-4
7ジョバンニB-2
8ノースブリッジB-9
9ニシノレヴナントB10
10アルビージャB-12
11マイネルエンペラーB5
12ファウストラーゼンA7
13チャックネイトC8
14ホウオウノーサイドC15
15マイネルメモリーB-13
16アウスヴァールC11

パドック

この日は用事があり、Xでのリアルタイムレポートはできなかった。
勝ったショウヘイは追い切りこそ一息でも、当日は体をスカッと見せ、気配の良さが際立っていた。2着ドゥラドーレスも前進気勢が程よく、後肢の可動域が目立つ。3着エヒトは+12kgでも太さはなく、筋肉量とハリ艶の良さが印象的でとても良く見えた一頭であった。
追い切り【A】評価のファウストラーゼンは歩様にぎこちなさがありつつ、肌艶と踏み込みの力強さは見せていた。

レース回顧

勝ち時計とペース

勝ち時計2:10.8は速い。良馬場に限った過去10年の勝ち時計は平均/中央値ともに2:12.7で、平均より約1.9秒速い決着。AJCCとしてはかなり速い部類と言える。

前半5Fは58.7秒、後半5Fは60.4秒。前半が後半より1.7秒速い前傾で、レースはハイペース寄りの流れ。主導権を握ってペースを刻んだのはアウスヴァール(古川吉)であった。

この条件は、後方一気よりも「前で消耗を抑えて粘る」馬に向きやすい。速い決着で前も止まり切らない以上、後ろは上がりだけで差し切るのが難しい構造である。

回顧

今年のAJCCは、速い時計と前傾ラップが重なり、「後ろから差す」よりも「前で消耗を抑えて粘る」ことが結果に直結する一戦。焦点を2点に絞って回顧する。
①【A】評価のファウストラーゼンがなぜ12着に沈んだのか。
②14番人気のエヒトがなぜ馬券内に残せたのか。

■【A】評価ファウストラーゼン(12着)について

マクリに行けなかった理由

縦長の隊列で、内から2頭ずつ整列する形ならマクリは打ちやすい。だが今回はファウストラーゼンの前に馬が多く、押し上げるなら外を回すしかない隊列であった。ここでマクリを打てば距離ロスが大きい。横山武史騎手は、終いの脚に賭けてどこまでという選択に振ったと見たい。

その判断の根拠は次の3点である。

  • 追い切りで終いの反応が良く、末脚勝負に希望を持てたこと
  • マクリを打つには外を回すロスが大きいこと
  • 前が止まる(止まってくれる)展開を想定できたこと

しかし結果的には、勝ったショウヘイが上がり35.1秒でまとめており、前も大きくは止まらなかった。そうなると、ファウストラーゼンが勝負になるには、少なくともドゥラドーレス(ルメール)あたりの位置まで押し上げておく必要がある。最後方待機のままでは、構造的に届きにくい。

今回は末脚の質を確認できた一方、勝ち切るには「動く位置」が鍵となる。動き出しは残り800mを示すハロン棒の少し手前からで、直線は一番外に出した。詰まる不利はない。だが外を回したぶん距離ロスを背負っており、脚を使える区間も短くなる。反応にはキレがあったが、伸びは一瞬であった。

本来は勝負所からジワジワ加速し、持久力を活かして終いの粘りにつなげる競馬が合うタイプである。次走は最後方にこだわらず、ある程度のポジションを確保したうえで、勝負所から持続的に押し上げる形に期待したい。

■14番人気エヒト(3着)について

なぜ馬券内に残せたのか

結論は明確で、状態の良さと隊列の噛み合わせである。パドックでは+12kgでも太さはなく、筋肉量とハリ艶が目を引いた。追い切りで評価を抑えた分、当日の気配を読み切れなかった点は反省材料となる。

レースは大外枠でも迷いがない。前にアウスヴァールがいることを把握したうえで、菅原明良騎手が押し出して番手を取りに行った。通過順は②②②②③。外枠からでも先手を主張し、「揉まれない形」を作れたことが大きい。

向正面の折り合いは完璧で、脚取りも力強い。動きにキレがあり、前傾の流れでも余計な消耗を抑えられている。上がり3Fは36.6秒で、切れ味ではなく「前で脚を溜めて踏ん張る質」で残した内容である。

勝ち馬との差が詰まったのは4角。逃げるアウスヴァールを直線を向いた時点で捕らえ、粘り込みを図った。進路は内ラチから3頭ほど空けたところで、ロスを抑えて踏ん張りに持ち込めている。最後に交わされたのはラスト1F、坂を上るところであった。それでも3着に残せたのは、位置取りと進路取りが噛み合い、状態の良さが最後まで支えたからである。

9歳という年齢は盲点になりがちだが、能力の下地がある馬が、状態良く、得意の距離・舞台に噛み合えば、人気以上に走る余地はある。『追い切り一閃』としては、こうした「当日気配で一段上げるべき人気薄」を拾えるよう、精度を上げていきたい。


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