《2025》チャンピオンズカップ【最終追い切り】調教評価 ~ナルカミもウィルソンも“過信禁物”。追い切りが映し出す伏兵の存在~

チャンピオンズC 追い切り 調教 評価

本記事は、2025年12月7日(日)に中京競馬場で行われる『チャンピオンズカップ(G1)ダ1800m(定量)』の最終追い切り評価記事です。

出走馬は16頭。追い切り動画で確認できた全馬の追い切り評価となります。

今回は G1スペシャル版 として、全馬についてコメントを付しました。
少しでもレースのイメージ作りにお役立ていただければ幸いです。

目次

Grade A

サンライズジパング

1週前は相手を交わしたところでフワッと気が抜け、鞍上がステッキで気合をつける場面もありましたが、脚力そのものは圧倒的でした。
最終追いは坂路単走。馬の多い時間帯で前が詰まり、右へ逃げるような斜行は見られたものの、動きの芯はブレず、脚元の強さが際立ちます。
推進力がやや上に逃げる点は相変わらずながら、それを補って余りあるパワーと回転の良さ。
内寄りの枠が理想でしたが、現時点の完成度を素直に評価し、最高評価としています。

B+評価

シックスペンス

1週前は手前替えが流麗で、推進力を前へしっかり伝える走り。伸びやかさと脚の回転力のバランスも良く、動きの質はかなり高い部類です。
最終追いは美浦坂路での併せ馬。重心をブレずに真ん中へ置き、低い姿勢で運べており、走りの安定感は抜群。併せた古馬2勝クラスのルージュスエルテを1馬身半突き放し、余裕すら感じる内容でした。

メイショウハリオ

1週前から動きが一段階良化。追い出しの合図が来るまでギアを入れずに待てる“頭の良さ”があり、その点は大きな好材料です。合図が入ってからは一気にスイッチが入り、相手を3馬身突き放す伸び。トップギアに上がってからの蹴りの強さは明らかに上位で、良い状態でレース週を迎えられた印象です。

B評価

アウトレンジ

この組で最上位に置きたいのがアウトレンジです。前走みやこSでは【A】評価とした馬ですが、今回は1週前の時点で“終いのキレ”や“動きの溌剌さ”がやや物足りず、ひと息入った印象でした。
ただ、最終追いでの上昇は顕著で、フォームの美しさはそのままに脚の回転量が増し、全身の連動性も良化しています。
この馬は「自分のリズムで走れるか」がすべて。内枠の白帽子2頭を前に行かせ、その直後のポジションでスッとリズム良く運べれば、一気に怖い存在になりそうです。

ラムジェット

1週前の栗東ダートで“実戦さながら”の調整。大きな蹄でしっかりと地面を掴み、首と四肢が見事に噛み合った伸びやかな走りは見応えがありました。
最終追いでは左手前への変換に少し戸惑い、ソラも見せてステッキが入る形となりましたが、脚元の力感は依然として健在。
噛み合えば一気に飛んで来る──そんな迫力を感じさせる馬で、軽くは扱えない一頭です。

ペリエール

爆穴になりそうで面白いのがペリエールです。1週前の動きは平凡でしたが、最終追いではカチッとした好フォームで、のびやかに走れており、自身のリズムにしっかり集中できていました。追い切りで良く見せるタイプではありませんが、今回は状態が上向きです。
人気薄ゆえに軽視されがちですが、「東京専用機」という先入観だけで判断すると、大魚を取り逃す可能性があります。ここでも侮れない一頭と見ています。

ナルカミ

この実績の馬にしては珍しく、追い切り映えしないタイプですが、今回はその中でもやや力みが強く、クビに硬さが残っていました。
ただ、最終追いでは1週前から確実に良化しており、馬体の張り・艶も十分。動きの質と気配のバランスがまだ整いきらない印象で、取捨はパドックを見てから判断したい一頭です。評価は据え置きました。

ウィリアムバローズ

1週前はアタマを低く保つこの馬らしい前傾姿勢で、肩ステッキにも鋭く反応。後肢ものびやかで、走りには弾力性がありました。
最終追いは調整程度で、関節の伸びやかさにもう一段ほしい印象は残ります。
ただ、全体としては大きく崩れておらず、能力値と今回の好枠を踏まえると、人気の盲点になりすぎている印象。評価を下げるまでは至らず、この位置に留めました。

セラフィックコール

1週前はトップスピードの質こそ高いものの、序盤のクビの動きに硬さが残り、ギアの入りが遅い内容。鞍上も気合いをつけたかったのか、ゴールを過ぎても脚色を緩めませんでした。
最終追いでは俊敏さはあるものの、手前がなかなか決まらず纏まり欠く動き。G1直前としてはもう一段ほしいところです。
それでも、デビューから無傷の5連勝で一気に重賞制覇した素質馬。ここまで人気を落とすのであれば、調教面の課題を承知のうえで“押さえておきたい”存在でもあります。
総合的にみて、評価はこの位置に据えました。

B−評価

ここからはマイナス評価とした馬について、記事執筆時点の人気順にコメントしていきます。

ダブルハートボンド

1週前から体はスカッと見せており見映えは悪くありませんが、動きに覇気が乏しく、脚元の力感も今ひとつ。
最終追いでも同様で、鞍上がステッキで気合をつけても反応は鈍く、終いは失速気味でした。
見た目とは裏腹に走りの芯が整っていない印象で、評価は割り引きました。

ルクソールカフェ

栗東CWでの併せ馬でしたが、動きにまとまりがなく、推進力が持続しませんでした。外の古馬オープン馬サトノカルナバルに対し、仕掛けられた瞬間に力なく1馬身遅れ、ゴール前では走るのを止めて突き放される形に。
全体的に見栄えが悪く、まだ本来の動きには戻っていないという判断です。

テンカジョウ

1週前はメイショウハリオとの併せ馬で、相手が追う中を馬なりで先着。ただ、四肢の可動域は平凡で強調材料にはなりません。
最終追いでは手前替えでリズムを崩しブレーキを踏む場面があり割引き。その後は好フォームで走れていましたが、相対評価では一歩見劣ります。

ハギノアレグリアス

活気は十分で動き自体に迫力もありますが、まだトモのパワーが付ききっていないこともあり、気持ちと体が噛み合わず、どこか空回りしている印象です。

ヘリオス

水沢ダートでの単走追い。馬体のハリ・艶は良く、動きもキビキビ。もうすぐ10歳になる馬ですが若々しさがあります。ただ、“体を大きく使う”という点においては、全盛期と比べるとさすがに見劣りする内容です。

C評価

ウィルソンテソーロ

1週前は栗東CWでの併せ馬。5馬身追走から直線で並びかけたものの、相手は2歳未勝利馬。こちらが追って追っているのに対し、相手は軽く促す程度で余裕があり、可動域の狭さと伸びを欠く内容でした。
最終追いでは、コーナーを回るあたりから手応えに陰りが出て、鞍上も早々にステッキを選択。直線でも手前がなかなか決まらず、走りにまとまりを欠きます。併せた古馬1勝クラスに合わせてもらって、なんとか先着したという印象です。加えて股下からの発汗も目立ち、気配面でも強調しづらい状況と言えます。

ペプチドナイル

1週前は相手と馬体を並べてからめい一杯に追われ、冷静に運ぶ相手にアタマ差先着という内容。勝負根性は見られましたが、体幹の安定を欠き、動きに余裕はありませんでした。
最終追いは普段のパターンを替えてCWでの併せ馬に臨み、懸命に追う形でしたが、2歳未勝利馬相手に半馬身遅れ。動きには王者らしい貫禄や余裕がうかがえず、今回はこの評価としています。

追い切り評価(まとめ)

枠番馬番馬名性齢斤量騎手最終1週前
11ウィリアムバローズ牡758.0岩田望BB
12ダブルハートボンド牝456.0坂井瑠B-B-
23メイショウハリオ牡858.0武豊B+B-
24セラフィックコール牡556.0西村淳BB-
35ヘリオスセ958.0B-
36ハギノアレグリアス牡858.0岩田康B-B-
47ラムジェット牡458.0三浦BB+
48ウィルソンテソーロ牡658.0川田CC
59アウトレンジ牡558.0松山BB
510テンカジョウ牝456.0国分優B-B-
611シックスペンス牡458.0ルメールB+A
612ナルカミ牡357.0戸崎BB-
713サンライズジパング牡458.0池添AB-
714ペプチドナイル牡758.0藤岡佑CB
815ペリエール牡558.0佐々木BB-
816ルクソールカフェ牡357.0ジェルーB-

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