追い切り評価の結果はいかに?
出走馬は9頭。追い切り動画で確認できた全頭に評価を付け高評価としたのは3頭。1頭も馬券に絡むことができず全く参考とならない結果となってしまった。
今回、単勝1.9倍のグレートマジシャンに【C】評価を付けたが、後悔はしていない。追い切りとパドックだけで馬券を買う筆者としては、この馬の馬券は買えないと思ったし、正直絶好の切り時と思ったことは間違いない。
筆者自身、セントポーリア賞におけるこの馬の競馬をみて強さは分かっていたのですが…。
着順 | 馬名 | 評価 | 人気 |
---|---|---|---|
1 | シャフリヤール | B | 2 |
2 | グレートマジシャン | C | 1 |
3 | プログノーシス | B | 4 |
4 | ルペルカーリア | B- | 3 |
5 | レヴェッツァ | B+ | 6 |
6 | ウエストンバート | A | 8 |
7 | ダディーズビビッド | B | 7 |
8 | ロジローズ | B+ | 5 |
9 | ディープリッチ | B- | 9 |
レース回顧
勝ち時計1:43.9秒はコースレコード。コースレコードはおろか、芝1800mの中央競馬レコードタイの記録。これを3歳なりたての馬が計時したことに少々驚きを隠せない。素晴らしい時計での決着となった。
レコード種別 | 年 | 馬名 | レース名 | タイム |
---|---|---|---|---|
コースレコード | 2019年 | ダノンファンタジー | ローズS | 1:44.4秒 |
中央競馬レコード | 2014年 | グランデッツァ | 都小路S | 1:43.9秒 |
ペースは、前半600mが34.5秒、後半600mが34.4秒。前後半差の少ないミドルペース。
前半1000m通過は57.6秒と早かった。
このペースを早い作ったのは、ウエストンバート(国分優)であった。
パドック
この日はパドックをリアルタイムに見れず、後追いで見た。着順上位馬のパドック評は以下のとおり。
勝ったシャフリヤールは448㎏(±0㎏)の馬体は華奢に映り、どこにこんなパワーがあるのかと思うほど。正直あまりよく映らなかった。
グレートマジシャンは追い切りではよく映らなかったものの474㎏(-8㎏)のスラッとした好馬体。パドックではよく見えた。
ルペルカーリアは外目を1歩1歩力強く周回もさほど見栄えする様子でもなく、プログノーシスに至っては動きが硬く元気がないように見えた。
パドックで一番良く見えた馬はウエストンバート。528㎏(-6㎏)の大きな馬体も重苦しさを感じることはなく、毛艶はピカピカ、皮膚が薄く筋肉の隆起が目立ち、キビキビと前進気勢に溢れていた。追い切り評価どおり調子は良かったのだろう。レヴェッツァ、ロジローズも悪いパドックではなかった。
Twitterをしていたら、上位4頭の内、名前をあげれたのはグレートマジシャンだけだったかも知れない。
1着 シャフリヤールについて
勝ったシャフリヤールはスタートで後手を踏むも、川田騎手が上手に前目のポジション持っていく。
最初のコーナーを馬場の悪い内を選択し、距離ロス少なくコーナーを回ったのが印象的。最後の直線では前を走るウエストンバートとルペルカーリアとの間が一瞬狭くなったが、慌てず抜け出し、上り2位タイとなる(34.1秒)の脚で、グレートマジシャンの追撃をクビ差交わしレコードでの優勝。
川田騎手は、勝利ジョッキーインタビューで次のように語っていた。
勝つことが求められたレース。勝つために馬を動かした。
確かに、共同通信杯が無念の3着となり、クラシック戦線に乗せるためには2着ではダメで勝つことが絶対条件となっていたこのレース。陣営はトライアルレースを使わず、1戦必勝のこのレースを選択してきた。
川田騎手は、勝つための序盤のポジション取り。このポジション取りで使った脚を補うかのようにコーナーでは迷うことなく内を選択。早いペースを前目前目で競馬し、終始グレートマジシャンに対して先手をとり、上り3F時計34.1秒で押し切る文句なしに強い競馬。
馬主や調教師からすれば、川田騎手に仕事をお願いするのが一番安心できるのではなきだろうか。個人的には、川田騎手の仕事人として「成し遂げる力」を感じるレースであった。
シャフリヤールもよく川田騎手の激に応えた。448㎏の小柄な馬体のどこにこれだけのパワーを秘めているのだろうか。これは能力以外何者でもないだろう。
次は中2週で皐月賞だろうか…。兄アルアインと同じ、毎日杯→皐月賞というローテーション。と言う報道もあるが、今回は相当タフな競馬しており、馬は相当疲れているだろう。また、川田騎手からも「勝つために馬に無理をさせた」ようなニュアンスの言葉もあった。
皐月賞で今回同じパフォーマンスが出せるかというと、正直かなり厳しいのはないだろうかというのが筆者の見解。もしかしたらダービー狙いで皐月賞をパスする可能性もあるだろう。そうなった時の方が怖さを感じる。
いずれにせよ、筆者は追い切り中心。皐月賞に出走するならどういう追い切りをしてくるのか。その辺りも着目してみたい。
2着 グレートマジシャンについて
2着以降については、筆者時間の都合上、簡単に一言ずつ述べる程度に留める。
パドックでは良血らしい雰囲気ある馬体。ただ正直この追い切りでよく2着に来たなというのが感想。この調整内容でレコード時計を出せるとは…。こうなっては完全に能力という他、整理のしようがない。基本的に強い馬であることに疑う余地がない。これで収得賞金は1650万円。ダービー出走に向け大きな賞金加算とはなったが、確実なものとするにはもう1戦必要か。
この馬の次走レース選択に注目したい。
3着 プログノーシスについて
最後方から競馬。終いの脚はシャフリヤールと並ぶ2位タイの34.1秒。
早いペースを前目で追走したルペルカーリアを1馬身交わしての3着。確かに上位4頭は能力上位だが、早いペースを番手で追走したルペルカーリアと比較すると、展開に恵まれた感は強く、ルペルカーリアとの勝負付けはまだ済んでいない。
4着 ルペルカーリアについて
5着馬レヴェッツァとの着は4馬身。この馬までが能力上位。母シーザリオの超良血馬。母が亡くなるニュースもあり、人気になるのも無理はない。追い切りでもさして良く見えず、早いペースを4着に残したのは血のなせる業か。
常に人気になりやすい馬。冷静に見極めたい。
その他、高評価馬について
6着 ウエストンバートについて
前走はマテンロウアレスを撃破。マテンロウアレスは日曜日の中京4Rで3着に敗れるも、高松宮記念に出走したライトオンキューとの併せ馬で、遜色ない動きをしていた素質馬。
本馬はそのマテンロウアレスに勝っており、追い切り・パドックともによく近い将来、1勝クラスはまず間違いなく勝ってきそう。しばらくおいかけてみたい。
次走注目馬:ウエストンバート